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色を司りし者  作者: 彩 豊
第二章 青の国の異常
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2-2-5(第98話) ラピス=コンバール

今週も投稿したいと思います。

今後も引き続き書きたいともいますので、感想、ブックマークの方、よろしくお願いいたします。

 その後、ラピス=コンバールは何か言っていた気がするが、俺はまったく聞く耳を持てず、ただ放心していた。

 やがて、意識は少しずつ戻り、今度はこいつにどう仕返ししようかと考え始めていた。

 そして、どう仕返ししようか考えついたときに、

「…あの、僕の話、聞いていました?」

 …どうやら、いつの間にか、話が終わっていたらしい。

 クロミルはきちんと聞いていたらしいが、それ以外は…あまり聞いていなかったらしく、目を見開いたまま、石膏像の様に止まっていた。

 

「…おいルリ。右手に魔力を溜めて、いったい何をするつもりだ?」

「…ん?ああこれ?これはね、ルリの身体能力がどれほどあるか試そうと思って、あのゴミ(ラピス=コンバール)を的にしようと…」

「おい!そんなことは絶対にさせないからな!」

「そう言うお兄ちゃんは全身に身体強化の魔法をかけて、どうしたの?」

「え?…あ、ああこれか?これは…研究、そう研究だよ。新しい魔法の研究をしていたんだ」

「そんなの嘘でしょ!どうせあのゴミ(ラピス=コンバール)に向かって撃つつもりだったんでしょ!?」

「な、何故分かった!?…じゃなかった、そんなことはどうでもいいんだよ。それよりあれ、どうする?」

「あれはリーフお姉ちゃんとイブお姉ちゃんがなんとかしてくれるから大丈夫だと思うよ?」

「…それもそうか」


 そう。俺とルリの視線の先には、

「放して!放してくれないと、あのゴミ(ラピス=コンバール)、殺せないじゃないですか!!?」

「駄目です!今は落ち着いて!落ち着いてください!」

「…いくらなんでも、身体強化を使うのはよくない」

 暴走しかけているクリムを、リーフとイブが抑えてくれていた。

 リーフやイブにも、思うところがあるというのに、クリムを止めようとしていることから、あの2人の優しさが感じられる。

 俺だったら、絶対に仕返ししてやろうとあれこれ考えるというのに。

 ここで、カオスとなっていた話し合いの場をなんとかしようと動きだしたのが、

「みなさん!取り敢えず、落ち着きませんか!??」

 クロミルだった。

 俺達はクロミルの大声にビックリし、その驚きでみんな冷静になっていった。

 まぁ俺は元から冷静だったけどな。

 ………すいません嘘です。けっこう頭に血が上っていました。正直助かりました。

 

「…すいません。確かにクロミルの言う通り、落ち着くべきでした」

「クロミルさん!暴走していたクリムをとめていただき、ありがとうございます!」

「…ん。助かった。ありがと」

「い、いえ!私はただみな様のことを思って行動しただけで…」

「でもでも!ほんっとに助かったよ!ありがと、クロミルお姉ちゃん!」


 さて。

 これでみんな落ち着いたとはいえ、まさかこいつが青の国の関係者だったとは。

 しかも王族ときたものだ。

 そういや気になる発言をしていたような気が…?

 ………気のせいか。

 とにかく、こいつへの仕返しはあれだな。

 と、そんなことを考えていると、

 グゥ~。

 誰かの腹の音が鳴る。

「私じゃありませんよ!?」

 やはり前科持ちだったからか、俺達全員がクリムを向く前に、クリム本人が否定してくる。

 となると一体誰の腹が…?

「…すいません。僕です…」

 ここで、ラピス=コンバールがおずおずと顔を赤らめながら手を上げる。

 そう言えば、もう日も暮れ始めているし、そろそろ夕飯時か。

「夕飯の準備、始めるか?」

「「「「「はい!!!!!」」」」」

「あの、僕もご馳走になっても…?」

「ん?ああ。もちろんいいよ」

「あ、ありがとうございます!」

 そう言って、ラピス=コンバールは思いっきり頭を下げる。

 ふふふ。そうやっていられるのも今の内だぜ。

「…お兄ちゃん?なんで笑っているの?」

 おっと。いつの間にか笑みがこぼれてしまったな。

反省反省。

「な、なんでもないぞ、ルリ。それより夕飯の用意、手伝えよ?」

「うん!」

 さぁ、仕返し開始だ!

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