1-1-5(第9話) 折檻
昼、約束通りギルドに来てみると、受付の人達が話し込んでいた。どうやらお昼に休みを取ったらしい。よし!これを理由にすればいける!
「あの、お休み中でしたら、報酬だけ頂いて失礼」
「させないわよ」
そういって、女の人はギルドの入り口を閉めた。
おい!あの人速すぎだろ!?一瞬で俺の後ろに回り込みやがった!
どうする俺。なんか受付の人達に囲まれているんだけど。
「さぁて。これからお話をしましょうか?」
「・・・」
「「「返事は!!!???」」」
「は、はい!!」
こうして俺は受付の人達による長いお話が始まった。
最初は俺を犯罪者のような冷たい目で見ていたが、俺の無実が分かると途端に対応を変え、肉体的接触が多くなった。具体的には胸チラ等です。謝罪もあったし、俺も無知だったので、つい許してしまった。あんな素敵なものを見せて頂いたんです。後悔はありません!
「今回は私達の勘違いでした。本当に申し訳ありませんでした」
「あ、俺はもう気にしていないので大丈夫です」
正直なところ、もっと女体の神秘について知りたかったな。
「さて、これから、昨日の依頼報酬の件についてお話しますので、奥に来てください」
「はい」
やってきたのは、いかにもギルドマスターがいそうな部屋だ。あちらこちらに書類が置かれている。汚い。
「この惨状について一切の文句、質問は受け付けませんので」
「はぁ」
「では、こちらに座ってお待ちください。ギルドマスターをお連れしますので」
そう言って、エルフさんはいなくなった。
「それにしても汚いな。ここのギルドマスターはがさつなのか?」
「へぇ。私のことをがさつと言うか?」
「だってこんなにってお前は誰だ!?」
「ここのギルドマスターでこの部屋を使っている者だ」
「え?」
やべ。本人の前で言っちゃったよ。テヘ。
「アヤトさん」
「な、何?」
エルフさん、どうしたんだろう?急に涙を浮かべて。
「あなたが死んでも、私はあなたのことを忘れませんので、さよなら」
「え?」
「別れの挨拶は済んだか?」
別れとは一体誰と誰のことだろうか。そしてギルドマスター。赤魔法で手を強化し、俺に殺意を向けないでほしい。
「覚悟しろ!」
「ひぃ!」
ギラン!!!
この日、彩人は心に大きなキズができた。
なかなか1000文字程度、ていうのが難しいです。