表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
色を司りし者  作者: 彩 豊
第2色 青の国 第一章 白黒牛人を助けし者達
89/546

2-1-17(第89話) 牛人の村での戦い~その後~

今週も載せたいと思います。

 帰り道、

「「………」」

 俺達は一言も話さなかった。

 今回は俺のせいではない。

 単にリーフが気を利かせてくれたのだろう。

 でも、なんで気を利かせたのだろうか?

 俺はリーフの優しい気遣いに疑問を持ちながら、リーフと一緒にルリ達の元に向かう。



「あ、お兄ちゃん~。良かった~。生きていてよかったよ~…」

「!?アヤト!大丈夫!?」

「アヤド~。おげんぎでなによりでずぅ~」

「あ、ああ」


 イブは俺がここにいることに驚いているのに対し、クリムは涙を流しながら何か言っているが、何を言っているのかいまいちわからない。

 なんだか、ルリの顔色が少し悪いような…?


「おいルリ、大丈夫か?どっかやられたか?」

「違うよ~。これは単なる魔力の使い過ぎだよ~。それよりお兄ちゃんのこの方がひどいと思うけど~?」

「…そんなに悪いか?」


 そこまでひどい顔をしていたのか。


「…ん。一瞬、リーフがゾンビと戯れているのかと思った」

「…イブ?それはアヤトだけでなく、私にもひどくないですか?」

「…気のせい」

「…あれ?クリムのその包帯、どうしたんだ?」

「え?ああ、これですか。これはレッド爪牙狼との戦いで怪我したんです」

「それだったら、俺が治すよ」


 俺はクリムの怪我した部分に近づき、綺麗な腕をイメージしながら白魔法を使う。

 …上手くいったのか?包帯で怪我の部分が隠れているからよくわからないな。


「…一応、治療したけど、確認してくれないか?」

「はは。そんなまさか、アヤトが白魔法を使えるわけが…」

 そう言いながら、クリムは自分の怪我一つない腕を見て固まった。

「…白魔法、使えるのですか?」

「「えっっ??」」

「ん?」

 あれ?もしかして今、おかしなことをしたのか?

 確かに、事前に治療するといっても、了承をもらう前に治療したから、そのことを怒っているのか?


「…悪い。なんか俺が早とちりしたみたいで…もしかして、回復しちゃ、まずかったか?」

「「「違います(違う)!!!」」」

「え?」

「普通の人は一種類しか色魔法を使うことができませんよ?」

「そ、そうなのか?」

 初耳なのだが?

「「((こくくこく))」」

「へぇ~。そうなんだ~」


 王女二人組は知っていたが、やはりというか、ルリは知らなかったみたいだ。


「ちょっと、どういうことか説明して頂いてもよろしいで…」


ここで、

「ご、ご主人様―!」

 ん?この声は…?

「牛人か?」

「はい!ご主人様が購入なさった()()牛人です!」

「そ、そうか…」


 なんか、いつもより迫力があるというか、勢いがあるかというか…。

 …それにしても、気のせいなのか?なんか視線を感じる。


「はい。それで、今回のことで、みんながご主人様方全員にお礼がしたい、ということです」

「「「「「お礼?????」」」」」


 具体的には何だろうか?

 もしかして、お礼と称した罰ゲームでもやらされるのか?

 …なんか、あのメイキンジャーのあの発言から、よりネガティブ思考が強くなった気がする。


「お礼とは具体的には何を…」

「はい。ぜひ皆様にはこれまでの苦労を少しでも癒してもらいたく、ご馳走の準備を…」


 ギュルルル~~~。


「「「「「………」」」」」

「…すいません。私です」


 クリム以外の全員がクリムをじ~っと見つめていたためか、意外とあっさり白状した。


「飯、食いに行こうか?」

「…はい…」


 クリムはうつむきながらその場を立ち、俺たちと一緒にご馳走の場所へ向かった。

今日の内にまた、投稿します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ