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色を司りし者  作者: 彩 豊
第2色 青の国 第一章 白黒牛人を助けし者達
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2-1-15(第87話) 牛人の村での戦い~その5~

今週も投稿しようと思います。

 時は、アヤトと牛人が、ブラックメイキンジャーがいるであろう洞窟に向かい始めたところまで遡る。


「…本当に、こんなところにブラックメイキンジャーなんているのか?」

「はい。間違いありません」

「といってもなぁ…」


 正直、この先に洞窟があるのかすら怪しい。

 さっきからずっと森の中を走っているわけなのだが、ずっと同じ景色のため、森の中を回っているのでは、とついつい考えてしまう。


「そろそろ見えてくるはずです」

「ん?そうか、あれが…」

「はい。例の洞窟です」


 俺は少し開けた場所に着いて、ようやく目的地に着いたのだなと自覚する。

 洞窟自体はいかにも熊が住んでいそうな雰囲気がある。

 この洞窟の中に入りたくないなぁ。


「もしかして、ブラックメイキンジャーって、この洞窟の中にいたりしないよな?」

「はい。ブラックメイキンジャーはこの洞窟の中にいます」


 まじか…。

 俺達はあのいかにもなんか出そうな洞窟の中に入っていかなくてはいけないのか。

 いや、牛人はこの後、すぐにルリ達のところにいってもらう予定だから、俺一人

か。

 いやだなぁー。

 俺が憂鬱になっていると、


「おやおや、こんなところまで来て、一体何用です?」


 杖を持ち、黒いコートを着ている全身真っ黒な奴が杖を突きながら歩いてくる。

 な!?こ、こいつ、喋れるのか!?

 あの黒い一つ目巨人(サイクロプス)と同じようにしゃべれないと思ったけど、違うのか?


「お、お前は何者だ!?」


 若干、声が上ずってしまったが、それでも全身真っ黒な奴に話しかける。

 この場にいるってことは間違いなく、あいつだろう。


「え?私ですか?私はメイキンジャーです。もちろん、ただのメイキンジャーじゃありませんけどね」


 そう、俺達が戦うべき相手のブラックメイキンジャーだ。

 俺は心臓をバクバクさせながら、剣を構える。


「牛人。今すぐみんなのところへ戻ってくれ」

「え?ですが…?」

「いいから早く!」


 俺は強めに言った。

 もしかしたらこれで嫌われるかもしれないけど、後で死なれるよりよっぽどマシだ。


「…分かりました。それではご主人様、ご武運を」

「ああ」


 そう言って、牛人は走ってこの場所を後にした。



「いいんですか?」

「いいんだよ」


 牛人が一人いたところで勝つ確率はほんのわずかしか上がらない。

 だが、死ぬ確率は大幅に上がる。

 俺はそんな一か八かの賭けは好きじゃないからな。


「んで、ここで魔獣を召喚して、使役することはやめてくれないか?」


 こんなこと言ったって、相手はやめずに魔獣を召喚し、使役し続けるだろう。

 俺が片っ端から倒していかないと、牛人の村は無くなるかもしれないからな。気合い入れないと。


「いいですよ」

「ちっ。やっぱ片っ端からっていいの!?」

「ええ」


 な、なんだ~。

 結構話が通じるやつじゃないか。

 

「その代わり、あなたがこの魔獣の処分をしておいてくださいね」

「え?」


 ちょっと待て。魔獣の処分ってなんだ?

 もしかして、召喚、使役する魔獣の数にも制限がある、ということか?


「ちょうど、そろそろ使役できなくってきたので、もう召喚しますね。来てください、爪牙狼達」


 爪牙狼、達?

 俺はメイキンジャーの発言に俺の体に冷や汗が出始める。

 そして、大量に出てきたのは、


「うわ!ま、マジかよ…」


 色とりどりの爪牙狼がわんさか出現した。

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