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色を司りし者  作者: 彩 豊
第2色 青の国 第一章 白黒牛人を助けし者達
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2-1-13(第85話) 牛人の村での戦い~その3~

今週も投稿したいと思います。

 彩人達の背中を見送った者たちがいる。


「アヤト。行ってしまいましたね…」

「はい…」

「…いつも通りやる」

「うん!」


 リーフ、クリム、イブ、ルリの4人である。


 今回、アヤトと牛人はブラックメイキンジャーを、他の4人は村の牛人達を護るために、ここに残った。

 だが、4人は心配していた。

 この方法が一番いいということはなんとなく理解している。

 だが、気持ちが追い付かないんだ。

 前回の黒い一つ目巨人(サイクロプス)の時はまともに見られないほど怪我をしていた。あんな怪我を見せられた後で、またアヤトはひどい怪我をするのではないのかと心配してしまうのだ。

 その様子は、かわいい子に旅をさせ、その様子を見守る親の如し。


「私達も気を引き締めましょう」

「はい!」

「…ん」

「うん!」


 それぞれ4人は今向かってきている敵に対して、身を構える。

 だが、リーフはとあることに気付く。


「…ん?あれはもしかして…?」


 リーフはギルドの受付嬢をしていたため、魔獣の情報は頭の中に入っている。

 そしてそれは、この事態を窮地に招く重大なことだった。


「あれは…ただの鎧亀と爪牙狼じゃない!レッド鎧亀とレッド爪牙狼です!」


 瞬間、ルリ以外の3人は固まる。

 何せ、相手はあのカラー種なのだから。


 カラー種。

 それは普通の魔獣ではない。

 色魔法を使う魔獣です。

 しかも、普通の魔獣よりも身体能力が高いため、高ランク冒険者でもびびって震えてしまう程です。

 …まぁ、アヤトがあのブラックゴブリンキングを倒してきたことに対して、驚きより呆れが先に来てしまいまいたが。

 そして今回、鎧亀と爪牙狼のカラー種、それも赤い。

 つまり、赤魔法を使えるという事。

 それは、ただでさえ頑丈な鎧や鋭い爪、牙が赤魔法の【身体強化】によって、さらに強化されてしまうのだ。

 こんなに厄介な魔獣が来るとは思ってもみませんでした。

 ですが、


「負けるわけには行きません!」


 私はレイピアを構える。

 クリムも赤魔法【身体強化】を全身にかけ、イブは魔力で腕を形成し、2人とも戦闘態勢は取れているみたいです。

 ルリちゃんは…周りに蛇が数匹いるだけで特に準備はしていないみたいです。

 ヒュドラだから、あんな手強い魔獣も余裕で倒せるのでしょうか?

 少し羨ましいです。


「リーフお姉ちゃん!私はどう動けばいいの!?」

「え?」


 私は思わず聞き返してしまう。

 だって、私より遙かに強いルリちゃんが私に指示をお願いしているのです。

 どうして…。


「こういう事態が起きた時、リーフお姉ちゃんを頼れってお兄ちゃんが言ってたの!」

「!…アヤトが」


 それはつまり、私にみんなを任せたという事。

 正直、それはとても重要で、今までの私だったら重荷と感じたのですが、今はそれより、嬉しく思います。

 

「そうです!こんな時、一番頼りになるのはリーフです!」

「…ここにいる誰よりも最適。もちろん、そこの脳筋よりも」

「ねぇイブ?後でゆっっっっくりとお話ししたいことがあります。聞いてくれますよね?」

「…ふっ。受けて立つ。脳筋になんか負けやしない」

「私はお父様みたいな脳筋なんかじゃありません!」

「さっすがお姉ちゃん達。こんな時でも平常運転だね!」


 まったく、ルリちゃんの言う通りです。

 でも、このやりとりを聞くだけで気が楽になります。


「さぁみなさん。行きましょうか!」

「「「はい(うん)!!!」」」


 私達は戦います。

 私達の大切な仲間のために。

今回は主にリーフ視点で書いてみました。

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