2-1-11(第83話) 牛人の村での戦い
今週も投稿したいと思います。
深夜ですが、今日の夜にまた投稿したいと思います。
「…ん。ん~♪」
もう日が昇ったのか、テントの中にも朝日が入り込み、俺を照らす。
「…おはよう、俺」
そして、朝の準備を済ませ、テントから出ると、
「「「「おはようございます!!!!」」」」
「おはよう、お兄ちゃん!」
「ああ、おはよう」
もう既にみんな起きていて、準備運動?みたいなことをしている。
「えっと、何しているんだ?」
「準備運動です。これから戦いになるかもしれないので、準備するに越したことはないので」
「そうか」
もうそこまで準備するとは。
さすがギルド職員って言ったところか。
先の事を考えて行動しているな。
「さて、朝食食べたら出発するか」
俺は軽く伸びをしながら、独り言を言うかのようにつぶやく。
「ご主人様。朝食の準備が出来ております。一緒に食べましょう」
「…そうだな」
「…アヤト。一緒に食べよ?」
「そうだよお兄ちゃん!一緒に食べようよ!」
「わ、私もいいですか!?」
「私はみんなで食べたいです!」
今日の朝食はとても美味しく、楽しかった。
「それじゃあ、行くぞ!」
「「「「「はい!!!!!!」」」」」
朝食を食べ終えた俺達は用意を済ませ、俺は馬車を走らせる。
いつもより調子が良かったのか、昼前に着いた。
だが、
「うそ…!」
その言葉は俺達の言いたい言葉を代弁しているものだ。
何せ、村に入ると、あたり一面には、牛人がたくさん倒れていたのだから。
「おい…。何だよこれは!もう襲われているじゃないか!」
俺は八つ当たりだとわかっていながら、牛人に言う。
「そんな…。予言の日まで数日はあったはずなのに…」
牛人も驚いていた。
「アヤト!牛人さん!今は…!」
「…悪い。少し取り乱しちまった。それじゃ、まずはみんなでこの元凶を探すぞ」
「「「「「はい!!!!!」」」」」
実はあの後、作戦を少し変えた。
まず、全員でこの村に住んでいる牛人を探し、そして敵の正体、居場所を聞いてから俺とルリが特攻する。その間、イブ、クリム、リーフ、牛人の4人はここでこの村の牛人を助けながら敵を倒す、という作戦だ。
なので、まずは全員でこの村に住んでいる牛人を探す。
だが、ここ一帯には建っていたであろう家が崩れ、食器や家具があちらこちらに散らばっている。
これでは牛人1人見つけるだけでも一苦労だ。
「…あっちの方角にいます」
すると、牛人はある方向を指差す。
「そっちにいるのか?」
「はい。あっちの方角から僅かに物音が聞こえます。多分ですが…」
「それで十分だ。行くぞ!」
「「「「「はい!!!!!」」」」」
俺達は駆け出す。
この惨状から、もうこの村はもう、村としての機能は無くなっているだろう。
もしかしたら、もう全員死んでいるかもしれない。
だが、誰一人そんなことは言わない。
みんな、信じているのだ。
必ず、生きていると。
だから俺も信じることにした。
俺が信じたいと思ったから。
俺達が走って行き着いた場所は、
「もーもーもー!」
「「「もー!!!」」」
ガキィィン!
多くの牛人と狼型の魔獣が戦っている戦場だった。
戦っているといっても、今は前衛の牛人達が盾を持って狼型の魔獣の攻撃を防いでいるだけだ。
俺、いや、俺達はすぐに牛人達のピンチだと分かり、
「俺とクリムは身体強化で突撃。イブとリーフは後方支援。牛人はあっちにいる牛人達に事情説明。ルリは戦況を見て、前衛後衛両方をサポートしてくれ」
「「「「「はい!!!!!」」」」」
俺は予め決めておいた役割分担を言いつつ、魔法の準備をする。
使う魔法はもちろん、
「【身体強化】!」
前使った時より練度が上がったためか、前より力が上がった感じがする。
だが、いつまでもそんな余韻に浸っている場合じゃない。
「【身体強化・腕】!」
どうやらクリムも赤魔法を使ったらしい。
腕を赤い魔力が纏っている。
「一緒に行きましょう、アヤト!」
「おう!」
「「はぁぁぁ!!」」
俺達は狼型の魔獣が多くいる場所に思いっきり拳を振る。
クリムも同様に相手を殴ろうとする。
ドガン!!
地面に数メートルのくぼみができる。
つまり、俺達の攻撃は外れたってことだ。
だが、これでいい。
「「「ガルルル…!!」」」
そう、これで狼型の魔獣に俺達の存在を気づかせる。
これが出来ただけでも十分だ。
俺にアイテムボックスから魔銀の剣を取り出し、
「さぁ。ここからは俺達が相手だぜ、狼さんよぉ?」
「行きましょう!」
「お兄ちゃん!私も前に出るよ!」
ここで、ルリも前に出る。
確かに、相手はかなりすばしっこいからな、手数は多いに越したことはない。
「イブ、リーフ!後ろ、任せたぞ!」
「はい!」
「…任せて!」
さぁ、開戦と行こうか!
俺は剣に魔力を纏わせながら構える。
その剣の輝きはいつもより光り輝いていた。




