表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
色を司りし者  作者: 彩 豊
第2色 青の国 第一章 白黒牛人を助けし者達
78/530

2-1-6(第78話) 彩人達の旅

まだまだ彩人達の旅は続きます。

 俺達の旅が始まってから1週間近く経った。

 あれから、俺達の行動は一定のリズムをとるようになってきている。

 朝はみんなで朝食をとり、その後の午前中は俺と牛人と俺の2人で馬車を引っ張る。

 そのとき、イブとクリムは正座をする。

 最初はただ正座しているだけだと思ったが、実は魔力の保有量を増やし、制御するための訓練をしていたのだ。

 魔力量を増やすことで、自分が使う魔法に磨きをかけるのだそうだ。

 他にも、実践を繰り返して、魔力の練度を上げる方法もあるらしい。

 絶対に馬車の中で実践はしないでほしいな。

 リーフは自分の武器であるレイピアや道具を点検している。

 リーフが言うに、

「1日でも怠ればいざという時に使えなくなります!」

 とのことだ。

 俺としてはそのいざって時が来ないよう祈っておきたい。

 ルリは俺と牛人の3人で話をする。

 俺としては馬車を引くだけなので、話し相手がいても全く問題ない。牛人に聞いてみたところ、

「全く問題ありません」

 だった。

 この娘はあいかわらずぶれないなと思った発言だった。

 話す内容は雑談程度の内容だ。

 やれ今日は暖かいだの寒いだの、ほのぼのとした会話だ。聞いていても楽しい。

 なにより、ルリが楽しそうに話すのが少し嬉しいと思う。

 何か食べられるものを見つけたら、俺達が馬車を止め、その食べられるものを取ってくる。

 木の実だったり茸だったりする。俺は毒があったらどうしようかと思ったが、ここはルリが大活躍をした。具体的には、

「…うん。お兄ちゃん!この茸は毒がなくて、こっちの草は食べられる草だよ!」

 と、教えてくれるのだ。どうやって見分けているのかと聞いたら、

「勘!」

 と答えた。

 …うん。俺には一生できないことだなと思った。

 ちなみに後で、俺が修行時、毒猪にやっていた緑魔法の毒検知ならできるんじゃね?と思い、やってみたら出来てしまった。

 …つくづく俺って馬鹿なんだなと思い、がっかりした。


 お昼を食べ、午後の予定もそこまで変わらず、相変わらず、俺と牛人の2人で馬車を引っ張っている。馬車の中では、

「やはり王族ですと、気が楽な馬車の旅ってなかなかできないんですよ」

「…ん。確かに」

「私も受付をする前に比べたら、馬車に機会がほとんどなかったですね」

「へぇ~」

 女子達によるガールズトークが行われていた。

 飲み物や食べ物を用意しているあたり、相当長く話しているんだろうな…。

 俺がまだ地球で生きていた頃は、そんなに人と話すことなんてほとんど無かった。

 だから、話が盛り上がる経験なんてよくわからない。

 むしろ、この世界に来てからの方が良く人と話しているくらいだ。

 だけど、

「やはり辛い食べ物が1番だと思うのです」

「…何を言う。甘いものこそ1番。それは譲れない」

「違いますよ!アヤトの料理が1番です!」

「当たり前だよ、リーフお姉ちゃん!だって、ルリのお兄ちゃんだからね!」


 会話を聞くだけで、楽しいと思える自分がいる。

 そう思えただけでも、以前の俺とは少し変わったかもしれない。

 …まぁ、会話の内容について言わないでおこう。


「ご主人様、どうかされましたか?」

「ん?いや、なんでも♪」

「?そうですか」


 俺はこんな日々がたまらなく嬉しくなった。

 こんな感じで毎日が過ぎて行った。

今週の分はこれで終了です。

次回はちょっと視点を変えて投稿したいと思います。

誰視点かは…来週までのお楽しみ、ということでお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ