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色を司りし者  作者: 彩 豊
第2色 青の国 第一章 白黒牛人を助けし者達
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2-1-3(第75話) お昼のひと時

今週の分も載せたいと思います。

「このスープ美味しいよ、リーフお姉ちゃん!」

「確かに美味しいです」

「…ん」

「流石です」

「確かに美味いな」


 俺達は今、お昼休憩を取っていた。その際、リーフが作ってくれたスープを皆で飲み、味の感想を言っているところだ。

 それにしてもこのスープは美味い。見た目は濃い緑で、青汁を彷彿とさせるが、その味はとてもさっぱりしていてとても飲みやすい。それにこれを飲んでいると、日本の味噌汁が飲みたくなってくるような懐かしさを感じる。あぁ、味噌汁が飲みたい。大豆はどこで…


「…アヤト、どうかした?もしかして、不味かった?」

「…いや、懐かしいなって思っただけだ。それにしてもこのスープは辛くないな」

「当たり前です!赤の国に住んでいたからと言って、辛い料理が好きでいたわけではありませんから」

「そうなんだ…」


 どうやら、あの辛いの大好きなのは赤の国の住人全員ではないようだ。

 あの宿屋の雰囲気から、全員辛党なのかと思ったよ…。

 ズズー。

 それにしても美味しい。

 俺達はそんな穏やかな昼を過ごした。


 食器も洗い終わり(俺が青魔法で洗った)、そろそろ出発の準備をしようとしたところで、皆があることをしているのを目撃した。


(あれ?皆昼寝しているじゃん)

 そう。皆馬車の中で寝ていたのだ。

 俺は一瞬、牛人以外はただ座っていただけなのに、どうしてそこまで疲れるのだろうかと考えたが、実は俺にも心当たりがある。

 昔、新幹線や飛行機で遠出する時、移動するだけでヘトヘトになったことを思い出す。

(馬車の旅もそんな感じなのか?)

 俺は馬車に乗ることも、馬車で旅することも初めてなので正直わからない。

 だが、

(こんな寝顔を見せられて、無理やり起こすのもな…)

 俺は頭を掻きながら、今後のことを考える。

(ま、皆が起きてから考えるか。それまであれ(・・)の試作でもして、時間でも潰すか)

そう考え、俺は街で買っておいた香辛料をアイテムボックスから取り出す。

(一応、匂いが漏れないように緑魔法で空気を制御しておこうかな。訓練にもなるし、一石二鳥♪)

 俺は魔法を発動させた後、腕の検索機能であれ(・・)を検索する。

(さ~て、試作開始だ!)

 俺は一人、にたにたしながら検索ページと香辛料を見て、味見をしながら時間を潰した。


「ふぅ~。こんなもんか…」

 詳しい時刻はわからないが、空は朱くなり始めていることから、おそらく夕方だろう。

 それにしてもよく寝るなー。1時ぐらいに寝て、今は4時だと仮定しても、少なくとも3時間以上寝ていることになる。

 …寝過ぎじゃないか?

 いや、もしかしたら、今日が初日だから色々緊張していたのかも知れない。かくいう俺も興奮して早起きしたぐらいだからな。今思うと小学生か!って突っ込みたくなるな。流石に人前でその突っ込みをすると恥ずかしいのでしないけど。

 それにしても、この世界の香辛料と地球の香辛料の見た目が酷似していて良かった。一応俺も紙っぽいものにメモをしておいたけど、このメモが無駄になるかもしれないな。別にいいけど。

 後はこれらを…。


「…ん。んん~」


 あ。誰かが起きたみたいだ。

 俺は今まで使っていた香辛料等をアイテムボックスに隠す。

「…あ、アヤト。もう朝?」

「もう夕暮れだ」

「あれ?…あ、そうか。私達、昼寝して…」

「そういうこと」

「ごめんなさい!初日からこんな…!」

「いや、別にいいよ。そもそも急ぐ旅じゃないし」

「…本当?」


 ちょぉ!?そんな顔しないでよ!ドキドキしちゃうから!というか今も心臓の音が俺の耳に聞こえているから!

 俺はそんな状態なので、リーフから顔を背けて、

「ほ、ほんとうだよ?」

 と、言うことしかできなかった。

 声も少し裏返ってしまった。

 いいんだ。どうせ俺はヘタレのくそ野郎なんだ………。

 俺は心の中で自虐していると、


「…えっと、この後は…?」

「そうだな…、やっぱここで野宿かな。リーフ、テントの設営、手伝ってくれない?」

「分かりました!」


 俺とリーフは夕焼けの中、2人でテントを設営し、テントが設営し終わったところで、


「おはよう、ございます?」

「…よく寝た」

「お兄ちゃん、おっはよー!」

「………」


 1人を除き、爽やかに挨拶をした。

 残りの1人はというと、


「この度は、申し訳ありませんでした!」


 俺と目が合ったかと思うと、急に土下座をした。

 いやいやいや!わざわざ謝らなくてもいいから!こっちが気まずくなるわ!

 土下座している女性とその従者を上から見下ろす男性。

 その構図は見た目からしてかなり悪いのだろう。

 そしてそれは、

「「「………」」」

 視線として表れていた。

 なんで俺がこんな目に…。


「さ、さ~て、そろそろ夕飯の準備でもしようか!」


 俺はそんな視線をごまかすように声を挙げた。


「「「…さいてー」」」

「ごはん、楽しみ!」

 

 誰かこのカオスな状況を何とかしてください!

 俺は切に願いながら、ご飯の用意を続ける。


「お兄ちゃん!今日はホットケーキが食べたいな!」

「…わかったよ」


 俺はもう見慣れている粉を取り出し、調理を始めた。

戦闘シーンはまだありません。楽しみな方はすみませんが我慢していてほしいです。

もちろん、牛人の名前も募集中です。一応、名前の由来は黒と白に関連している名前がいいです。

感想もろとも、よろしくお願いします。

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