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色を司りし者  作者: 彩 豊
第三章 桃色脳であるエン公爵との決闘
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1-3-18(第68話) 食料と馬車と馬?の調達

 俺、イブ、ルリの三人は今、赤の国の城下町にいる。

 その中でも、露店が大量に並ぶ通りの前まで来ていた。

 その様子は、インドやベトナムを彷彿とさせるような活気だ。所々で値引きをする声が聞こえてくる。


「ここで食べ物でも買うか。何があるんだ?」

「「色々!」」


 それは見ればわかるよ。

 問題はどれをどのくらい買うかだ。

 俺が悩んでいると、イブがアドバイスをくれる。


「…ここから一番近い青の国の町、「ミナハダ」は10日くらいかかる。だから、それくらい買えばいいと思う」

「え?予備で数日分余計に買わないのか?」


 俺は買おうと考えていたのだが。


「…そういう考えもあるけど、ほとんどは現地調達で済ます」


 現地調達?あぁ、そこらに生えている草や魔獣を狩って、それを食べるのか。

 確かにそっちの方がいいかも知れないな。


「ありがと、イブ。参考になった」

「…ん♪」

「む~。ルリだって役に立つもん!見てて!」

「あ!おい、ルリ!」


 俺が止めようとする前に、ルリはどこかに行ってしまう。

 

 少し経ってから、ルリが戻ってきた。

 その両手には大量の食べ物があった。

 なんだあれ?なんか丸いから、玉ねぎか?

 …丸いからって玉ねぎだと考えるのは早計か。

 だとしたらなんだ?

 よく見たら、色も何個か違うのが混じっているし。赤とか緑とかカラフルだな。


「これ、美味しいよ!」


 そう言ってルリは、両手一杯に持っている何かを俺に渡そうとする。

 いや、そんな満面の笑みで渡そうとしても困るのだが…。


「ルリ。その両手一杯に持っているものは何だ?」

「う~んとね。食べ物だよ。美味しいやつ!」

「……ちなみにどうやってこれを…?」

「私のお金で買ったの!」


 そういえば決闘する前、二人分の宿代を払ったのも、ご飯代も俺が全部払っていたんだっけ?だからルリはあんなに金を持っていたのか。

 そして、ルリが買ってきたカラフルで丸い何かを改めて見る。

 あれ?よく見たら、この赤いやつ、リンゴじゃね?

 このピンク色のものは見た目が桃によく似ているし。

 もしかして、ルリが持っているもの全部、果物か?


「もしかしてルリ、それ全部、甘いのか?」

「よくわかったね!そうだよ、全部甘くて美味しいの!」

「…美味」


 確かに果物は嬉しいが、まだ育ち盛りの男としては、米やパン等、腹にたまる炭水化物の方が嬉しいのだが、これはこれでありがたい。

 炭水化物では補えないビタミン等の栄養素がこの果物にあるからな。

 素直にルリの行為を褒めるべきだろう。


「ルリ、ありがとな」

「えへへ…」


 そんなこんなで俺達の買い物は続く。


「…アヤト。そんなに香草や香辛料を買って、どうするの?」

「ふふふ。秘密だ」

「ん~?」


 さて、これであれが作れるかも。要研究だな。



 さて、食べ物はこのくらいにして、次は…なんだっけ?


「イブ。次は何を買えばいい?」

「…馬車と馬。でも、「ミナハダ」行きの馬車があるから、それの乗るのも一つ」

 なるほど。

 自分達だけで旅をするか、他の馬車に乗せてってもらうかどっちかを選択しろってことか。

 ふーむ。どうするか。

 あれの試作もしてみたいから、今回は自分達だけで旅をするか。

 となると、


「馬車と馬は買おう」

「…ん。わかった」


 こうして俺達は露店が大量に並ぶ通りを後にする。


 続いてきたのは、獣臭がするところだ。

 ここなら、俺が今望む馬と馬車が売っているだろう。

 俺達は店に入る。


「らっしゃい!今日は何の用でらっしゃいますか?」

「旅をするにあたって、馬と馬車を購入したいのだが…」

「それなら、ちょうどいいのがありまっせ!こっちでさ!」


 店員は俺達の返事を聞かずに奥に入る。俺達も店員に続いて奥に入る。

 

「こいつです!」


 そう言って、店員が俺達に見せたのは、


「モー」


 牛みたいに鳴いている白黒の服を着た女性だった。

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