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色を司りし者  作者: 彩 豊
第三章 桃色脳であるエン公爵との決闘
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1-3-17(第67話) 彩人の決意

今週もきちんと投稿します。

読んで、感想くれるとありがたいです。

「近いうちに俺は、旅に出ようと思う」

「「「旅????」」」」

「そ。旅だ」


 俺は王城の大食堂でルリ、イブ、クリム、リーフの前で宣言する。

 ここ最近、この城でお世話になりっぱなしだからな。そろそろ一稼ぎしたり、自分の家をもって家で自堕落な生活をしたり、色々と夢見てしまうのだ。日本人だもの。

 だがその前に、この世界を回って、どの国が一番住みやすいか検討する必要がある。

 あ。そういえば、あの神から世界を救ってほしいとか言われていた気がする。

 …まぁ、今は平和だし、忘れたことにしておこう。

「アヤト!いつ!いつこの国を離れるのです!?」

「そうです!まだギルドからの報酬もまだ準備中だというのに…」

「…私も行く」

「あ!イブお姉ちゃんずるい!ルリも行くに決まっているのだよ!」


 クリム、リーフ、イブ、ルリの順で俺に話しかけてくる。

 俺は複数人の話を同時に聞くことはできないのだが…。


「旅の準備ができ次第、次の国に行くつもりだ」

「それで、次はどの国に?」

「それなんだよな~」


 そう。俺はこの世界の地理を知らない。

 なので、どこにどの国があるのか知らないのだ。

 魔国に行った時も、イブの魔道具を使って一瞬だったし。


「それで、ここから一番近い国はどこだ?」

「それは…」


 ん?なんかクリムが言いづらそうだな。どうしたんだ?


「…青の国」

「え?」

「…青の国が一番近い」

「…そうか」


 そうだったのか。それでクリムが言いづらそうにしていたのか。

 さて、どうしようか。


「そう言えば、青の国では近くに海や湖があって、魚や貝が有名だそうですよ」

「なに?」


 リーフから重要な情報をもらう。

 そういえば、この赤の国に、魚や貝等の海産物はほとんど出回っていない。

 なるほど、青の国に行けば、海産物を使った料理が作れそうだな。

 そうだな。まずは…。


「…アヤト。どうするの?」

「…そうだな。行くか」

「…行くのですか?」


 クリムが息子の旅立ちを心配する母親のような顔で俺を見つめてくる。

 そんな俺のことが心配なのか?

 これでもクリムより強いのだが。


「…そうですか…」


 クリムは気のない返事をする。


「あの、アヤト」

「ん?」

「準備ができ次第と言っていましたが、具体的にはどれくらいですか?」

「そうだな~」


 旅をするとなる以上、色々と物が必要になる。

 まずは大量の食糧。これは非常事態に備えるにしても、かかる日数プラス10日ぐらいは買い込んでおきたい。

 そして、俺達を乗せられる荷台とそれを引く何か。

 これらはおそらく馬車と馬でいいだろう。だが俺は、馬の飼い方なんて知らないし、やったこともない。

 さて、どうしようか。

 ………。

 露店を見て、それから決めるか。


「店を見て回ってからじゃないと何とも言えないな」

「…なるほど…。わかりました。それでは私は急ぎの仕事がありますので、これで失礼します」


 そう言うと、リーフはそそくさと大食堂を後にした。


「…私はアヤトと一緒に行く」

「ルリも!」

「え?お前らは連日、露店を見て回ったんじゃ…?」

「…アヤトとは回っていない」

「お兄ちゃんと一緒に行きたいんだよ!」


 むむ。そんなこと言われたら、断る理由がないじゃないか。

 だが、依頼で多少、この城下町を移動していたとはいえ、この城下町で何を売っているのか、ほとんど知らない。なので、案内役には丁度いいかもしれない。


「わかった。それじゃ、この町の案内を頼む」

「…わかった」

「うん!」

「…私はここで残りの仕事を片付けていますので、町の案内ができません。すいません」

「いや、そこまで案内役の人が増えてもしょうがないから」


 今回の旅で必要なものを相談しながら買い物をしたいから、複数人で行くまではいいが、人が多すぎると、町で何をされるか完全に把握できないからな。日本と違って、いつも以上に警戒しないとな。

 …そう考えると、普段の俺って、警戒心の欠片もないよな。


「それじゃ、俺達は行ってくるよ」

「行ってらっしゃいませ。また夜にお会いしましょう」

「いや、今日から宿で泊まるよ。流石にこのままだとひもになりそうだし」

「…また」

「じゃ~ね~♪クリムお姉ちゃん!」

「え!?待って…!」


 俺達はクリムの言葉を最後まで聞かずに、城を後にした。

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