1-1-2(第6話) 初依頼
ギルドはランク制で、順に緑、赤、青、黄、白、黒の順だ。何故この順番なのか聞いてみると、赤魔法から順に使える人が少なるからとのことらしい。黒魔法をつかえる人って少ないんだなぁ。
また、狩ってきた魔獣は素材として買い取ってくれる。盗賊、犯罪者以外の人殺しは禁止で、もしすると、奴隷に堕とされる。受付の人への暴行も禁止らしい。冒険者は貴族だろうが平民だろうが関係なくなれる。だが、白から黒へのランクアップ時に、簡単な模擬試験を行うとのこと。大体こんな感じだ。
「以上が、当ギルドのご利用方法ですが、何か質問はありますか?」
「それじゃ、簡単な依頼と、近辺に出現する魔獣の情報が欲しいのですが」
「それでしたら、少々お待ちください。」
そう言って、エルフさんは奥の方へ行った。
すると、ぺらっぺらの紙と、辞書のように厚い紙束を持ってきた。
「こちらになります」
ぺらっぺらの紙は依頼書だろうが、その分厚い紙束はなんだ!?
「その分厚い紙束はもしかして・・・」
「ええ。あなた様が頼んだ魔獣の情報です」
いや、そんな輝かしい笑顔で言われても。
「えっと、この近辺にはそんなに魔獣の種類が多いのですか?」
「いえ。この近辺は3種類ですが、稀にあの毒の森に行く馬鹿がいるものでして。その毒の森に関する情報、もとい魔獣の情報も一緒に書かれてあります」
「毒の森?」
「あれ、知らないのですか?この近辺にあるあの深い森です」
「その毒の森には、どんな魔獣が出現するんですか?」
「あぁ。それなら、毒を持った猪や熊などです。確かこの中に・・・あった。これです」
どれどれ。って、俺が散々倒したやつじゃないか!
「どうしたのですか?まさかあの毒の森に行きたいとか言わないでくださいね?」
「は、はい。わかりました」
「それでは、依頼内容を説明致します」
~~~依頼~~~
・ゴブリンの討伐
・報酬 1匹につき500円
・提出部位 右耳
・死体の状態によって、買取可
~~~依頼~~~
なるほど。こういう感じで依頼を受けられんだな。
「じゃあ、この依頼を受けます」
「わかりました。どうか無理のないようにいってらっしゃいませ」
なんかメイドさんに送られるおぼっちゃまの気分だぜ。
「あ、そういえば」
「どうしました?」
「武器や防具の方は大丈夫なのですか?」
・・・。すっかり忘れていた!どんな装備があるか見に行こう。
「指摘ありがとうございます。さっそく行ってみます」
「わかりました。くれぐれも死なないようにして下さい」
そう言われて俺はギルドを後にした。