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色を司りし者  作者: 彩 豊
第三章 桃色脳であるエン公爵との決闘
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1-3-6(第56話) エン=ブラッド公爵との決闘、開始!

遅くなりましたが、続編です。

 控室からスレッド国王もよく使っている訓練場に着くと、そこには鎧をまとった騎士と、ローブまとっている魔法使いらしき人が大量にいた。その中心にはあの公爵がいた。


「遅すぎるぞ!平民風情が何度も貴族を待たせるでないわ!」

「………」


 もはやこんな暴論も聞き慣れてしまい、自然と受け流してしまう。

 

「お兄ちゃん?あの人、何か言っているけど、無視していいの?」

「…まぁいいだろ」


 これから決闘するわけだし、仲良くする必要もないだろう。


「おほん。それではこれより、アヤト対ブラッド=エン公爵の決闘を始める」


 リゼの掛け声で空気が変わる。


「はじめ!!」

「来い!フェニックス!」


 ブラッド公爵が呼んだのは、赤く燃える巨大な鳥だ。


「やっぱり来たか」


 俺は予めスレッド国王と話しておいて良かったと心底安心していた。


「お兄ちゃん。あの鳥、倒すの?」

「ん?ああ、もちろんだ」

「だったらあの角、折ってくれない?」


 そう言いながらルリはフェニックスに生えている紫色の角を指さす。

 確かにあの角はおかしい。

 そもそもフェニックスに角が生えているなんていう話は聞いたことがない。それに、全身が赤なのに、角だけ紫なんて配色がおかしい。

 ユニコーンでも、体が白で、角だけ紫なんて配色はないだろう。


「ルリならできるんじゃないか?」

「私がやると、あの鳥、殺しちゃうから駄目。お兄ちゃんがやって?」

「う…。わ、わかったよ。どちらにしろ、あの鳥は倒す予定だし」


 目をうるうるして頼むのは卑怯だと思う。

 そう考えながら俺はアイテムボックスから剣を取り出した。


 この剣は、ルリの体内にある魔銀から作った剣だ。正直、今まで剣等の武器をほとんど使ったことがないので、今回思い切って作ってみたのだ。

 試し切りでそこらへんにあった岩を切ろうと振ってみたら、岩が真っ二つになった。魔力を纏わせてまた切ってみたらどうなるのかと試したかったが、切る物が無かったので諦めた。

 そんな剣を片手に持ち、俺はフェニックスと対峙している。


「今だ!詠唱開始!」

「「「我が求めるは火。その火は汎用にして万能。火がもたらすは………」」」


 やばい!相手がどんな魔法使うのか分からないのに、複数人で詠唱か。とんでもない魔法を使おうとしているのはわかるけど、一刻も早くあの詠唱を止めないと。

 だが、


「「「死ねぇぇぇ!」」」

「うおぉ!?」


 騎士達が俺の行動を妨害する。

 くそ!魔法を使う隙すら無いのかよ!

 そして、


「ぐおおおぉぉぉ!」

「なんだと!?」


 さらに追い打ちでフェニックスが炎で俺を燃やそうとする。

 なんだこの布陣!

 俺が魔法使いを攻撃しようとする。騎士が妨害する。フェニックスが追い打ちする。

 最早俺に攻撃する余裕がない。ただ相手の攻撃を避けることしかできない。だがそれだと、あの魔法使い達の思うつぼだ。

 まて、落ち着け、俺!一度冷静に…、


「「「死ねぇぇぇ!!」」」

「ぐおおおぉぉぉ!」

「ちっ」


 あの騎士達、同じセリフセしか言えないのか?それともそんなに俺の事を殺したいのか?

 どっちにしろ、前途多難だな。

 …こうなったら、作戦変更だ。まず先に、


「何をしている!?早くあの平民を殺せ!」

「ぐおおおぉぉぉ!」


 あのフェニックスの角を折るか。

 俺は剣先をフェニックスに向けた。

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