7-1-55(第544話) 虹無対戦~無の国編その18~
「我を倒す?まさか、そんな冗談を聞くことになるとは思わなかったぞ」
そう言い、カラトムーガは高らかに笑う。
「さきほどの戦いで、貴様は我に惨敗だったではないかね?」
そう言い、カラトムーガは俺を嘲笑いながら見下す。
「さっきは確かにそうだった。だが、さっきの俺と今の俺で違う点がある。それが何か分かるか?」
「魔力残量ではないかね?」
更にカラトムーガは煽る。
「違うな。さっきの俺と今の俺で違うもの。それは・・・、」
俺は周囲を見る。その周囲には、クリム達の存在がある。
「仲間の存在だ。仲間がいるから俺は、ここに立つことが出来る。仲間がいるから俺は、全力以上の力を出すことが出来る!」
そう言い、俺は【色装】を発動する。
「ふ。ふははは!!」
突如、カラトムーガは笑い出す。
「何がおかしい?」
「何が、だと?これが笑わずにいられるかね!なにせ、さっきまで【無色気】を使っても我に勝てなかった貴様が今更【無色装】を使っているのだぞ?【色気】より弱い【色装】を使っていることがあまりにもおかしくてつい、な?」
「お前こそ何を言っている?今発動している魔法は【無色装】だけじゃないぞ?」
「・・・どういうことだ?」
「お前こそ、その目で俺を見てみるといい。俺が今、どの魔法を使っているのかを!」
カラトムーガの言う通り、確かに俺は今、【無色装】を発動している。
だが、【無色装】だけ発動しているわけではない。
(この魔法のイメージは、この世界に来てからの俺と、この世界に来る前の俺を組み合わせるようなイメージだな)
今の俺だけでなく、過去の俺も肯定する。
この魔法は、多くの仲間に救われた俺と長期間孤独に覆われた俺がいたからこそ成立する魔法だ。
(まず、【六色装】と【無色装】を同時に発動させる!)
一つ一つ別の魔法として捉えるのではなく、【六色装】と【無色装】を合わせて一つの魔法として捉える。
(そうすれば・・・いけた!)
俺は、自身の魔法が成功したことを自覚する。
「・・・何をしていたのか分からぬが、どのみち【色装】で勝てるほど甘くはないわ!」
「【色装】?一体誰がそう言った?」
「なに?」
「俺がこれから使う魔法は・・・、」
そう言いながら俺は、【色気】の魔法を発動する為の準備をする。
「【色装】だけでも、【色気】だけでもない」
【六色気】と【無色気】を同時発動する要領も、【六色装】と【無色装】を同時発動させた時と同じ感じなら・・・いけた!
(が!やばいな、これ・・・、)
俺の魔力が俺自身の骨、筋肉、脂肪、皮を内側外側の両側から潰している。これ、力加減を間違えたら間違いなく絶命するな。
(一瞬でも気を抜いたらよくて気絶、悪くて死、だな)
俺は自身の体の異変に少しでも慣らし、いつも以上に動くかどうか確認する。・・・試しに手を動かしてみたが、特に問題はなさそうだ。名前をつけるとしたらそうだな・・・。
(七種類の色魔法から虹は入れたい。そして、【色装】と【色気】を超えた魔法だから・・・、)
「【超繋虹】。これが今、俺が発動している魔法だ!」
「【超繋虹】、だと?聞いたこともない魔法を・・・まさか!?」
どうやらカラトムーガは、【超繋虹】の魔法に気づいたらしい。
【超繋虹】という魔法は、七種類の【色装】と【色気】から出来ていることに。
「そうさ。お前の推測通りさ」
俺はカラトムーガに向けて歯を見せる。
「あり得ん!【色装】と【色気】の同時発動だと!!??それは自殺行為のはず!それを何故平然と・・・!!!」
「助ける為だよ。ここにいる全員を助ける為に俺は、この力を振るう!」
さぁ、この力でクリム達を助けよう!
(アヤトよ、あやつのことを頼む!)
次回予告
『7-1-56(第545話) 虹無対戦~無の国編その19~』
彩人は七種類の【色装】と七種類の【色気】を同時発動した魔法、【超繋虹】と、リーフ達の協力を得て、カラトムーガとの戦闘を始める。
こんな感じの次回予告となりましたが、どうでしょうか。
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