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色を司りし者  作者: 彩 豊
第7色 無の国 第一章 虹無対戦
544/546

7-1-54(第543話) 虹無対戦~無の国編その17~

 俺は今、信じられない光景を目にしている。

 カラトムーガから【虚空】という魔法を受けたリーフ達は、もう駄目かと諦めかけていた。だが、【色分身】で分身していた俺達が助けてくれた。一体どうやって【虚空】の中に入り、クリム達と合流したのか気になるが、そんなことはどうでもいい。

 クリム達が助かった。その事実だけで十分だ。

(【色分身】で増やしたとはいいえ、本当に凄いな・・・、)

 おかげでこうして、また生きた状態のクリム達を見ることが出来るのだから。

「馬鹿な!?あの【虚空】から生きたまま出てきた、だと!!??」

 カラトムーガは今の状況に驚きを隠すことが出来ないようだ。正直、俺も驚いているけど。

「ああ。お前の魔法を破ったぞ。みんなで!」

 俺はカラトムーガに宣言する。

(・・・なんだろう?)

 不思議と力が湧いてくる。特に何かしたわけではないというのに、体の奥底から力が溢れてくる。

「・・・私の魔法を一つ破ったところで、私の勝利は揺るがぬ。そして、貴様らの死も揺らがぬ」

 カラトムーガは取り繕うように宣言する。

(確かにそうかもしれない)

 カラトムーガの言う通りだ。

 俺の分身体達はあくまで、【虚空】という魔法を破っただけに過ぎない。カラトムーガは他にも魔法を使ってくるだろう。まだ見ぬ魔法を使ってくるかもしれない恐怖はある。

 が、自然と今は落ち着いている。

 負ける気が全くしない。

「いいや、揺らぐね」

 俺はカラトムーガを見る。

(それじゃあ俺達はお前の元へ戻るわ)

(後は任せた)

(戻ったとしても、ずっといるからね)

(今回ばかりは、目立つ権利を譲るよ)

(必ずや、正義を執行せよ)

(美味しいもの、いっぱい食べろよ)

 【色分身】で増えた俺がどんどん消えていく。そして、俺の中に入っていく。

(今なら分かる)

 俺がどれほど人に恵まれていたのか。どれほど優しい人物に囲まれていたのか。

(今なら、使える)

 俺は今まで使えなかった神色剣に手をかけ、鞘から抜く。

(やはり、抜けた)

 今なら分かる。この剣が俺を認めてくれたのだと。

(やっと、話が出来るわい)

 どうしてか、どこからか声が聞こえてくる。俺ともクリム達とも異なる、別の声が。

(誰の声だ?)

 カラトムーガの声によく似ているような声だな。まかさカラトムーガが俺に直接語りかけているのか?・・・そんなわけないか。となると、本当に誰だ?

(我のことはひとまずいい。それより、あ奴のことを倒す可能性がある魔法を教える)

 なん、だと!?あいつを倒す魔法があるのか!!??

(だが、この魔法を失敗すれば体は破裂し、確実に絶命するだろう。それでも、やるか?)

 やるさ!だから教えろ!!

 俺は迷わずに懇願する。誰が教えてくれるのかは不明だが、それでもカラトムーガを倒すことが出来るのなら構わない!

(・・・分かった。それではこの魔法について教えよう。この魔法はアヤトにしか出来ない魔法でな・・・、)

 俺は何者かからある魔法について教わる。

(・・・そうか。分かったよ。それならもしかしたら、カラトムーガを倒すことが出来るかもしれないな)

(うむ。それと、周囲の仲間達との協力を忘れるでないぞ)

 ああ。

 ありがとうな。

 ・・・返事はなかったが、感謝の気持ちが俺の中に流れ込んできた。

 一体、誰が俺にこの魔法を教えてくれたのだろうか?・・・いや、今は気にしている余裕はない。

「お前はこれから、俺達に負ける」

「どうした?現実と理想も区別出来なくなったか?」

「ああ。だってこれから、幸せな生活を送るという理想を現実にするからな」

 俺は自身の体に力を入れ始める。

「その為に、お前は邪魔だ。だから・・・、」

 魔力制御が今まで以上に上手くいっている。これなら、あの魔法を同時に使うことが出来る!

「お前を、倒す!」

次回予告

『7-1-55(第544話) 虹無対戦~無の国編その18~』

 カラトムーガを倒すと宣言した彩人は、何者かの助言により、ある2つの魔法を掛け合わせる。


 こんな感じの次回予告となりましたが、どうでしょうか。

 感想、評価、ブックマーク等、よろしくお願いいたします。

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