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色を司りし者  作者: 彩 豊
第7色 無の国 第一章 虹無対戦
539/546

7-1-49(第538話) 虹無対戦~無の国編その12~

(さて、まずはどういう相手なのか分析しましょう)

 リーフは周囲を見渡す。

「クリム、ルリちゃんはとにかく攻撃して!イブ、モミジちゃんは後方支援!私とクロミルちゃんはクリムとルリちゃんを支援するわよ!」

「「「「「はい!!!!!」」」」」

 クリムとルリはカラトムーガに向けて直進する。イブは全体を見渡し、モミジは彩人に寄り添い、リーフとクロミルは魔法の準備をする。

「なんと愚かな。その程度の力で我に挑むとは」

 カラトムーガは目の前のリーフ達に呆れる。

「我が力を、死を以て理解するといい」

 そう言い、カラトムーガは人差し指を上げる。すると、クリムとルリの頭上に無数の剣が出現する。

「まずは我に向かってくる二匹のハエを駆除しよう。貫け」

 無数の剣は、クリムとルリに向かっていく。

「殴ってどかす!」

「邪魔!」

 クリムとルリは拳を構え、剣を殴っていなそうとする。

「!?避けて!!」

「「!!??」」

 リーフの指示に二人は驚くも、咄嗟に回避しようと体を捻る。その結果、剣が体を掠めてしまったものの、貫通することはなかった。

「ほぉ?今の攻撃を躱すか。勘がいいのだな。そのまま直撃していたら死んでいたものを」

「あの攻撃、拳で殴ってもどうにも出来なかった・・・助かった」

「ありがとう、リーフお姉ちゃん!」

「気をつけて!あいつの攻撃は全部躱して!」

「分かったわ!」

「うん!」

 クリムとルリは再び直進する。

「クロミルちゃん、私達も行くよ!」

「は!」

 リーフ、クロミルはクリム、ルリの後に続く。

「愚かなハエ風情が。我に向かうこと自体愚かであると知れ」

「「「「!!!!????」」」」

 瞬間、リーフ、クロミル、クリム、ルリが地面に突っ伏す。

「まさか、私達の体重を自在に・・・!?」

「地面に突っ伏したまま無様に死ね」

 四人の頭上に無数の剣と槍が出現し、そのまま四人に向かって直進する。

「危ない!?」

「!?私に任せて!」

 イブは魔力で腕を四本形成し、その腕でリーフ、クロミル、クリム、ルリを掴み、自身近辺に移動させる。

「助かったわ」

「ありがとうございます、イブ様」

「たまには役に立つじゃない」

「ありがとー♪」

 そう言うと、クリムとルリは迷いなくカラトムーガのところへ直進する。

「私達はどうしますか?引き続きあの二人を援護しますか?」

「う~ん・・・、」

 リーフは迷っていた。

(あの防御不可能の攻撃、どうやって防ぐことが出来る?それに・・・、)

 リーフはカラトムーガを見る。クリムとルリが攻撃をし続けているのに関わらず、カラトムーガは一切傷を負っていない。

(どうして無傷なの?その現象をどうにかして解明しないと!その為には・・・、)

 リーフはクロミルを見る。

「クロミルちゃんはあの二人の支援をお願い」

「承知しました」

 クロミルはクリムとルリの元へ向かう。

「モミジちゃんは引き続き、アヤトの看病をお願い」

「はい」

 モミジは彩人に寄り添い、植物達と協力して彩人の体を癒す。

「イブは後方支援しつつ、あれの分析をお願い。何か気づいたことがあったらすぐに教えて」

「・・・ん。リーフは?」

「私もイブ同様、分析に集中するわ。でも、攻撃はしていくわ。それじゃあ」

 リーフは今も前線で戦っているクリム、ルリ、クロミルの元へ向かう。

「【火球】!」

 クリムの【火球】がカラトムーガに直撃した。

 だが、カラトムーガは無傷だった。

「氷れ」

 ルリはカラトムーガを氷漬けにした。

 だが、氷は瞬時に砕かれる。

「牛術が一つ、【午閃】!」

 クロミルがカラトムーガに向けて【午閃】を放つ。

 本来、相手の体が無数に切り裂かれるはずだった。

 だが、カラトムーガの体は、切り裂かれるどころか切り傷一つついていなかった。

「無駄な攻撃を。鬱陶しい」

 そう言い、カラトムーガは再びクリム、ルリ、クロミルの頭上に無数の剣を顕現させる。

「クリム様、ルリ様!」

「分かっている!」

「うん!」

 クリム、ルリは剣をひたすら躱し続ける。

(なんとか、なんとかしなくては!)

 クロミルも、自身に無数の剣の脅威にさらされながらも、二人を助ける方法を考える。

(私の牛剣で!)

 クロミルは、同じ牛人族から託された牛剣を握りしめ、二人の元へ行く。そして、牛剣をカラトムーガの剣に向けて振る。

(!?やはり駄目ですか・・・)

 カラトムーガの剣はクロミルの牛剣をすり抜け、クロミルに向かっていく。が、突然何かにはじかれ、クロミルに剣が刺さることはなかった。

「一人で行っちゃだめよ!」

「そうだよ、クロミルお姉ちゃん!やるならみんなで、だよ!」

 クリムとルリがカラトムーガの剣を弾いていた。

(!?あの二人が防御不能の攻撃を防いだ!!??)

 リーフは二人の行動とその結果に驚く。

「圧死しろ」

「「!!??」」

 クリム、ルリ、クロミルの両サイドに突如大岩が出現し、三人に迫る。

「私とイブで左を!三人で右を!」

「分かったわ!」

「うん!」

「はっ!」

 リーフはイブを一瞬だけ見る。

「・・・」

 リーフの言葉と視線で意味を理解したイブは、魔力で形成した腕を伸ばす。

「!?」

「!?・・・止まった?」

 リーフの剣とイブの腕で、カラトムーガの大岩が止まる。

「そっちは・・・止まった!?」

 クリム、ルリ、クロミルの方も、カラトムーガの攻撃を止めていた。

(どういうこと!?)

 リーフは今の状況に、カラトムーガの攻撃を止めることが出来ているこの状況に理解出来ずにいる。

「邪魔な羽虫共だ」

 瞬間、リーフ達の周囲の重力が強くなる。

「今度こそ、死ね」

 リーフ達の頭上に特大の岩が複数出現する。

「避けて!」

 リーフの言葉を聞いたクリム達は、この場から離れようと試みる。

「体が、重い・・・!」

「う~ん・・・、動き、辛い・・・、」

「クリム様、ルリ様、私、が・・・!」

(ここをどうにかしないと・・・!?)

 リーフはこの状況をどうにかしようと思考する。

(あの岩を一人で・・・いや、一人じゃ駄目!)

「みんなであの岩を、壊すわよ!」

 リーフは自身の細剣に風を纏わせる。

「うん!」

 ルリは自身の拳に氷を纏わせる。

「もちろん!」

 クリムは自身の拳に炎を纏わせる。

「・・・ん!」

 イブは背中から魔力で形成した腕を生やす。

「承知しました」

 クロミルは自身の牛剣の剣先を岩に向ける。

 それぞれが自身の足で、意志で重力に抗う。

「終わるがよい、愚かな生き物共よ」

 頭上にある岩が、リーフ達に迫る。

「イブ!」

「ん!」

 イブは魔力で形成した掌にクリム、ルリ、クロミル、リーフを乗せ、思いっきり投げる。

「クリム、ルリちゃん、クロミルちゃん、後は任せるわよ!」

 リーフは自身の細剣を思いっきり振る。すると風が発生し、クリム、ルリ、クロミルを後押しする。

「クリム様、ルリ様!私の剣にお乗りください!」

「分かったわ!」

「うん!」

 クリムとルリは不安定な態勢の中、なんとかクロミルの剣の上身に乗る。

「いきます!」

 クロミルは思いっきり牛剣を振り、クリムとルリを飛ばす。

「ルリちゃん、行くわよ!」

「うん!」

 クリムとルリは自身の拳を強く握り締め直す。

「【炎、拳】!」

「いっけー!!」

 クリムとルリの拳が同時に、岩に直撃する。その結果、岩は粉々に砕かれた。

「よし!」

「やった!」

 クリムとルリは、岩が砕かれたことに喜ぶ。

「隙だらけだ」

「「!!??」」

 いつの間にかクリムとルリに近寄っていたカラトムーガは、自身が手にしている剣を二人に向けて振り下ろす。

 はなから見れば絶体絶命の状況。そのはずなのに、クリムとルリはまったく絶望していなかった。

(?何故こいつらは死を目前にして絶望していない?)

 カラトムーガは二人の感情の違和感に気づきながらも、二人の命を奪おうとする。そのままいけばカラトムーガの剣は二人の命を奪うはずだった。だが、二人の命が奪われることはなかった。

「・・・なるほど。我の動きを読んでいた、というわけか」

「ええ。あなたならそうくると思っていましたので」

「流石はリーフ様です」

 リーフとクロミルがカラトムーガの剣を防いでいたからである。

 リーフ、クロミル、クリム、ルリの四人は怪我することなく、カラトムーガから距離をとる。

「・・・これでようやく分かりましたよ。」

「一体、何を分かったのかね?自分が死ぬという不変の運命を、かね?」

「違うわ」

 そう言い、リーフは僅かに口角を上げる。

「あなたに対して、攻撃が効かない理由。そして、防御出来ない理由をね」

次回予告

『7-1-50(第539話) 虹無対戦~無の国編その13~』

 あらゆる攻撃を無効化し、防御不可能な攻撃を繰り出すカラトムーガ。その攻撃と防御にはある仕組みがあり、リーフはその仕組みを見抜く。


 こんな感じの次回予告となりましたが、どうでしょうか。

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