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色を司りし者  作者: 彩 豊
第7色 無の国 第一章 虹無対戦
536/546

7-1-46(第535話) 虹無対戦~無の国編その9~

(なるほどな)

 神ぐらいじゃないと、セントミアさんみたいな強い人の意識に介入出来なさそうだな。

(だが本当にあの神、カラトムーガがセントミアさんの意識に介入していたのか?)

 見た感じ、セントミアさんの中から出てきたように見えた。だが実際にセントミアさんの意識に介入し、操っていたと断定するのは早いだろう。

(確かめてみるか)

 俺はカラトムーガに話しかけることにした。

「お前が、セントミアさんを操っていたのか?」

「我がこ奴を?・・・ふ」

 何故か鼻で笑われてしまった。俺は何か笑われるようなおかしなことを聞いてしまったのだろうか。

「こんな奴、わざわざ我が操るまでもなかったわ」

「・・・どういう、意味だ?」

 セントミアさんはカラトムーガを睨むように見る。

「貴様にある細工をしただけで勝手に自滅していったからな。見ていて滑稽であった」

「自滅だと?滑稽だと??」

「ああ。おかしいと思わなかったのかね?どうして自分は今までずっと独りだったのかと。どうして自分だけ孤独なのかと」

「・・・まさか、私に何かしたのか?」

「ああ。貴様のその認識をいじっただけだ。貴様の仲間を、憎き敵と認識するようにな」

「「!!??」」

 カラトムーガの発言に、俺とセントミアさんは驚きを隠すことが出来ない。

(まさかこいつ・・・!?)

 俺の推測、出来れば合っていてほしくないのだが・・・。

「まさか貴様、私に同士を殺させたというのか!!!???」

 セントミアさんは、俺が質問したかったことをカラトムーガに聞く。

「ああ、そうだ。その後の貴様の絶望する顔と言ったら、本当に滑稽だった」

「!!??」

 瞬間、セントミアさんから声にならない声を発し始めた。

「そうだ。その絶望する瞬間が見たかったのだ。この世界に、理に絶望しろ」

 セントミアさんは、見るからに絶望していた。

 自分の今までの境遇に。

「それじゃああの時殺したのは・・・?」

「確かに貴様は憎き敵を討った。大切な家族もろともな」

「!!!???」

 カラトムーガのこの言葉に、セントミアさんは倒れてしまう。

(無理もないか)

 今まで自分が独りだと、孤独だったのはこの世界だと思っていたのに、孤独の原因を作っていたのは自分自身だったなんてな。

(けど、本当のことなのだろうか?)

 話が衝撃的過ぎて失念していたが、カラトムーガが嘘をついている可能性は捨てきれない。

「本当の記憶を見せてやろう。嘘偽りのない記憶を、な」

 そう言い、カラトムーガはセントミアさんに近づき、頭に触れる。

「!!??」

 すると、セントミアさんの体がびくっと跳ねた。

「ああ!あああ!!!」

 そして、セントミアさんは発狂する。

(本当、だったみたいだな)

 セントミアさんの発狂具合を見て、カラトムーガの言葉が真実だと理解する。

「どうだ?自身で大切な人の命を奪った感想は?苦しいか?死にたいか?」

 カラトムーガの言葉に、セントミアさんは一切答えない。答えられる心理状態でないことは一目瞭然だ。

「・・・さて、我がこの世界に顕現出来たことだし、貴様はもう用済みだ」

 カラトムーガは右手に何か剣のようなものを持っていた。カラトムーガの奴、いつの間にあんな武器を持っていたんだ?

「そのまま世界を、己を恨みながらこの世を去るといい」

 そう言い、カラトムーガは剣を振り上げる。

 そしてカラトムーガはセントミアさんに向けて剣を振り下ろした。

「・・・そういえば、貴様の事は完全に失念していたよ。それで貴様は一体、何をしている?」

「さぁ?一体何をしているのだろうね」

 俺はカラトムーガの剣を受け止めていた。つまり俺は、セントミアさんをカラトムーガから助けたことになる。さっきまで殺し合いをしていた相手なのに、である。本当におかしな状況だ。だが、俺の体は自然と動いていた。

「そこを退け。そしてそいつを私に殺させろ」

「う~ん・・・断る」

 俺は考えてからカラトムーガの命令を拒否した。

「何故かね?さきほどまで殺し合っていた者を殺すことが出来るのだぞ?断る理由がないのではないかね?」

「そうかもな。でもあるんだよ」

「ほう?それはどんな理由なのかね?」

 カラトムーガは俺に聞いてくる。

「こいつは、俺が殺すから」

 そう答えた。正直、今の俺にセントミアさんを殺す気はない。だが、それっぽい理由で誤魔化すことにした。

「ほう?なら、先にお前から殺すとするかね」

「!!??」

 カラトムーガの殺意が、セントミアさんから俺に向けられた。その殺意の濃さといったら、さっきセントミアさんに向けられた殺意と同等・・・いや、もしかしたらそれ以上かもしれない。

「なら、やってみるといいさ」

 俺は虚勢を張り、カラトムーガに剣先を向ける。

「それじゃあ始めようか」

 そう言い、カラトムーガは嫌な笑みを俺に向ける。

「一方的な虐殺を」

次回予告

『7-1-47(第536話) 虹無対戦~無の国編その10~』

 彩人は突如セントミアの中から登場した神、カラトムーガと戦うことになった。セントミアとの戦いで既にボロボロの中、彩人は剣を構える。


 こんな感じの次回予告となりましたが、どうでしょうか。

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