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色を司りし者  作者: 彩 豊
第三章 桃色脳であるエン公爵との決闘
53/530

1-3-3(第53話) 彩人、スレッド国王に切れる。

 まず、貴族達についてだが、これがもうひどいひどい。

 青の国は戦争をすると虚偽の宣言をしたと。だからそもそも戦争は無かった。だから我々貴族は悪くない。悪いのは、虚偽の報告をした生意気なガキだと言われたそうだ。

 そのガキ誰だよ。

 …すみません。多分俺です。

 次に決闘についてだ。

 決闘は、生死問わず、どちらかが負けを認め降参するか、死ぬかで勝敗が決まるらしい。そして、道具や従者、従魔、なんでも使っていいそうだ。

 従者はともかく、従魔って魔獣もペットみたいに飼えるのか?今度試してみたい。


「………というわけだ。わかってくれたかな?」


 な~にが、わかってくれたかな?だ!

 完全に俺の方が不利じゃねぇか!

 道具はろくに無い。従者や従魔だっていない。

 なのにあの……公爵は、従者はもちろん、金も持っているのだろうから、道具や従魔、さらに強力な従者も金を使って連れてくるのだろう。

 ほんと、この国王は馬鹿じゃないのか?この決闘、勝てる要素が一つもない。

 どうしよ?


「ちなみに我ら王族はこの決闘に参加できないから、そこも考慮しておいてくれ」


 さらに追い打ちをかけやがった。俺がこれまで出会ってきたのは、イブやクリム王女等、何故か王族ばかりだ。その人達は俺の従者として、参加できないのか。


「あの、国王様?何故、こんな無茶を許したんだ?俺に勝機がないのでは?」


 最早、敬語で話しているのか自分でも分からない話し方でスレッド国王に聞いた。


「それは………」

「それは?」

「あいつの鼻をへし折ってほしいからだ」

「は?」


 え?もしかしてこいつ、生死をかけた決闘に、私情をはさんだのか?

 いや、きっと空耳だろう。

 おそらく、あのなんとか公爵は事件をいくつも隠ぺいしているから、この事態に乗じて、それらの証拠を使ってまとめてあの公爵をしょっ引くとか、そんなところだろう。

 きっとそうだ。そうに違いない!…そうであってほしい…。


「あいつ、我がヴァーミリオン家の者よりちょっと赤魔法が使えるだけで調子付いていたからな、これでアヤトにコテンパンにされて、少しは落ち着くだろう。うん」


 違った。完全に私情はさんでやがる。

 こいつ、後でコテンパンにしてやろうか。


「それに、アヤトの勝利を確信している」

「え?」


 おいおい。急にそんなこと言うのは反則だぜ。ついつい照れちまうじゃねぇか。


「ま、長年戦ってきた男の勘だがな」

「おい、お前からコテンパンにしてやるから今すぐ表出ろ」

「大丈夫だ。我の言葉を信じろ」

「そういえばお父様、この前の天気予報、外れていませんでしたか?」

「む?仕方なかろう。我の勘はそこまで良くないからな」

「信じられる要素皆無じゃねぇか!」


 こいつ!脳みそ無いんじゃないか。


「ところでアヤト、そろそろ準備した方がいいのではないか?」

「なにを!?」


 若干切れ気味に返してしまったが、後悔はしていない。むしろ頭でも思いっきりぶん殴ればよかったと後悔しているくらいだ。


「決闘の準備だよ」

「ああわかったよ!やればいいんだろやれば!」

「…アヤト、落ち着いて」


 瞬間、イブのおでこと俺のおでこがくっつく。

 やっば!一瞬、イブが俺にキスでもするのではないかと考えてしまった。

 …俺も馬鹿だな。こんなことで切れかけていたのも、イブにこんなことさせちまって。


「…悪い、イブ。ちょっとあの国王(バカ)の言葉に熱くなっていたと思う。だから、助かった」

「…ん♪」


 そうだな。今はやるべきことをやらないとな。


「おい国王(バカ)。相手が使ってきそうな技、全部教えろ」

「それはいいが、我のことバカにしている気が…」

「うるせぇ!いいからさっさと教えろ、馬鹿!」

「あぁ!今完全に…」

「さっさとや・る・ぞ?」

「…ひどい」


 そんなこと知らんな。

 俺はあの国王(バカ)からあの公爵の技を、ルリを膝の上にのせ、頭をなでながら色々と聞き出した。

なんかルリの頭をなでていると、心が落ち着くんだよな。何故だろう?


「…なるほどなるほど。良くわかったよ」

「うむ。それでは決闘の方、期待しているぞ。わが娘のためにもな」

「…ああ」


 不本意ながら、頑張るか。

今回の彩人は少し感情が高ぶり過ぎた気がします。

次から、もっと大人しくさせようかと思います。

決闘が近いので、なかなか難しいですが…。

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