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色を司りし者  作者: 彩 豊
第7色 無の国 第一章 虹無対戦
525/546

7-1-35(第524話) 虹無対戦~白の国編その6~

「さて、」

 彩人が白の国からいなくなった後、クロミルは改めて周囲を見る。

「カラー種は・・・私がやりますか」

 クロミルは【白色気】と【黒色気】を同時に発動し、カラー種を倒していく。

「凄い・・・、」

「カラー種をあっという間に倒していっている」

「俺もいつかはああなりたいな」

「いや、あれは特別だから目標にするな」

「え~?」

 キメルム達がクロミルの強さに感動する。そしてジャルベはキメルム達の言葉に対してツッコミを入れる。

(あの感じ、完全に【黒色気】を使いこなしているな。それに【黒色気】だけでなく【白色気】も同時に発動している)

 ジャルベはクロミルの様子を見ながら、目の前の魔獣をけん制していく。

「あなた、いつまでここにいるつもりなの?」

 ここでクロミルに話しかけてきたのは、ピクナミだった。

「・・・どういう意味ですか?」

「分からないの?大親分のあの目、死を覚悟した目よ。だからあなたが助けに行くのよ」

「!?ですが私が抜けると・・・、」

 クロミルはピクナミに言われ驚くも反論する。クロミルは反論を最後まで言わなかった。だが、クロミルが言いたいことをピクナミは理解出来た。

「あなた一人の穴くらい、私達の頑張りで埋められるわよ!」

 ピクナミは強がりを吐く。

(ですが・・・、)

 クロミルはピクナミの嘘をすぐ見抜き、心配する。

「俺達だって強い。だからここは俺達に任せて、大親分を助けてくれないか?」

 クロミルはジャルベの言葉を聞く。

(確かにジャルベ様方は強い。ですがこのカラー種の数を相手に対応出来るのでしょうか?)

 クロミルは、自身が抜けたことによる戦況の変化を予想し、このまま抜けていいのか迷いながら戦い続ける。クロミルが黙りながらも戦っていると、

「なら、私達が参戦すればどうでしょう?」

「え?」

 突如聞こえてきた言葉と、

「え!?」

「急に魔獣達が切り刻まれていく・・・!?」

「一体誰が・・・!?」

 魔獣が倒れていく様子に一同困惑する。その直後、外套を纏っている複数の者がクロミル達の前に現れた。

「あ、あなた達は一体・・・?」

 シーナリが、外套を纏っている者に対して質問を投げかける。すると、外套を纏っている者達は一斉に外套から顔を出す。

「く、クロミルさん!?」

「「「!?」」」

 シーナリは顔を見て驚く。驚いた理由は、顔がクロミルと瓜二つだったからである。

「いえ、クロミルと同じ牛人族ですが、クロミルではありません」

「そ、そうね・・・、」

 シーナリは牛人族とクロミルを交互に見ながら別人であることを認識する。

「私達なら、カラー種の魔獣と対等に戦うことは可能です。ですからあなたは牛雄のところへ向かってください」

「・・・」

 クロミルは同族の登場に驚きを隠すことが出来ない。クロミルが呆然としている中、牛人族達も戦闘に参戦し、魔獣達を倒していく。

「・・・どうやら彼らも来てくれたようです」

「?」

 牛人族は呟いた後、空を見る。そこには暗くて見づらいものの、何かが宙にいた。

「!?上空に何かいるわ!みんな警戒して!!」

「「「!!!???」」」

 シーナリの言葉に、全員が警戒し、武器を構える。

「大丈夫です。彼らは味方です」

「え?」

 シーナリは牛人族の言葉に疑問を抱いていると、宙に浮いていた何かが下降し始める。

「我々も参戦します」

「「「!!!???」」」

 言葉の重さと何かの正体に驚く。その何かとは、

「ど、どうしてここにドラゴンが!?」

 ドラゴンだった。

「我々は以前、アヤト殿に助けられた恩があります。その恩を返す為、こうしてはせ参じたわけです」

 ドラゴン達は魔獣への攻撃を始める。ドラゴン達のブレス攻撃により、多くの魔獣が吹っ飛び、続々と倒れていく。

「我々と牛人族、そしてここにいる者達の力を合わせれば、カラー種の魔獣など問題にならないでしょう。ですので・・・、」

 白竜皇はクロミルを見る。

「アヤト殿のご助力に向かってください」

 そして赤子を宥めるように、穏やかに話す。

「・・・みなさん、どうか生きてください」

 クロミルは少し考えた後、みんなに任せることにした。この場を任せ、アヤトを助けようと動き始める。

「ええ」

「もちろん!」

「そちらこそ、どうかご無事に」

 話がまとまり始めた時、

「・・・クロミル殿、どうやら各国にいたアルジンが一か所に集まったようです」

 レンカから合図が送られる。これでクロミルはいつでも、アヤトのところに向かうことが出来る。

「レンカ様、ありがとうございます」

 クロミルはレンカに感謝を述べる。

「それでは私はこれからご主人様の元へ・・・、」

「あ、少しだけお待ちください」

「?」

 クロミルがアヤトの元へ行こうとした時、牛人族の一人がクロミルを止める。

「これを持っていってください」

 牛人族が渡したのは、鞘に収まっている剣だった。

「これは・・・?」

「牛人族の祠に祀っていた名無しの剣です。あなたも知っているでしょう?」

「知ってはいますが、どうしてこれを私に・・・?」

「この剣が語りかけてきたのです。私をあなたの元へ、と」

 そう言いながら、牛人族の一人はクロミルに剣を渡す。

「この剣はあなたも知っている通り、かつて、牛雄と共に旅をした牛人族が持っていた牛剣。それがこの剣です」

「そう、でしたね」

 クロミルは剣を受け取る。

「剣を手にしたとき、剣に認められたらその名が頭に浮かぶ、なんて話を聞きますがどうですか?」

 クロミルは剣を手にした直後、手にしている自身の剣を見る。

「・・・このような貴重な剣を託してくださりありがとうございます。これで私は、ご主人様を守ることが出来ます」

 クロミルの返事を聞いた牛人族は、

「その剣を使い、どうか我が牛雄の命を守り、全員で生きて帰ってきてくださいね?」

 牛人族の願いに、

「もちろんです」

 そうクロミルは返事をし、白の国から姿を消す。

次回予告

『7-1-36(第525話) 虹無対戦~魔の国編その5~』

 彩人の危機に駆けつけたイブ。イブは連れてきた魔の国の者達と協力し、魔獣の軍勢に立ち向かう。


 こんな感じの次回予告となりましたが、どうでしょうか。

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