表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
色を司りし者  作者: 彩 豊
第7色 無の国 第一章 虹無対戦
523/546

7-1-33(第522話) 虹無対戦~黄の国編その6~

「さて、アヤトさん、行きましたね」

「・・・だな。それじゃあ俺達は、」

「ヤ!目の前の魔獣達を・・・!」

「倒ユ!」

「ヨ!」

 黄色い彩人が去った後、モミジ、ザッハ、ヤヤ、ユユ、ヨヨは気合を入れ直し、魔獣達と相対する。

「まだまだ行くぞ!【雷、砕】!」

 ザッハは【雷砕】を使用し、魔獣の軍勢に突っ込んでいく。

「私も行きます!【三樹爪撃】!」

 モミジもザッハに続くよう、【三樹爪撃】を魔獣の軍勢に向けて放っていく。

「ヤ!やあ!!」

 ヤヤは剣で確実に魔獣を切り、

「・・・ユ!」

 ユユは弓と矢で狙いをつけ、射抜いていく。

「ここ!ここだヨぉ!!」

 ヨヨは自身の拳で複数匹の魔獣を倒していく。

「!?きゃあ!?」

「!?ちぃ!!」

 突如、ヨヨに向けてカラー種のゴブリンが襲い掛かる。そのフォローをするべく、ザッハはヨヨの元へ向かおうとするが、魔獣達がザッハの進行を妨害してくる。

「ヤヤ、ユユ、いけるか!?」

「こっちは難しい、ヤ!」

「お姉ちゃんとおな、ユ!」

 ヤヤとユユは目の前の魔獣に手がいっぱいで、ヨヨのフォローが出来ない。

(やばい!?俺が、俺がなんとかしないと!!??)

 ザッハはヤヤの危機に焦る。

「私が行きます!」

「「「!!!???」」」

 突如何者かが、ヨヨに向かっているカラー種を殲滅する。

「・・・助かった、モミジ」

「モミジお姉ちゃん!!」

 ザッハは助けた者、モミジに感謝を述べ、ヨヨは感謝の意志を込め、戦闘中にも関わらず抱きしめる。

「いえいえ。それよりみなさん、まだまだ魔獣はいますから集中していきますよ」

 モミジが指さす方向に、まだ元気な魔獣が無数にいる。

「・・・モミジ、お前はアヤトのところに行ってくれ。ここは俺達でなんとかする」

「なんとかって、そんなみずくさいこと言わないでください。私もここの魔獣殲滅にご協力しますよ」

 モミジは【三樹爪撃】をカラー種のゴブリンんくらわせながらザッハに進言する。

「あいつを独りにしたらどうなるか、お前もこの場で見ていたから分かるだろう?あいつ、死ぬぞ」

「!?」

 モミジはさきほど見た、彩人が死にかけた光景を思い出す。

(確かに、アヤトさんを独りにするわけにはいきません!ですが・・・!)

 モミジは目の前の状況を見る。

 今も多くの冒険者が魔獣と戦い、中でもカラー種の魔獣に至っては複数人で一匹を相手にしている状況。この中で、単独でカラー種を倒せるほど強いモミジは貴重な戦力と断定出来るだろう。

(この状況を放置出来るほど、私の目は節穴じゃありません!)

 モミジは【三樹爪撃】を発動させ、カラー種の魔獣の命を刈り取る。

「モミジお姉ちゃん、ヤヤ達がいるから!」

「大丈、夫!」

「だから、お兄ちゃんのところに、行って!!」

 ヤヤ、ユユ、ヨヨも、モミジが彩人のところに行ってほしいと、彩人を助けてほしいと言葉にする。

「ですが・・・、」

 それでもまだモミジは迷ってしまう。どうしても、自分が抜けたことにより生じる穴と個人にかかる負担の大きさを危惧してしまい、ザッハ達をおいて、彩人の元へ行く決断が出来ないのだ。

「牛術が一つ・・・【牛閃】!」

 突如、カラー種の魔獣達が倒れる。倒れた体から推測するに、何者かの斬撃をくらったようだった。

「であれば、私達が代わりに残りましょう。それなら大丈夫でしょうか?」

「え?」

 モミジだけでなく、ザッハ達も突然の声に驚き、声がしてきた方を見る。

 するとそこには、

「く、クロミルさん!?」

「いえ。私はクロミル、ではありません。私は、いえ、私達は、」

「「「牛人族です」」」

 クロミルそっくりの牛人族達だった。

「私達の中に、牛雄が命の危機に瀕すると予言した者がおり、こうしてはせ参じました」

 牛人族達は、カラー種の魔獣達の元へ向かい、それぞれが手にしている武器で攻撃し始める。

「私達牛人族達が、カラー種の魔獣を抑えます。これでモミジ様は憂れいなく牛雄の元へいけることでしょう」

「牛人族、達?」

 ここで突如、魔獣達の上方から何か落ちてきたところが見えた瞬間、魔獣達は倒れていた。その正体は、

「私達もアヤト殿に恩がある故、協力させていただきます」

「ど、ドラゴン・・・!」

 黄色いドラゴン達が空を飛んでおり、その中の一匹が地面に降り立つ。雰囲気からして、地面に降り立ったドラゴンには王者の風格がある。

「私達とこのドラゴン達の力があれば、この場にいるカラー種の魔獣も相手出来るかと思いますが、どうでしょう?」

「どうでしょうって・・・、」

 モミジは突如現れた牛人族とドラゴン達に困惑し、まともな返答が出来ずにいた。

「予言した者は、牛雄とモミジ様が協力して戦っている姿を見たそうです」

(牛雄・・・もしかしなくてもアヤトさん、ですよね。アヤトさんと私が・・・、)

 モミジは、牛雄と彩人が同一人物だと推測し、彩人と共に戦う姿を想像する。

「モミジ様、ここは我々に任せ、牛雄の助太刀をお願いいたします」

「牛人族のみなさん・・・、」

 モミジは牛人族だけでなく、ドラゴンやザッハ達を見る。

「行ってください」

「行ってこい」

「行って」

「・・・モミジ殿、今、6か国にいたアルジンが1か所に集まりました。いつでも転移可能です」

 ドラゴン、ザッハ、ヤヤ、レンカ達の声を聞いたモミジは、

「それではみなさん、後、よろしくお願いします」

 モミジのこの言葉に、

「任せてください」

「アヤトのこと、よろしく頼む」

「承知しました」

「がんばれ」

 ドラゴン、牛人、ザッハ、ヤヤが返事をする。その返事を聞いたモミジは、その場から消える。

(待っていてください、アヤトさん。私も行きます!)


 モミジが黄の国から消えた後、

「さて、引き続きやるか」

 ザッハは剣先をカラー種の魔獣達に向ける。

「!?」

 すると突如、剣先を向けられた魔獣が倒れていく。それだけではなく、冒険者達が相手している魔獣達が急に倒れていく。

「だ・・・なんだ、お前らか。あ」」

「「「にゃあ」」」

 魔獣達が倒れて言った原因。それは、ファーリ達角犬と角猫の攻撃だった。

「!?ファーリちゃん!!??」

「これは強力な仲間」

「ファーリちゃんだけじゃなくて、角猫ちゃん達もなんて凄い!」

「・・・この角猫は、お前がやったのか?」

「にゃ」

 ザッハの言葉に、ファーリは首を縦に振る。

「そうか。本当、頼もしい限りだ」

 牛人族とドラゴンは、ザッハ達のやりとりを聞き、角犬と角猫が味方だと認識する。

「みんな、アヤトの顔を見る為にも、この戦い、絶対に勝って生き残るぞ!」

「うん!」

「はい」

 更なる戦力増強により、ザッハ達の勢いは増していく。

次回予告

『7-1-34(第523話) 虹無対戦~白の国編その5~』

 彩人の危機に駆けつけたクロミル。クロミルは連れてきた白の国の者達と協力し、魔獣の軍勢に立ち向かう。


 こんな感じの次回予告となりましたが、どうでしょうか。

 感想、評価、ブックマーク等、よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ