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色を司りし者  作者: 彩 豊
第7色 無の国 第一章 虹無対戦
521/546

7-1-31(第520話) 虹無対戦~緑の国編その6~

「・・・さて、」

 リーフは、彩人がいなくなったことを確認し、再度周りを見る。

(アヤトがかなりの魔獣を倒したはずなのにこの数・・・アヤトはどれほどの魔獣を一度に相手していたのでしょう?)

 周囲を見渡す限り、魔獣と魔獣の死体が視界を埋め尽くしている。

「それではみなさん、行きます・・・!?」

 リーフが魔獣達と対面しようと剣を握り直した時、誰かが服をつかみ、後方に下げられる。

「誰です!?」

 リーフを後方に下げさせたのは、エーガンだった。

「あなた、いつまでここで戦っているつもり?」

「え?」

 エーガンの言葉にリーフは驚きを隠せない。

「そうです!早くアヤト様のところへ行ってあげてください!」

「そうよそうよ!こっちはもう大丈夫なんだか、ら!!」

 タンカやウッドピクシーも、エーガンの意見に乗る。

「どうして?私がいないと、【色気】を使える私がいないとこの戦況を維持することが出来ないんじゃ・・・?」

 現在、カーナやエーガン達を含んだ緑の国在住者達は魔獣の軍勢と戦っていえ。優勢となっている。

 が、リーフが今の戦況に多大な影響を与えていることも事実。つまりリーフが抜けると、今の優勢な状況が一変し、劣勢になってしまうのではないか。

 そのことをリーフは危惧しているのである。

「さきほどのアヤト様の目・・・おそらくですが、自分の命のことなんて微塵も考えていない様子でした」

「自分以外が助かればどうでもいい、そんな馬鹿げた考えをしているんじゃないかしら?」

「あんなアヤト様を独りにしてはいけません!行ってください!」

「でも・・・、」

 リーフが悩んでいると、

「牛術が一つ、【牛閃】!」

 突如、周囲の魔獣達が何者かによって切り裂かれる。

「なら、私達がいれば問題ありませんか?」

「!?あなた達は!!??」

 その者達の顔を見たリーフ達は驚く。

 なにせその顔は、とある者、クロミルの顔とそっくりだったのだから。

「私達の同胞が今回の戦いについて予知し、牛雄の為にこうしてはせ参じました」

「牛雄・・・もしかして、アヤト様のこと、ですか?」

「肯定です。我が牛雄の悲しむ顔なんて見たくありませんので」

 外套を脱ぎ、戦闘態勢に入る。顔を見せた牛人族の中には、緑が混ざったカラー種もいる。

「魔法の準備・・・放て!」

 牛人族から放たれた木製の無数の針は、様々な魔獣の体を貫通していく。

「【午閃】!」

 牛人族は、自身が持っていた剣によって魔獣を切り刻んでいく。

「私達なら、カラー種でも対等以上に相手可能です。これでもまだ不安でしたら・・・、」

 牛人族は上を指さす。

 上空には、一匹のドラゴンが地上に降り立った。

「私達も共に戦います。行きなさい」

 空にドラゴン達の雄叫びが轟く。

「どうしてドラゴン達まで・・・?」

「アヤト様が以前、黒竜帝を助けてくれたので、そのお礼に駆けつけました。なんでも、この戦いを乗り越えないとアヤト様の命が危ないと」

「!?」

 ドラゴンの言葉に、リーフは自身の拳を固く握りしめる。

「ここは私達に任せて、アヤト様の元へ行ってください」

「どうか、アヤト様を死なせないでください。きちんと生きて、私達の国へ遊びに来てください」

「そうよ!このまま会えずじまい、なんてことは絶対、嫌なんだからね!」

「・・・リーフ殿、6か国にいたそれぞれのアルジンが1か所に集結したようです。なのでいつでも転移可能です」

 エーガンの言葉の後、レンカがリーフに報告する。この報告の言葉こそ、リーフが待っていた言葉だった。

(これほどの強者がいるなら、この国は大丈夫そうね)

 リーフは優しい笑みを浮かべ、

「ありがとう、レンカちゃん。ありがとう、みなさん」

 リーフは剣を鞘にしまう。

「それじゃあ私、アヤトのところへ行ってくるわ。ここは任せるわ」

 リーフの言葉に、

「もちろんです!」

「了解いたしました」

「守ろう、この場所を」

 エルフ、牛人族、ドラゴン達が答える。

 その答えを聞いて安心したリーフは、アヤトの元へ向かうため、この場を後にする。

次回予告

『7-1-32(第521話) 虹無対戦~黄の国編その5~』

 彩人の危機に駆けつけたモミジ。モミジは連れてきた黄の国の者達と協力し、魔獣の軍勢に立ち向かう。


 こんな感じの次回予告となりましたが、どうでしょうか。

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