表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
色を司りし者  作者: 彩 豊
第三章 桃色脳であるエン公爵との決闘
51/529

1-3-1(第51話) 魔銀と新たな厄介事の予感

 今回やった依頼は魔獣討伐関連の依頼ではない。店番やお使い、荷物運びなど、様々な雑用をこなし、お金を貯めた。その間、何を作ろうかずっと悩んでいた。


「何作ればいいのかなぁ?はぁ、だれか俺に名案を出してくれないかな」

「そしたらお兄ちゃん!ホットケーキが二倍になる魔道具作ってよ!」

「却下。そんな魔道具どうやって作ればいいんだよ」

「気合で!」


 こいつに聞いた俺が馬鹿だった。だが、二倍か………。

 相手を攻撃する魔法だけでなく、自分を補助する魔法も必要だと考えると、「二倍」という単語で何か閃きそうな気がするのだが。

 ………。何も思いつかない。自分の思考回路を疑いたくなるな。


 だが、数日考えていると、作る魔道具のアイデアを思いつく。


「そういや、乾電池みたいに魔力も溜めることもできるのでは?」

 そう考えた俺の行動は早かった。

 まず、そこいらに落ちている石に魔力を込める。

 ばきっ。

 石にひびが入った。どうやら普通の石では魔力を込めることはできないらしい。


「何しているの、お兄ちゃん?」


 俺が行き詰っていると、ルリが顔を出す。


「あぁ、ルリか。実は乾電池…じゃないや。魔力を溜められる物はないか?」

「魔力を溜める?あ、それならいいものがあるよ!」

「ほんとか!?それはどこにある!?」

「ここ」

「へっ?」


 そう言ってルリは自分のお腹を指さす。

 どこを指さしているんだ?もしかして、お腹とか言うのではないだろうか。


「今から出してあげるね!」

「は?」


 そう言うと、ルリはペッと何か吐き出す。

 って急に吐くなよ!びっくりするじゃないか!まさか、胃の中に何かあるのか?


「はい!これなら大丈夫だと思うよ」

「え?でもこれって、え?」


 俺は動揺している。だって、口から出たものを「はいどうぞ」と言って、「ありがとう」と言いながら受け取る人はいないだろう。というかこの嘔吐物はなんだ?なんか銀色に光り輝いているし。もしかして、ルリの体内で銀でも生成しているのか?


「え~と、確か、【魔銀】っていう物質で、魔力を溜められると思うよ」

「【魔銀】?なんだそれ?」


 地球でも銀はあったが、魔銀は知らないな。きっと異世界に出てくる物質だろう。今は名前よりもその魔銀の性質について知りたいのだが。

 とりあえず俺は、ルリからもらった魔銀に魔力を込める。

 ………。どうやら、無事に魔力が込められたようだ。

 なんとなくだが、この魔銀から、さっきとは比べられないほど魔力を感じる。実際、俺が魔力を込めたのだから、当然といえば当然か。


「ありがとなルリ。これで万が一、魔力不足になってもすぐに魔力が回復できるようになるぞ」

「ほんと!?」

「たぶんだけどな」

 

 そう言いながら、俺はルリの頭を優しくなでる。

 ルリの髪って、さらさらしていて、触っているだけで気持いいな。

 

 次に考えた物は、何かを「増幅」させる魔法だ。だが、


「何をイメージすればいいだろうか?」


 そう、俺の脳みそでは、増幅のイメージを魔法にするのが難しい。もっと具体的に考えた方がいいのか?いや、増幅させる物によっても、イメージが違うのか?紙とか、魔法とか、ホットケーキとか、全部をまとめて増幅させようとするのは無理なのか?


「う~」


 彩人の考察は続く。

 

 そして、ゆるゆると働きながら、新たな魔法を考えること数日。


「出来た!」

「良かったね、お兄ちゃん!それでその魔法は?」

「ん?ああー。この魔法はな…」

「アヤトさん!私、変な人に付きまとわれているのです!助けてくれませんか!?」


 どうやらまた、一悶着あるらしい。

すいません。厄介事の具体的な話は次のお話しでします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ