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色を司りし者  作者: 彩 豊
第7色 無の国 第一章 虹無対戦
509/546

7-1-19(第508話) 虹無対戦~白の国編その2~

 白の国。

 今の時間帯を色で表すなら、白とは真逆の黒である。そんな黒一色の場所に私はいる。

「本当は奇襲などしたくはないが、やむを得んな」

 出来ることなら、正々堂々戦い、勝利したい。

 だが、そんな悠長なことなど言っていられない事態にある。

(・・・ふむ。ざっとここから見ただけでも二、三十は軽くいるな)

 これくらいの数だけなら、正々堂々戦っていたかもしれない

 が、

(この奥にまだ見ぬ魔獣共がいるのか)

 本当ならまだ見ぬ魔獣に興奮し、ワクワクしていたかもしれない。だが今はそんな感情を持つ余裕など一切ない。

(今の私に出来ること・・・)

 私はアイテムブレスレットからある魔道具を取り出す。

(沈め!)

 そして、魔道具に搭載されているスイッチを押す。

「「「!!!???」」」

 すると、魔獣共の地面が急にぬかるみ始め、魔獣共が沈み始める。

(やはり、このスイッチは便利だな)

 この沼出現スイッチ、以前に何個か作っておいて正解だった。おかげで今もこうして活用出来るのだから。

(これで我の視界にいた魔獣共は全滅したな)

「!!??」

 魔獣の一種、ゴブリンが雄たけびをあげた。私その直後にゴブリンの声を消すため、ゴブリンを絶命させる。

「ち!!」

 だが、既に既に時は遅かった。

 ゴブリン共がここに群がってきたのだ。

「これで奇襲は終わりか」

 俺は少し遠くから聞こえてくる足音に、戦いの激化を予感していた。


 魔道具の準備をしていたら、魔獣共の姿が見えてきた。

(ゴブリン共が多いな。後は・・・オークか?)

 豚みたいな顔をした人型の魔獣だ。あの魔獣、見た目的に動きが鈍そうだ。

(魔道具を使うタイミングは見逃さないように・・・今だ!)

 俺は沼出現スイッチを押す。

 すると、沼が魔獣共の足場に出現し、多くの魔獣共が沼に沈み始める。

(さっきと同じ手段で倒すことが・・・!?)

 俺は直感でこの場を離れる。

 その直後、さっきまで俺がいた場所に矢が突き刺さる。

(この矢は・・・あそこのゴブリンと・・・オーガだと!?)

 ゴブリンが木に登って矢を放つのはいい。

 だが、まさかオーガまで木に登って矢を放ってくるとはな。

 普通、オーガって接近戦をしてくる魔獣じゃないのか?

(まぁいい)

 オーガが矢を放ってこようと、私のやるべきことは変わらない。

(まずは木の上にいる魔獣を、遠距離攻撃出来る魔獣を片っ端から倒す!)

 私は魔力を矢の形に変えて、魔獣の頭に向けて放つ。

(イメージは銃だ。一匹一匹確実に、着実に!)

 こうして放った矢は、ゴブリンの頭を貫通する。そして貫通されたゴブリンは絶命する。

(これでなんとか数を減らすことは出来る。が、この数は・・・)

 私は周囲を見渡す。周囲には無数のゴブリンやオーガ共がいる。数では圧倒的に不利だ。

(それでも諦めない!諦めるわけには、いかない!!)

 私は再度、魔力を矢の形に変形させ、魔獣共めがけて放つ。

(まだまだ数はいるし、何体か私の矢を叩き落した魔獣がいるが、問題ない)

 さぁ、持久戦といこうか!


「・・・まだこんなにいるのか・・・」

 あれから私は戦い続け、かなり数を減らした・・・と思う。

(目の前にいるこの魔獣の数を見ると、自信がないなぁ) 

 さきほどより数が多くなっていないか?魔獣共の死体はかなり転がっているはずなのにどうしてなのだろうか?

(私の気のせいか?それとも、どこからか来ている、とか?)

 そんな思考にいつまでも時間を割く余裕はない。今も魔獣共は私を殺そうと弓を引いている。

(・・・まずはこいつ、だ!)

 私は今、出来るだけ一撃一殺を心がけている。要するに、魔獣共を一撃で倒してしまおうという戦法だ。

 理由としては、魔獣共の数が異常に多く、一匹一匹に時間を割く余裕がないからである。

 魔獣が強かったらこの戦法は使えないが、この戦法を使うことで魔獣一匹に対する戦闘時間の短縮と、体力と魔力を節約出来るという利点がある。

 魔獣共の強さは今のところ、私の敵ではない。だからこの一撃一殺戦法が使えるのである。

(最も、今見えている魔獣がゴブリンとオークしかいないから、だけどな!)

 私は周囲の魔獣共の頭の位置を確認しながら魔獣を射抜く。

 ゴブリンとオークなら、頭を貫通させれば一撃だと判断したからである。

(ゴブリンとオークだけなら・・・いける!)

 私はこの戦法なら勝てると、生き抜くことが出来ると確信する。

(本当は、【毒霧】が使えたらよかったのだが・・・。まぁ、仕方がないか)

 今の私は、白魔法にしか適性がない。その為、【毒霧】を使う為に必要な赤魔法と青魔法の適正がないのだ。

(さて、さっきの私の矢を叩き落としたのは・・・カラー、種?・・・ああそうか。緑色か)

 緑色のゴブリンとオーガが私の放った矢を叩き落していた。

 深夜で森の中だからか、見分けがつき辛いな。そもそも、ゴブリンの体って緑色だから、本当にカラー種なのか不明だ。今も倒したゴブリンより少し緑が濃いな、と思うくらいだし。

(魔力で形成した矢が駄目なら、この魔銀製の剣で一刀両断する!)

 私は【白色気】で自身を強化し、ゴブリンに一瞬で近づき、ゴブリンを一刀両断しようとする。

 が、

(!?流石はカラー種、といったところか)

 私の剣を止められてしまった。

(力で押し込めばいけるか?いや、ここは一旦退こう)

 私は剣を引き、カラー種のゴブリンからとる。

「「「!!!」」」

(私が隙だらけ、とでも思ったのだろうか?だとしたら心外だ、な!)

 私は一瞬でゴブリン共が放った矢を剣で弾き飛ばし、魔力の塊を放つ。

(まぁ、あれくらい弾くよな。だがそれでいい)

 さきほどの魔力の塊は囮だ。

 ゴブリン共が魔力の塊に意識を向けることで、私に対する意識が一瞬外れる。その一瞬の隙を狙い、私は剣でゴブリン共を一刀両断した。今度は成功した。

(【白色気】を使っているからか、カラー種相手でも一刀両断出来たな)

 さて、これでカラー種は全滅・・・しているわけないか。

(まだまだいるな)

 本当に何匹いるのだろうか?

(いや、何匹いようと関係ない!目の前の魔獣共を一層するだけだ!)

 私は空いている手で矢を形成しながら、周囲の魔獣の位置、数を把握していた。

次回予告

『7-1-20(第509話) 虹無対戦~白の国編その3~』

 白の国で戦い続ける彩人。

 そんな中、緑色のカラー種と思われる魔獣を見て、ある可能性を思いつく。


 こんな感じの次回予告となりましたが、どうでしょうか。

 感想、評価、ブックマーク等、よろしくお願いいたします。

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