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色を司りし者  作者: 彩 豊
第7色 無の国 第一章 虹無対戦
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7-1-11(第500話) 虹無対戦~青の国編その3~

「この状況、まずくないか?」

 青い魚人共と戦い始めて、俺はかなり疲労していた。

 理由は、青い魚人個々の能力の高さもそうだが、連携能力の高さが厄介で、そのせいで俺の傷がどんどん増え、体力がどんどん削られていく。

(どうにかしてこの状況を打開しないと。何か策は・・・、)

 俺は【青色気】で青い魚人共と戦いながらこの状況を打開するための策を考える。

 考えているのだが、一向に案が思い浮かばない。

(本当は【青色気】で殲滅出来ると思っていたんだけどな)

 まさか魔獣がここまで強いとはな。個々の能力の高さもそうだが、魔獣同士で連携するとか反則だと思う。

(連携するのは人間だけの特権だろうが!・・・いや、元々その可能性を無意識に切り捨てた俺が悪いか)

 もっと冷静に考えていれば、魔獣が連携する可能性も考える事が出来たはずだ。本当、何も考えていなかったな、俺。

(・・・ん?)

 人間?魔獣?

(・・・そうか)

 俺は自身の言葉を思い出し、ある可能性を思いつく。

(俺にはまだ、これがあるじゃないか!)

 俺は地面に手を置き、魔力を流し込む。

(頼む!俺に協力してくれ!)

 俺の願いを聞き入れてくれたのか、地面から植物が急成長して出てくる。

(どうして俺は、自身が人間ではなく、人間と魔獣の混ざりものだったことを忘れていたのだろうか)

 俺は普通の人間ではない。それは、モミジが俺の体に寄生しているからである。その為、俺はモミジと同じように、植物と対話が出来、協力してもらうことも可能なのである。モミジほど出来るわけではないが、多少でも充分な強みだ。

 何せこの強みのおかげで、俺は体力を、魔力を回復出来るのだから。

 そしてそれ以上に、強力な味方がいる!

「それじゃあみんな、力を貸してくれ!この地を、この国を守るために!」

 さぁ、まだ抗おうか!


 植物達と共闘し続けた結果、かなりの数の青い魚人を倒す事は出来た。

 出来たのだが、

(なんか数、多くないか?)

 まだかなりの数の青い魚人がいた。

 おかしい。

 かなりの数の青い魚人を倒したはずなのに、どうしてまだ周囲にかなりの数がいるのだろうか。

(まさか、青い魚人がどこかに隠れていたのか?)

 そう考えると納得は出来るが、それじゃあ一体どこに隠れていたというのか?木の裏とか後方に潜んでいたのだろうか?

(それにしてもい過ぎじゃないか?)

 青い魚人の死体だって周囲にかなりの数転がっているんだぞ?ここは青い魚人の群生地なのか?

(・・・ん?)

 なにか植物達が俺に訴えかけている気がするな。

 なになに・・・後ろ?

 俺は植物達の意思を信じ、後ろを振り返る。

 だが、何もなかった。

(何もなくね?・・・て、やば!?)

 青い魚人共から槍が飛んできたので慌てて避ける。だが、気付くのが遅くなったからか、俺の体にかすれてしまう。

(避けきれなかったか・・・ん?)

 なんか体がおかしい。この鈍さ、まさか・・・!?

(毒か!?)

 こいつら!いつの間にか槍の先端に毒なんて塗りやがって!だが甘い!俺の白魔法ですぐに毒を消して・・・て、今の俺は白魔法を使う事が出来ないんだった。

(ん?)

 植物達がまだ何か言っているな。

 なになに・・・俺の後ろじゃなくて、魔獣共の後ろ、だと?

(ということは、魔獣共の後方になにかあるのか?)

 俺は出来るだけ青い魚人共を注意しつつ、魔獣共の軍勢後方を見る。

(特になにもおかしなことは・・・ん?)

 なんか気配が揺れている?揺れている気配の先に何か、いる?

(!?)

 気配の先にいる魔獣、今俺を見て笑ったな?

 俺は直感で嫌悪感を覚えた俺は、最優先で気配の先にいる魔獣の元へ向かう。

(あの魔獣はやばい!というか、どうして俺はあの魔獣を今まで放置していたんだ!)

 俺は、気配が曖昧な魔獣の元へ向かおうとするも、周囲の青い魚人共が邪魔してくる。

(くそ!邪魔なんだよ!!)

 俺は出来るだけ青い魚人共の攻撃を躱しながら近づこうとしたが、それでも青い魚人共の攻撃を何度かくらってしまう。

(!?こんな攻撃、気にしていられるかよ!!)

 それでも俺は気にせず、曖昧な気配の魔獣の懐に潜り込む。

(散れ!)

 曖昧な気配の魔獣を倒そうと殺意を剥き出しにしても、気配が曖昧な魔獣は笑い続けていた。そして、笑い続けていた魔獣を倒したのだが、

(これでよかったのか?)

 倒したからか、さっき倒した魔獣の近くに遭った渦が消えていく。

(ん?)

 一瞬、渦から青い魚人の顔が見えたような気がした。

 それにしてもあの渦、一体なんだったんだ?

(・・・え?)

 そう考えていたら、植物達が教えてくれた。

 どうやら俺がさっき倒した魔獣は、青い魚人共を召喚していたらしい。

 なるほど。どうりでさっきから青い魚人共の数が多かったのか。

(それにしてもあの魔獣、どうして気配が曖昧だったんだ?)

 なにか魔法を使ったのだろうか?それとも特別な魔道具を使ったとか?て、今はそんなことどうでもいいか。

(とにかく、今はさっきの魔獣を倒すことが出来たと喜んでおこう)

 これで魔獣共はこれ以上、青い魚人共を召喚出来なくなったわけだからな。後は目の前にいる魔獣共を殲滅すれば・・・!?

(・・・そうか)

 ここで残念なお知らせがきてしまった。

 なんと、植物達がもう限界で、これ以上力を貸す事が出来ないそうだ。

「ありがとう。後は俺に任せてくれ」

 俺の言葉を受け取ったのか、植物達は了承の意思を受け取る。そして、植物達は地中に消えていった。

「さて・・・、」

 ・・・正直、魔力も体力も底を尽きかけている今の俺では、俺の視界を埋め尽くすほどの魔獣を殲滅出来るなんてうぬ惚れる事は出来ない。

 が、

「それでも諦めない。諦めるわけには、いかない!」

 やることは変わらない。

次回予告

『7-1-12(第501話) 虹無対戦~青の国編その4~』

 植物達から力を借りて戦っていた彩人だったが、植物達に限界がきてしまい、再び独りで戦いを続行する。彩人にも限界が来てしまいピンチになってしまうも、ある者の登場で戦況が変わり始める。


 こんな感じの次回予告となりましたが、どうでしょうか。

 感想、評価、ブックマーク等、よろしくお願いいたします。

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