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色を司りし者  作者: 彩 豊
第7色 無の国 第一章 虹無対戦
494/546

7-1-4(第493話) 虹無対戦~黄の国編その1~

 黄の国。

「・・・ふぅ」

 とある一室にて国王となった者、ザッハ=シンショク=キハダが公務をしていた。

「慣れないことをすると疲れるな。少し体を動かすか」

 ザッハは慣れない公務の疲れを紛らわす為、体を動かす事にした。

 城を出ようとすると、

「あ!」

「ザッハお兄ちゃん」

「わーい!」

 そこでヤヤ、ユユ、ヨヨがザッハに抱きつく。

「お前達、今日の仕事はどうしたんだ?」

「もう時間だから終わりにしたんヤ」

「ユ.みんな満足して帰って行った」

「ヨヨも嬉しかったヨ!」

「そうか」

 ザッハは三人それぞれの頭を撫でる。

「そういえばザッハお兄ちゃん、冒険者達の間でちょっと気になる話があったんヤよ」

「気になる話?その話ってなんだ?」

「なんでもここ最近、魔獣の動きがいつもと比べておかしいんだって」

「おかしい?それはどうおかしいんだ?」

「なんでも、いつもならこの町に向かってくるはずなのに、今回は別のところに向かって行ったんだって」

「・・・いいこと、じゃないのか?」

「冒険者さん達もザッハお兄ちゃんみたいなことを言っていたけど、微妙な顔をしていたよ?」

「・・・いつもと異なる行動をしていたから、何かしてくるんじゃないかと。そう考えているわけだな?」

「うん」

「ユ」

「?なんの話~?」

 ヤヤとユユはザッハの言葉を理解したのだが、ヨヨは分からずに首をかしげる。

「・・・その話、詳しく聞きたいな。その話をしていた冒険者って分かるか?」

「顔と名前ならバッチリ覚えているよ!」

「ユユも」

「ヨヨもヨヨもー!」

「そうか。ならその冒険者の元へ案内、お願い出来るか?」

「うん!」

 そう言い、ヤヤ達三人はザッハの前を歩く。

 少し歩き、冒険者ギルド前。

「確か今日はずっと、冒険者ギルド内にある酒屋で酒を買い、そのままギルド内で飲む明かす、と言っていたと思う」

「なら、この冒険者ギルド内のどこかにはいるだろうな」

 四人は冒険者ギルドの中に入っていく。

「あ!?ザッハの兄貴じゃないですか!!??」

「本当だ!新しい国王になって色々忙しくなり、ギルドに顔を出さなくなったから、俺はてっきりもう冒険者を辞めたものかと・・・、」

 冒険者達はそれぞれの想いを吐露する中、ザッハ達はある冒険者の元へ足を向ける。

「・・・んあ?俺に何か用か?」

「聞きたいことがあってな。何、楽にしていてくれていいし、なんなら話している間の酒代は俺持ちでいい」

「本当か!?ならなんでも話す!出来れば一日中!」

「いや、そんなに時間は取らせねぇよ。実はな・・・、」

 ザッハは、魔獣の動きの変化について質問する。

「その話か。確かにここ最近の魔獣の動きはどうもおかしい。おかしいのだが、じゃあ何か問題があるのかと言われたら、問題なんかないし、むしろいいことだったからな。ギルドに報告してそれで終わりさ」

「・・・そうか。それで、動きがおかしかった魔獣をどこで見たか覚えているか?」

 ザッハは持っていた周辺地図を広げ、冒険者に見せる。

「・・・ここら辺だ」

 冒険者はとある場所を指差す。

「・・・ここなら確かにこの首都からかなり遠いし、首都に向かっていないなら放置でいいだろう」

「だろう?俺もそうギルドに報告した。出来ればその魔獣がどこに向かっているのかも知りたかったんだが、途中で撒かれちまってな」

「そうか。それは良い情報を聞いた」

「おう。別にいいってことよ。何より今回の王様は、俺達冒険者にも耳を傾けてくれるいい国王だからな」

「・・・別に俺は、いい国王なんかじゃねぇよ。俺は単に、妹を守りたかっただけだ」

「へいへい。今回の国王様は妹大好きでいらっしゃって」

「妹離れはいつ出来るんだーー?」

「それじゃあ、この俺が妹様達を守ってみせる!」

「いや、この俺が妹様方をお守りし、一生を添い遂げる!」

 この言葉に、ザッハは眉を動かす。

(((あ)))

「・・・おい。今ふざけたことを言った奴出てこい。この俺が直々に揉んでやる」

 冒険者達は、地雷を踏んだことに気づく。

「確かお前らだったよな?」

 ザッハはある冒険者2人を見る。その2人は、さきほどザッハの妹達に関してふざけた発言をした者達であった。

「え、いや~、」

「あっはっは・・・」

 その2人はなんとかやり過ごそうとするが、

「だが今の俺にはまだやることがあってな」

 その発言を聞いた2人の冒険者は、誰が見ても分かるくらい安堵な感情を表に出す。

「その用事が終わったら、直々に、たっぷりと揉んでやるからな?」

 安堵の感情から一転、絶望の表情を剝き出しにする。

「じゃあな。貴重な情報助かった」

「お、おう。困った事があったら来てくれ。いつでも力になるからよ。後・・・、」

「?」

「あの2人も悪気があってさっきのことを言ったわけじゃない。だから・・・、」

「分かっている。俺だって本気で言っていないことくらいな」

「・・・」

 ザッハの言葉を、冒険者は静かに聴く。

「だがまぁ、冗談で言ったにしろ、あの発言に対して何もしないのもどうかと思ってな」

「あ、ああ・・・」

(あの2人、余計な事を言っちまったな)

「貴重な助言、ありがとう。心に留めておく」

 そう言い、ザッハはヤヤ達を連れて、冒険者ギルドを後にする。

次回予告

『7-1-5(第494話) 虹無対戦~白の国編その1~』

 彩人が魔獣の軍勢と戦う前、白の国にいるキメルムの一人、ジャルベは魔獣の大移動についててある心配をする。


 こんな感じの次回予告となりましたが、どうでしょうか。

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