6-2-11(第481話) 最悪な戦いに備えて~六か国巡り~
あれから俺とモミジは青の国、緑の国、黄の国、白の国と転移し、魔獣の異変もとい、笛の魔道具探しをした。
結果、
(まさか、五か国中五か国ともあるとはな)
五か国とも、笛の魔道具を発見した。いずれもゴブリンが持っていたので、所有者の討伐はそこまで難しくなかったものの、出来るだけ早く事態の確認をしないと、どんどん魔獣の軍勢が大きくなってしまう。
俺とモミジが五か国まわっている間に、レンカが赤の国に転移するための宝珠を作成してくれたので、レンカも含めて俺、モミジの三人で赤の国に行き、魔獣の異変を調査した。
結果、
(最悪の事態を想定していたとはいえ、目の当たりにすると辛いなぁ)
赤の国付近にも、笛の魔道具を持ったゴブリンがいた。既に周囲の魔獣はゴブリンの集落に向かい始めている。
(【魔力感知】で調べたところ、十、二十、三十・・・数えきれない!)
【色気】を使っていないから調査範囲が狭まっているとはいえ、今後も増え続けると考えるとあの数はやばい!
(早急に魔獣の討伐をしたいところではあるが、今は無理だ)
魔獣を討伐するにあたり、準備をまったくしていない。
(だから、早急に戻り、魔獣討伐の準備をしよう)
そう思い、俺はモミジとレンカを急かし、魔の国にある魔王城まで急いで戻る。
戻った後、
「モミジ、レンカ、大事な話がある」
「「!!??」」
俺は二人に真剣なトーンで声をかける。
「なんでしょうか?」
「・・・」
レンカは質問の内容を聞き、モミジはただ固唾を飲む。
「今日見た事、みんなに黙っておいてくれ」
俺はこうお願いする。
「理由を聞いても?」
「・・・」
「もちろん。理由は、まだ不確定だからだ。不確定なことをみんなに話したくない。ちゃんと分かったらみんなに報告するつもりだから、それまでは二人とも、それぞれの胸の中にしまっておいてくれ」
俺は二人に頭を下げる。
「・・・ちゃんと報告、してくれるんですよね?」
「この件が終わったら報告するつもりだ」
「・・・そうですか」
レンカは、頭を上げた俺の目を真っすぐ見る。
「・・・」
そういえば、さっきからモミジが無言なのだが、大丈夫だろうか?話を聞かずに寝ている、なんてことはないと思うが、一応声をかけてみるか。
「モミジも、よろしく頼む」
「・・・はい・・・」
「?」
なんだろう?モミジの返事がやけにおかしいような?
(だが今は気にしている場合ではない)
次は、複数の魔獣を一掃する魔法の考案。もしくは魔道具の製作だ。
俺、頑張ろう。
次回予告
『6-2-12(第482話) 最悪な戦いに備えて~魔獣一掃手段~』
モミジのことを後回しにした彩人は、魔獣を一掃する手段について考える。
一掃するためには、六か国同時に向かう必要があり、当然だが彩人は独り。
どうやって彩人独りで六か国同時に向かうことが出来るのか考え、ある魔法を思いつく。
こんな感じの次回予告となりましたが、どうでしょうか。
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