表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
色を司りし者  作者: 彩 豊
第ニ章 魔の国での日常、将来に鉄黒が差し込む夢
478/546

6-2-7(第477話) 最悪な戦いに備えて~移動手段~

「・・・」

 これは・・・どっちだ?

 俺は周囲を見渡す。

 周囲には、今寝室として使用している魔王城の一室のようだ。

 ということは、ここは現実・・・か?

(夢の中でもこの部屋は再現出来るかもしれないからな)

 念の為、自身の頬をつねって確認しよう。

「・・・痛い」

 ということは現実だな。

「さて、まず俺がやるべきことは・・・、」

 今日何をしようか考えていたら、俺のお腹が鳴ってしまった。

「ひとまずは腹ごしらえだな」

 まずお腹を満たそう。それから考えるか。


 みんなで朝食を食べてから、俺はみんなと別れ、この後のことを考え始めた。

「まず、これからどうするか整理してみるか」

 俺は、無作為に直方体の木をチョイスし、その木の面にやることを記載していく。

「・・・これくらいか」

 俺は、自身が書いたメモを読んでみる。



・魔の国の他の五か国に短期間で向かう方法の模索

・魔獣が六か国に向かっているかどうかの調査

・魔獣が向かっている場合、複数の魔獣を一掃する魔法の考案。もしくは魔道具の製作



「これくらいか」

 ひとまず、他の五か国に向かう交通手段について考えよう。

「俺が今まで使える魔法の中で最も強力な魔法は【色気】、それも【六色気】だよな」

 でもあの長期間発動し、移動し続けるだけのスタミナが今の俺にあるかどうか・・・て、これは俺の夢の中でも考えていたな。

(なら、今からスタミナ強化の為、長距離走でも始めるか?)

 いや、今から始めたとしても、今すぐスタミナがつくわけじゃないから、現実的じゃないな。

(となると、別の交通手段を考えた方がいいな)

 だけど、【六色気】よりも短時間で移動出来る方法なんてあるのか?

 ・・・。

(駄目だ、分からん)

 何か魔法で解決出来ないかな?

(魔法で、か)

 一体どのような魔法でこの問題を解決出来るというのだろうか?

(・・・自身に【付与】をする、とか?)

 例えば、自身に【超高速移動】を【付与】してみるとか?

 後、さっき気にしていたスタミナ問題を解決する為、自身に【スタミナ無限】でも【付与】してみるか?

(試しにやってみるか)

 早速俺は、自身の体に【スタミナ無限】を【付与】しようとした。

 だが、

(・・・なんか、【付与】出来ないな)

 【付与】出来れば移動手段の問題は解決出来たのだが、そう簡単に解決出来なかったな。それにしても、どうして【付与】出来なかったのだろうか?

(やはり無限をつけたからだろうか?極大にしてみるか?)

 出来れば他の【付与】も試し、効果とか色々検証したいところだが、今は後回しだ。

(【付与】以外の方法を考えてみるか)

 う~ん・・・。

 ・・・。

(考え続けていたら、脳が糖分を欲しがるな)

 俺はアイテムブレスレットからホットケーキを出し、ハチミツをかけて食べる。

(朝食後に食べるホットケーキもまた美味い)

 それにしても、本当にどうしようかね。糖分を補給した頭でも移動手段が思いつかん。

「・・・そうだ」

 魔法が駄目なら、魔道具に頼るのはいいんじゃないか。

 現に俺は今、アテムブレスレットを使い、色々なものを出し入れしているからな。

(だが魔道具に頼るとしても、どんな魔道具ならいけそうなんだ?そもそも、魔道具のアイデアが思いついたところで作る時間はあるのか?)

 俺がアイテムブレスレットから色々物を出して整理しながら考えていると、ある魔道具が目に入る。

「この魔道具は確か・・・、」

 いや、宝珠、と言うべきか。確かこれは・・・!?

(そうだ!これを使えば青の国に飛べるはず!)

 使った試しはないが、そうラピスから説明を受けたから、と記憶している。

(ということは、確か他の宝珠も・・・あった!)

 緑、黄、白の宝珠はあった。

(これらにどんな【付与】がされているか確認だ)

 確認した結果、青の宝珠と同じ【付与】が施されている、ということが分かった。

(まさかこれらの宝珠は、同じ人が作ったのではなかろうか?)

 そう考えると納得がいく。この宝珠を見て全く同じものを作ろうと思うと無理だと思う。この宝珠に施されている【付与】は、単なる【転移】じゃない。かなり複雑な【転移】が【付与】されているようだが、今は解明に割く時間はなさそうなので、研究は後でするとしよう。

(今は魔の国にいるから魔の国の宝珠はまだいいとして、問題は赤の国だ)

 赤の国に行くのに必要な宝珠がない。これでは赤の国に行くことが出来ないじゃないか!?

(ならいっそのこと、赤の国だけ放置でいいんじゃないか?)

 嫌駄目だ。それじゃあ赤の国に住んでいる人達を見捨てる事になってしまう。

(とはいえ、どうすればいい?)

 う~ん・・・。

(ん?)

 そういえば、これらの宝珠の他に、牛人族からも宝珠をもらっていたんだっけ?

(待てよ?)

 この牛宝珠に、赤の国に転移出来るような【付与】をすればいけるんじゃないか?幸い、【付与】の元となる宝珠は複数個あるんだ。それらから規則性を見つけ、赤の国に行けるよう【付与】の内容を調整すれば・・・いける!

(まずはこの3つの宝珠に【付与】されている【転移】を解析だ、そして、解析し、調整した【転移】をこの牛宝珠に【付与】すれば出来るはず!)

 問題は、俺独りで宝珠の解析に魔道具の作製が出来るかどうか、だ。出来れば他の人に任せて次の事を考えたいのだが・・・。

(大人しく作るとするか)

 俺が牛宝珠に手を伸ばした時、

「アルジン、さきほどから何をしているのです?」

「おろっとれぇ!!??」

「・・・どうしてそこまで驚かれたのです?」

「そりゃあいきなり声をかけられたら誰だって驚くだろうが!」

 作業中に後ろから声をかけるのは絶対にやめて欲しい!心臓が弱かったら驚きのあまり心肺停止していたところだったぞ。

「それで、何か私に用事があるのではないでしょうか?」

「どうしてそう思う?」

「勘です」

「まさかの勘!?」

 まぁ、今は勘でもいいか。この魔道具の製作をレンカに頼む・・・、

(本当にいいのか?)

 レンカに手伝わせるということは、間接的に巻き込んでしまうのでは?

 であるなら、魔道具の製作も俺独りでやるべきではないのか?

「いや、なんでもない」

「何平然と嘘をついているのですか?」

 何故か嘘とばれてしまった。俺の嘘はそんなに分かりやすいのか?

「それで、私にお願いしたいことはなんですか?」

「この牛宝珠に【転移】を【付与】してほしいんだ。出来るか?」

「・・・【付与】そのものは私に出来ませんが、出来る限りのことはしましょう。それで、転移先はどこなのですか?」

「赤の国だ」

「了解しました。今の私に出来る範囲で作らせてもらいます」

「頼む」

 正直、レンカに頼んでいいのか分からないが、悩んで何も出来ないよりはましだと考え、お願いすることにした。

「あ、あ、あの!」

「「!!??」」

 え!?だ、誰だ!?というか、どこから声が聞こえてきたんだ!?

「わ、私です」

「え?」

 すると、俺とレンカの目の前から芽が生え、成長し、大きな花が咲き、その中からモミジが出てくる。ずいぶんな登場だ。

「レンカさん、私にも手伝わせてください!お願いします!」

 そう言い、モミジはレンカに対して頭を思いっきり下げる。

「モミジ殿、頭をお上げください」

 レンカは優しくモミジの肩に手を置く。

「モミジ殿の気持ちはよく分かりました。共に頑張りましょう」

「はい!」

 どうやら、レンカの魔道具製作にモミジが協力してくれるらしい。

「それでアルジン、さきほどアルジンが頼まれた魔道具、いつまでに欲しいですか?」

「そうだな・・・、」

 俺は少し考えてから答える。

「出来る事なら早めがいい」

 今どんな事態なのかも把握出来ていないからな。事態を把握するため、移動手段の確保は出来るだけ早い方がいいだろう。

「分かりました。ここで作業しても?」

「ああ」

「それではモミジ殿、作りましょう」

「はい!」

 これで移動手段の件は大丈夫だな。

(魔獣が六か国に向かっているか確かめるための調査方法だな)

次回予告

『6-2-8(第478話) 最悪な戦いに備えて~調査手段~』

 カラトムーアから突如宣告された最悪の戦いの再来。

 その最悪の戦いが本当に起こるかどうか確認する為、異変が本当に起きるかどうか調査する為の手段について考える。


 こんな感じの次回予告となりましたが、どうでしょうか。

 感想、評価、ブックマーク等、よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ