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色を司りし者  作者: 彩 豊
第6色 魔の国 第一章 朱と交わり赤くなった者達同士の戦い
454/546

6-1-5(第453話) 彩人がいない地にて

 一方、

「はぁ、はぁ、はぁ・・・、」

「・・・お、お父様、つよすぎ・・・、」

「私もかなり鍛えたのですが、それでもまだとどきませんか」

 魔の国のある訓練場で、三人の女性が横たわっていて、五体満足である。

「いや、三人ともかなり良かった。一人一人ならそこまで苦労しなかったが、三人の連携がかなり強力だった。おかげで私達もかなりギリギリだったよ。な?」

「えぇ。ヒヤヒヤしましたわ」

 その三人の横には、成人済みの男女が立っていた。だが、かなり疲弊しているのか、時折肩で呼吸をし、流れ出ている汗をぬぐう。

「それにしても、かなり上達したな」

 イブの父親、ゾルゲムはリーフとクリムに手を差しだし、立つように促す。

 リーフとクリムはゾルゲムの手を素直につかみ、自身の体を立たせる。

「ありがとう」

「・・・淑女をいつまでも地面に転がしておくわけにはいかないからな」

「さすが、私の魔王様ね♪」

 イブの母親、ストレガはイブに手を差しだす。

「…ん。ありがと」

 イブはストレガの手を取り、自身の体を起こす。

「強くなったわね、イブ」

「…ん。守りたいものがあるから」

 イブは視線をリーフとクリムの二人に送る。

「・・・そう」

「!?…どうして・・・!?」

 イブは、ストレガが涙を流し始めたことに驚く。



 一方、

「これが今回の試作品か」

「ええ。これを使用すれば、ある程度魔獣の動きを制御することが可能かと」

「そうか。それでこの魔道具一つで、どのくらいの魔獣を制御出来る?」

「一万は確実かと」

「そうか。ではこれを後5つ作れ。そうしたら再度報告するように」

「はっ!」

 玉座に座っている者が、頭を下げている者に指示を送ると、頭を下げている者は即座に頭を上げ、玉座に座っている者の目の前から消える。

「これでようやくだ」

 玉座に座っている者から声が漏れ出る。

 その少し後、玉座に通じる扉の向こう側から、扉を叩く音が聞こえる。

「失礼します」

 入ってきたのは、玉座に座っている者の眷属の一匹、メイキンジャー・ヌルである。

「お前か。それで、魔道具の配置場所は決めたのか?」

「は」

 メイキンジャー・ヌルは懐から6枚の地図を取り出し、玉座に座っている者の前に置く。

「この地図に記載している赤丸箇所が、魔道具の配置場所となります」

 メイキンジャー・ヌルは今も膝を地面につけ、頭を下げ続ける。

「・・・分かった。魔道具については、デベロッパーが試作品を一つ持ってきてくれた」

「・・・結果は、どうだったのかお聞きしても?」

「無論だ。結果は・・・」

 静かな空気が二人の間に訪れる。

「無問題、だ」

「では・・・?」

「メイキンジャー。デベロッパーと協力し、この地図に記載されている個所に魔道具の設置をしろ」

「はっ!」

 玉座に座っている者は、自らの腰を上げる。

「ようやくだ。ようやく、ようやく・・・、」

 魔力が少しずつ漏れ始める。

「この世界を、全てを無に帰すことが出来る」

 その言葉に、

「いよいよですね、我が主よ」

 メイキンジャー・ヌルは嬉しそうに声をあげる。

「ああ。本当に、待ちかねたぞ」

 落ち着きを取り戻す為か、再び玉座に腰を下ろす。

「では、デベロッパーの作業の方を急がせますか?」

「・・・いや、いい。急いで作った結果、不良品になった、なんて事態は絶対に避けたいからな。デベロッパーには、時間はかかっても確実に作るようにと言っておいてくれ」

「かしこまりました。それではすぐに行ってまいります」

 デベロッパーはそう言うと、すぐに玉座の間から去っていく。

「それではメイキンジャー、魔道具が完成次第、パラサイダーと協力して各所に魔道具の設置をしろ」

「はっ!」

 メイキンジャーは玉座に座っている者の前から消える。

「・・・いよいよだ」

 玉座に座っていた者は、自らの足で立ち、歩きながら明後日の方向を見る。

「ようやく、ようやくこの世界を・・・、」

 その視線の先には、目の前にある壁の色すら映っていなかった。

次回予告

『6-1-6(第454話) 神色剣に施されている【付与】』

 【色気】の特訓をの間に休憩している間、彩人は神色剣について考え始める。

 中でも、神色剣に施されている【付与】について考え、みんなに相談する。


 こんな感じの次回予告となりましたが、どうでしょうか。

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