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色を司りし者  作者: 彩 豊
第6色 魔の国 第一章 朱と交わり赤くなった者達同士の戦い
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6-1-3(第451話) 【色気】を発動しながらの魔力制御

 夜。

 夕飯をみんなで召し上がっている時、質問してみた。

「みんな、ちょっといいか?」

「「「「???」」」」

「魔力制御の技術をもっと高めたいんだが、なにかいい方法がないか?」

「「「「・・・」」」」

 まぁ、そんなすぐに案が出るわけ・・・、

「まず、アルジンがどれほどの魔力を制御出来るのか見せていただかないとなんともいえないですね。なのでまずはアルジンの魔力制御の技術を見せていただきたいのですが、よろしいですか?」

「分かった」

 俺は6つの魔力球を出し、それぞれ赤、青、緑、黄、白、黒に変色させる。その後、6つバラバラな動きを見せる。

「この通りだ。これで分かったか?」

 分からないのであれば、もっと色々やらないといけなくなるな。

「・・・なるほど、大体分かりました」

 レンカは何か考えてくれているようだ。俺の事なのに真剣に考えてくれてありがたいな。地球にも俺の事を考えてくれる人がいたら、ボッチじゃなかったのかもしれないな。

「さきほどアルジンが魔力制御に使用していた魔力の塊を大きくするとか、制御する魔力の塊の数を増やすとか、方法はあると思うのですが、そういうことを聞きたいわけではない、ですよね?」

「ああ。もっと別の方法は無いのかと思ってな。みんなに相談したんだ」

「なるほど・・・」

 沈黙の時間が続くな。原因が俺なので現状に文句を言える立場ではないのは分かっているのだが、誰かこの空気をなんとかしてほしい。

「ホットケーキを食べながらやるとかはどう?美味しいし、美味しいし、美味しいし!」

「・・・それ、ただホットケーキが食べたいだけだろう?」

「えへへ、ばれた~?」

 こういう時、ルリはあてにならないな。

「モミジは何かいい案ないか?」

「え?わ、私ですか!?えと、え~っと・・・、」

 モミジって、急に話を振るといつも言葉につまるよな。・・・よく考えてみたら、急に話を振られたら誰だって言葉につまるよな。何故俺は当たり前のことを言っているのだろうか。

「なにかしながら魔力制御の特訓をする、というのはどうでしょうか?」

「いいかもしれないが、一体何をしながら魔力制御の練習をすればいいんだ?」

「う~ん・・・クロミルさんは何かいい案とかありますか?」

「私ですか?そうですね・・・」

 ・・・どうでもいいが、美少女が考えている姿、絵になるな~。

「ご主人様なら、【色気】を発動しながら魔力制御の特訓をする、とか出来ないでしょうか?」

「【色気】を発動しながら、だと?」

 その考えはなかったな。

 というか、今までの戦いも【色気】を使いながら他の魔法も使っていたな。

(【色気】と魔力制御を併用する、か)

 クロミルの案、いいな。

「どう思う?」

 俺はみんなに聞いてみる。

「いいんじゃない?」

「素敵だと思います。アヤトさん、頑張ってください」

「流石はご主人様です」

「無理のないようにしてくださいね?」

「みんな、ありがとな。さっそくしてみる」

 俺は試しに【赤色気】を発動する。そしてまず、赤い魔力球を生成し、いつも行っている魔力制御の特訓を行う。

(!?)

 俺は即座に魔力球を消す。

「?おにい、ちゃん?」

「どうかしたのですか?」

「ご主人様?もしかして何か不都合があったのですか?」

「まさかアルジン・・・!?」

 どうやらレンカは、俺が魔力制御に失敗したと思っているらしい。

(あながち間違いじゃねぇよなぁ)

 俺は、魔力制御に失敗する前に特訓を中止した。だから失敗したわけではない。

 が、あのまま続けていたら確実に失敗し、流血騒ぎになっていただろう。

(かなり難しかったな)

 例えるならそうだな・・・。今の俺は、右手と左手で別々の動きは出来るが、そこに右足左足の小指、人差し指、中指、薬指、親指も別々の動きを加える、みたいな感じだ。

(より精密な魔力制御の技術が必要だな)

 戦っている時は、相手に発動する魔法は大体全力だったから、微調整をした記憶がないな。

 きっと今まで、【色気】を発動しながら緻密な魔力制御をする、なんて作業はしてこなかったのだろう。

(無理もないか)

 今まで俺は、命をかけた戦いを何度もしてきた。そんな戦いの中、特訓をする奇特な人はいないだろう。命知らずもいいところだ。

「いや、大丈夫だ。そしてこれは、いい特訓方法だ」

「あ、お兄ちゃん、笑っているー♪」

「アヤトさん、なんだか嬉しそうです」

「ご主人様の笑顔が見られて、私は嬉しいです」

「アルジンが無事でよかった~」

 俺が笑っている、か。

 もしかしたら、まだ俺は強くなれる、これで大切な人達を守ることが出来ると分かったからかもしれないな。

(少なくとも、目の前にいる大切な人は守れるくらい、強くならないとな)

 もっと魔力制御の質を上げて、【色気】に意識を集中させなくても出来るくらいにしないとな。

(頑張るぞ!)

「みんなのおかげで、こうして俺はもっと強くなれる。それが嬉しいんだよ」

「・・・もしかしてアルジン、強くなることに快感を覚える一種の変態・・・?」

「違うから!?」

 その不名誉は絶対にもらいたくない!

「お兄ちゃんが笑っていて、ルリも嬉しい!」

「ルリ・・・」

 そう言い、ルリは俺に抱きついてくる。

「アヤトさん、私ももっと強くなって、アヤトさんを、みなさんを守ります」

「モミジ・・・」

 モミジから、強くて重い覚悟を聞く。

「ご主人様の従者として恥ずかしくないよう、私ももっと強くなります」

「クロミル・・・」

 クロミルからも、モミジと同じくらい強くて重い覚悟を聞く。

「アルジン、くれぐれもお体にお気をつけてくださいね?」

「レンカ・・・」

 レンカから、必要以上に心配された。

(こうやって面と向かって話すの、いいな)

 改めて対面しながら会話の大切さを知りながら、俺は自身の成長に期待しながら、魔力制御の特訓を行う事にした。

次回予告

『6-1-4(第452話) 新たな2つの試み』

 彩人は新たな魔力制御の特訓を試み始める。それと同時に別の試みも始める。


 こんな感じの次回予告となりましたが、どうでしょうか。

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