6-1-1(第449話) クリム、イブ、リーフの旅と特訓
とある道中。
「イブ、そろそろ着きますか?」
「・・・ん。間違いない」
「本当ですか~?」
ある女性達はとある森の中を歩いていた。
「・・・」
そして、時に襲い掛かってくる魔獣を、リーフ達が一閃し、すぐに血抜きをする。
「これで今夜分のご飯は確保出来ましたね」
「・・・まぁ、もう着くけど」
イブはある方向を指す。
その方向にはわずかだが、町の様な光景が見える。
「おぉ!?」
クリムは僅かに見える光景に興奮する。
「私、いっちば~ん♪」
そして、町に向かって駆け出し始める。
「あ!?ちょっとクリム!!??」
「…行っちゃった」
「・・・仕方がない。私達も行きますか」
「…ん。あの速さじゃあ、【色気】を使わないと間に合わなさそう」
「ですね。それじゃあ行きますよ、イブ?」
「…ん」
リーフとイブは、ある魔法を発動させようと準備し、発動させる。
「【緑色気】」
「【黒色気】」
リーフの目は緑色に、イブの目は黒に変色する。そして二人は【緑色気】、【黒色気】を使ってクリムを追いかける。
「まったく。一人で勝手に進み過ぎですよ」
「…感情で動かないで」
「う。ご、ごめんなさい・・・」
クリムはリーフ、イブに謝罪する。
「で、ですが!ほら、もう到着ですよ!」
クリムは町を指差す。そこには綺麗な町が拡がっていた。
「それではまずは・・・、」
「…私のお父様のところ、行く」
「行って、どうするのです?」
イブは町からリーフ、クリムに視線を向ける。
「・・・お父様、お母様に話をする」
少し時間が経過。
「・・・なるほど」
イブは自身の父と会い、自身を、リーフ達を鍛えて欲しいとお願いする。
「ついに【色気】に手をだしてしまったか」
イブの父、ゾルゲム=デビルは少しため息をつく。
「出来ればその魔法には手を出して欲しくなかったのだがな」
「?・・・どうして?」
ゾルゲムの言葉にイブは疑問を抱く。
「あの魔法は禁術に指定されているほど危険な魔法である事は承知しているだろう?自身の娘がいつ死ぬかもしれない魔法を使っていると思うと、親は気が気でならないのだよ」
「・・・それでも私は、【色気】を使う」
「・・・そうか」
ゾルゲムはイブの目を見て、イブの覚悟を視る。
「・・・そちらの二人も、イブと同じかね?」
ゾルゲムはクリム、リーフの二人に話を振る。
「ええ」
「私もイブ、クリムと同じです。例え死ぬかもしれない魔法を使ってでも、守りたい人がいますから」
クリム、リーフはゾルゲムを真っすぐ視る。
「・・・分かった。稽古をつけよう」
「「!!??よろしくお願いします!!」」
クリムとリーフはゾルゲムに頭を下げる。
「・・・ありがとう」
イブもクリム、リーフに続いて頭を下げる。
「・・・とはいえ、私もなかなか公務でそこまでまとまった時間がとれないからな・・・、」
「…なら、私も手伝う。それならどう?」
「それは助かるな。是非、そうしてくれ。その間は・・・、」
「私が見ますわ」
「「「!!!???」」」
4人の会話に割り込んできたのは、ゾルゲムの妻、ストレガ=デビルである。
「私も【黒色気】を使えますので、少しはあなた方の力になれると思いますわ。どうでしょう?」
「確かにお前なら・・・よし」
ゾルゲムは少し考えた後、ストレガに任せる事にした。
「私が公務をしている間、あの二人のことは君に任せるよ」
「ええ、任されたわ」
ストレガはゾルゲムに軽く一礼し、二人に顔を向ける。
「それじゃあ二人とも、行くわよ?」
「「はい」」
クリムとイブは、ストレガの後をついていく。
ついて行った先は、広めの闘技場のような場所だった。
「それではまず、あなた達の【色気】を見せてもらえるかしら?」
「「はい」」
クリムは【赤色気】を、リーフは【緑色気】を発動させる。
「・・・なるほど」
ストレガは二人の【色気】を視る。
「【黒色気】」
ストレガの目が黒くなり、【黒色気】が発動する。
「さぁ、まずは二人いっぺんにかかってきなさい」
「・・・いいのですか?」
「そうですよ。私達、結構強いですよ?」
「構いませんわ」
リーフとクリムの言葉を聞いても、意志は変えなかった。
「さて、まずは【色気】の力というものを体験させてさしあげますわ」
こうして、リーフとクリムの特訓が始まる。
彩人のいないところで、彩人を守れるように。
次回予告
『6-1-2(第450話) 新たな魔力制御の特訓』
白の国を出た彩人は、これまでの戦いで消費した魔力池を生産していく。その後、より強くなるため、魔力制御の特訓について考える。
こんな感じの次回予告となりましたが、どうでしょうか。
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