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色を司りし者  作者: 彩 豊
第ニ章 鉛白な国の中にある魔道具と漆黒の意志
441/546

5-2-53(第440話) 宴会後の三人

「・・・みなさん、寝たようですね」

「…ん。後は見張りをしている私達だけ」

「みたい、ですね」

 ゴーストタウンの出入り口に、ある三人の少女が見張っている。あるかもしれない襲撃に備えているのである。

「それで二人とも、覚悟は出来たのですか?」

「・・・ん」

「ええ。寂しいですが、これも将来の為ですからね」

「はい」

 三人は周囲を見渡し、警戒を怠らない。

「クリム、【気配感知】に何か反応はありますか?」

「少し待ってください」

 クリムは【気配感知】を使用する。

「・・・どうやら、周囲には寝ている人達だけ、のようです」

「なら話せますね」

「…ん」

「明日、みなさんに告げて、数日後にこの白の国を発ちましょう」

「そうですね」

「…ん」

 リーフ、クリム、イブはある計画を立てていた。

「本当に、私達三人だけで魔の国に向かうのですね」

 その計画とは、リーフ、クリム、イブの三人だけで魔の国に向かうことである。

「それにしてもアヤト、本当に魔の国に向かうのでしょうか?アヤトが次に向かう場所について聞いていないのですが・・・、」

「…もしかしたら、このまま白の国に永住する可能性もある」

「それは大丈夫ですよ!リーフが何とかしてくれるから!」

 クリムはリーフに笑顔を向ける。

「そこは私頼み、ですのね・・・、」

「ええ!リーフがなんとかして、魔の国に行かせるよう仕向けて下さいね!」

「・・・あなた、本当に王族なの?」

「ええ!まぁ、勉強や公務が嫌で、日夜体を鍛えていましたが」

「はぁ・・・、」

 リーフは深めのため息をつく。

「なら、イブがアヤトと話をすればいいのではないですか?」

「…私、勉強や公務ばかりで家族以外の人と話なんてほとんどしたことない」

「そう言うわりには、結構他の人と話せていますよね?その辺はどうなのです?」

「…そんなことはない。いつも不愛想。自覚はしているし、直そうとも思っている」

「結局、私が話を切り出すしかないのね・・・気が重いわ」

「大丈夫です!いざという時は、私が力になりますから」

「…クリムに同意」

「頼りにしますからね?・・・ちなみにですが、私達だけ先行して魔の国に行く目的は忘れていませんよね?」

 リーフは確認の為、クリムとイブに質問する。

「…ん。もちろん」

「今回ばかりは私も覚えていますよ。【色気】の完全習得と戦闘能力向上、ですよね?」

「・・・クリムの場合、勉強もしていかないとなりませんね」

「えぇー?」

「・・・お父様ならきっと、戦闘経験が豊富なだけでなく、知識も豊富。だからきっと、教えてもらえる」

「はい。そのことを見越してお願いするつもりです。今の私達では、ルリちゃんやクロミルちゃん。そしてアヤトにも勝てませんから」

「「・・・」」

 魔の国に向かう理由は、魔の国にいるイブの父親に、【色気】の使い方を教わるためだった。

「それにしても、まさかイブのお父様が【色気】を使えるなんて。前に会った時、【色気】の話なんて一度も出なかったのに」

「…元々、私達に【色気】の存在を教える気はなかった、と言っていた。理由はおそらく・・・、」

「【色気】発動に失敗した時の危険、ですね?」

「…ん」

「確かに【色気】は強力な魔法ですが、魔力制御に失敗したら死にますからね」

「出血程度で済んだのは、運がよかったです」

「…でも、クロミルやルリに勝てなかった」

「「・・・」」

 イブの一言で、クリムとリーフの口が重くなる。

「きっとこのままじゃあ、アヤト達に頼り続けて、私は弱いままです」

「それを言うなら私もです」

「…弱いままで、大切な人を守れないのは嫌だ」

 三人は先日の出来事を思い出す。

 ルリとクロミルが暴走している中、彩人達を助けに行ったにも関わらず、自分達だけでは敵わなかった事実。

(((もしあの時、ジャルベ達が来てくれなかったら、私達はきっと・・・、)))

 少し考えただけで、イブ、リーフ、クリムの顔が険しくなる。

「だからと言って、私一人じゃあ、きっと限界が来ます」

「私もそう思います」

「…ん」

「だから三人で、強くなりましょう!アヤトの仲間だと胸を張って言えるように!」

「はい!」

「…ん!」

 こうして、三人の計画は現実となる。

次回予告

『5-2-54(第441話) 三人だけの旅立ち』

 リーフ、クリム、イブの三人は、次はどの国に向かうのか質問し、その後に自分達の気持ちを伝える。

 気持ちを伝達し終えた後、リーフ達は旅立ちの準備を始める。


 こんな感じの次回予告となりましたが、どうでしょうか。

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