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色を司りし者  作者: 彩 豊
第二章 赤青交わる戦争
44/530

1-2-18(第44話) 赤の国と青の国の戦争 ~東編その3~

また、あいつらが登場します。

くそっ。あいつは一体何なんだ。誰か答えくれないかな。

 彩人は少しふざけながらも、黒い一つ目巨人(サイクロプス)のことについて考えていた。


「あいつの力強すぎだろ!?さっきの俺の魔力障壁だって、全力で張ったんだぞ!?」


 彩人がさっき破られた魔力障壁もかなり強力なものだ。おそらく、アメリカが作ったミサイルだって防げてしまうほどの耐久力だ。だが、黒い一つ目巨人(サイクロプス)の拳はそれ以上だったのだ。


「おいヒュドラ。あの化け物はなんだ?いいから答えろ」

「えへへ~お兄ちゃんだ~」


 こいつ、今は使えないな。


「白竜皇。もしかして、さっき言っていた強大な何かの正体は…」

(はい。あの黒い一つ目巨人(サイクロプス)です)


 だよな。さっきもあのヒュドラを吹っ飛ばしていたし。あいつは一体…?

 いやいや。今はそんなことを考えている場合じゃない!あいつを倒す方法を!

 

「ぐおおおおおぉぉぉぉ!!!」


 黒い一つ目巨人(サイクロプス)は雄叫びを挙げた。だが、その雄叫びだけで今まで出会ってきたやつらとは段違いの強さを感じた。

「くそったれが!!」


 おもわず、魔力障壁で防いでしまうほどだ。それでも防ぎきれず、雄叫びを聞いて、つい体が震えてしまう。それは、


「なんでお前らも体が震えているんだよ?それでも立派な竜か?」

(あれは無理です。私では逆立ちしても勝てません)

「お兄ちゃん。私一人だったらどんな手使っても勝てないよ…」


 こいつらでも震えていたのだ。

 どうする!?本当に勝ち目がないぞ!?勝つ方法もない!万事休すか…。

 そんなことを考えていたら、また黒い一つ目巨人(サイクロプス)は拳を振り上げる。

 くそ!またあの攻撃が来るのかよ!


(アヤト殿!)

「お兄ちゃん!」


 どうする!?いや、どっちにしても、これしかないか。


「全員、全力であの攻撃を防ぐぞ!」

「(はい!!)」


 俺達は全力で魔力障壁を張る。今回は三人で張っているためか、いつもよりずっと厚い。そして何より、吹っ飛ばされたため、何十メートルも離れている。これなら防げるはずだ。防げるはずなのに…。


「なんか、嫌な予感がするんだけど…」

(私もです)

「お兄ちゃん…」


 そんな会話をしているうちに、黒い一つ目巨人(サイクロプス)は拳を振り下ろす、周りの地形はえぐられ、竜巻を思わせるような強風に砕けた岩が舞い、より殺傷力を高めていた。そんな現象を間近で見て、


「ねぇ、こんな技、見たことないんだけど。あいつがやったの?」

(いえ。あの黒い一つ目巨人(サイクロプス)から魔力を感じられませんでした。なので、ただ殴っただけでしょう)

「ただ殴っただけで、竜巻とか起こせるの?」

(普通は無理でしょう)

「だよな」


 あいつ、ほんと何者だよ。どれだけ力に特化しているんだ?

 俺がそんな考察をしている間にも、俺達が張った魔力障壁に強風と石の礫がものすごく当たっている。

 ピキリ。

 俺はその音に冷や汗が出る。その音がした方を見ると、魔力障壁にひびが入っていた。そのひびの隙間に入り込むように強風が俺達に当たる。


「無茶苦茶すぎるだろ!!」


 ずずっ。ずずっ。

 少しずつではあるが俺達が押されている。十数メートル押されたところで竜巻のような強風は少しずつ弱まり、宙を舞っていた石の礫もいつのまにかなくなっていた。

 だが、俺達はもう五体満足だ。全身に小さな痣や切り傷が無数にでき、魔力もほとんどのこっていなかった。


「はぁ、はぁ。…どうする?何かいい案でも思いついたか?」

(あんな出鱈目な攻撃。対処のしようがありません)

「もういっそ、どこか別の国に送っちゃおうよ?」

「それができれば苦労しないっすよ~」

「そうだな…。あれ?なんでお前がいるんだ、黒竜帝」


 いつの間に来ていたんだ?


「いや~。なんかやばそうだったので、応援に駆け付けたんですよ。あ、ちなみに残っていた奴らは全員殺したので大丈夫っすよ~」

「そ、そうか。なんか悪いな」

「そんなことよりあれ、どうするんすか~?」


 そう言って、黒竜帝は黒い一つ目巨人(サイクロプス)を指さす。

 そうだよな。本当にどうしようか?いっそのこと別の国にでも送ってやろうか。

 ん?送る?まてよ。もしかしたら、あの魔法をうまく使えばいけるんじゃ…?でも、うまくいく保障はないし、こんな使い方は正直考えていなかった。じゃあ、このまま放置するというのか?あの黒い一つ目巨人(かいぶつ)を?それこそありえない!

 だったら、やるしかない!


「なぁ、ヒュドラ、白竜皇、黒竜帝。次の攻撃をなんとか防いでくれないか?」

(アヤト殿?もしかして、あやつを倒せるのですか!?)

「さっすが兄貴っすね~まじぱねぇっす!」

「お兄ちゃん、倒せるの?」


三匹が思い思いの発言をする。俺は、


「わからん」


 それしか言えなかった。

 だが、三匹は気づいた。彩人の顔が、勝利を確信するかのように、笑みをこぼしていたことを。それに気づき、彩人が先ほど聞いてきた質問を返す。


「「(まかせて(っす)(ください)!!!)」」


全身ボロボロで、魔力が切れかけているとは思えないほど、言葉に力があり、そして笑顔で返事をした。

いよいよ彩人達が反撃に移ります。

次で終わらせたらと思っています。

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