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色を司りし者  作者: 彩 豊
第ニ章 鉛白な国の中にある魔道具と漆黒の意志
422/546

5-2-34(第421話) ブラグ教皇との戦い~VSクロミル&ルリその5~

「あれが本当に、ルリの姉御なのですか・・・!?」

 ジャルベは改めて魔獣化したルリを見る。その顔には、驚くの感情しか露呈していない。

「ええ。前にも見ましたが、前よりかなり小さいですよね?」

「…ん。だけど、魔力量や強さは桁違い。一人で相手なんて出来ない」

 ジャルベの独り言に、クリムとイブは返答する。

「クリムの姉御とイブの姉御は見ていてください。今は、この俺達がなんとかします」

「無茶よ!どんな人も、今のルリちゃん相手に善戦なんて出来るわけないわ!」

 ジャルベの言葉に、クリムは反論するが、イブはジャルベの言葉に違和感があった。

「…俺達ってどういうこと?今あなたは一人でしょう?」

「・・・本当は、俺だけ来るつもりだったんだ。だけど、みんな、大親分を助けたいと自ら名乗り出てくれたんだ」

 その時、イブ達の後方から何かの音が発せられる。その音は次第に近くなり始める。

「ぐおおおぉぉぉ!!」

 ルリは、後方に向けて氷のブレスを放つ。氷のブレスが地面に直撃する直前、何かが地面から上空に飛び出す。

「みんな、今よ!」

 瞬間、何者かがルリに向けて飛び出していく。

「「「ルリの姉御!!!」」」

 そして、ルリに攻撃を加え、後退させた。

「俺、ルリの姉御のために、頑張る!」

「クリムの姉御、大丈夫ですか!?」

 ルリに攻撃を加えたのは、ドーカリ―、ゴダムをはじめとした、様々なキメルム達だった。

「あなた達、どうして・・・!?」

「私がみんなを連れてきたのよ」

 そう言ってきたのは、馬車の形をしたスララカだった。スララカは、自身を馬車から人型へと変形させる。

「流石に、親分やヴァーナちゃんより遅くなったけど、多くの家族を連れてきたわ」

「いくわよ、みんな!まずは私で、ルリの姉御の足を緑魔法で拘束するわよ!」

「「「はい!!!」」」

 さらに、ピクナミの指示のもと、複数のキメルム達が緑魔法を発動させて、ルリの足に植物を絡ませていく。

「何かあったか分からないけど、ルリの姉御が大変で、助けるんでしょう?」

 ピクナミはイブ、クリムに問いかける。

「私達がなんとかルリの姉御を止めておくから、早くなんとかして!あまり長くもたないわ!!」

 ピクナミは二人にそう言った後、すぐに他のキメルム達に指示を送り始める。

「ドーカリ―!とにかくあなたは動き回って、ルリの姉御をかく乱して!ゴダムはその隙に腕で思いっきり殴り続けて、少しでもルリの姉御の体力を削って!」

「分かった!」

「やってやる!」

 ドーカリ―は、自前の翼を広げ、ルリの周囲を動き始める。ゴダムは、ルリの足に向けて、大きな腕を使って殴り続ける。

「俺もいく!だから、後は任せるぞ!」

 ジャルベは、他のキメルム達に遅れないよう、ルリの元へ向かい、攻撃を動きながら攻撃していく。

「みんな、行ってしまいましたね」

「…ん。まさかみんな来てくれるとは思わなかった。予想外」

 クリムとイブの二人は、お互いの顔を見合わせながら立ち上がる。

「ここで期待に答えなくちゃ、漢がすたるってものですよ!」

「…一応言っておくけど、私達は女。決して、男じゃない」

「あら~?そんな胸でよく言えたものですね~♪」

「…人のこと、言える?」

「・・・言えませんでしたね。この言い争いは無駄そうなので辞めません?」

「…ん。それより、さっきの魔法、もう一度出来る?」

「さっきの?・・・ええ、出来ますよ」

「…ならこっちも、全力の一撃をくらわすのみ」

 クリム、イブはそれぞれ魔力を集中させ、目に赤、黒を集約させる。

「【赤色気】」

「【黒色気】」

 そして、それぞれの【色気】を発動させる。

 クリムは拳を握りしめ、赤く染めていく。

 イブは杖を握りしめ、黒く染めていく。

「一人が駄目なら・・・、」

「…二人で。一斉に行く!」

「ええ!」

 二人同時に、同じ速度でルリに急接近する。

「【炎拳・轟々】!」

「・・・!!」

 クリムとイブの攻撃が、ルリに直撃する。

「!?」

 ルリは吹っ飛ぶも、気絶はしなかったらしく、

「ぐおおおぉぉぉ!!」

 大きく叫んでいる。

「・・・あれ、効いているように見えます?」

「…効いているとは思う。けど、最低十発以上打つ必要がありそう。余力、ある?」

「あると思います?さっきの、全力だったんですよ?」

「…私もそんな余力はない」

 二人は再度、拳や杖に魔力を溜めようとする。が、魔力がないのか、魔力がほとんど集まらない。

「魔力池、余っている?」

「…ない。けど、【黒色気】ならなんとか」

 イブは【黒色気】を再度発動させる。

「奇遇ですね。私もほとんど魔力は残っていないのですが、【赤色気】なら出来ます、よ!」

 クリムもイブ同様、【赤色気】を発動させる。

「これでなんとかするしかない」

「…同意」

 クリムは【赤色気】、イブは【黒色気】でそれぞれ攻撃を再開する。だが、ルリにはあまり効いていないようで、イブ達に攻撃を仕掛け続ける。

「氷のブレス、来るわよ!みんな避けて」

「俺達は今の内に接近するぞ!」

「おう!」

「おおおぉぉぉ!」

 ルリが広範囲で攻撃して来るも、イブ達はその攻撃を躱す。

 イブ達がルリに攻撃を仕掛けるも、ルリを気絶するに至らない。

 互いに拮抗しているような状況に思えたのだが、

「みんな、大丈夫か!?」

 彩人の登場と、

「みんな大丈夫!?加勢に来たわよ!」

「親分達、大丈夫ですか!?」

「状況はどうなっているの!?」

 リーフ達の登場により、状況は大きく変化する。

次回予告

『5-2-35(第422話) ブラグ教皇との戦い~VSクロミル&ルリその6~』

 ブラ部教皇を倒したにも関わらず、未だ元の状態に戻らないルリ。その状況を見た彩人は、イブ、クリム、リーフ、モミジ、レンカ、そして、助っ人としてきたキメルムのみんなと協力して、ルリを正気に戻そうと動き始める。


 こんな感じの次回予告となりましたが、どうでしょうか。

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