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色を司りし者  作者: 彩 豊
第ニ章 鉛白な国の中にある魔道具と漆黒の意志
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5-2-29(第416話) ブラグ教皇との戦い~VSクロミル&ルリその1~

 とある場所では、

「ち!」

 彩人がクロミル、ルリと戦っていた。

(【四色気・赤青黄緑】を使っているのに、俺が押されるのかよ!?)

 俺はかなり追い込まれていた。

 というのも、【四色気・赤青黄緑】を使用しているのにも関わらず、クロミルとルリの連携を崩すことが出来ず、劣勢だからである。

(俺の魔法全て受け流すかはじき返すか避けるかしてくるんだもんな)

 手の内を知っているって、こんな脅威なんだな。でも、それは俺も同じはずなんだよな。俺だって、ルリやクロミルの手の内を知っているから、その裏をかいて攻撃しているつもり、なんだが・・・何故か効かない。

(どうにかしてクロミルの不意をつきたいのに、絶妙なところでルリが邪魔して来るんだよな~)

 本当、この連携はどのようにして会得したというのやら。羨ましい限りだ。

(少し距離をおいてから、無味無臭無色の【毒霧】を使うか。毒は・・・一度吸えば半日動けなくなるような麻痺毒だな)

 【毒霧】を発生させるも、ルリがブレスにより、【毒霧】を霧散させてしまい、不発に終わらせてしまう。

(なら、炎の槍、【炎槍】。氷の槍、【氷槍】。雷の槍、【雷槍】で攻撃だ!)

 引き続き遠距離攻撃を仕掛けるも、

「・・・」

「ぐおおおぉぉぉ!!」

 クロミルは拳で、ルリはブレスで俺の魔法を無効化してくる。

(この隙に接近戦で、クロミルに腹パンだ!)

 俺はクロミルを気絶させようと、クロミルに接近して拳を構える。

(今だ!)

 俺はクロミルの腹に向けて、思いっきり拳をねじこもうとする。これで気絶してくれると嬉しいのだが・・・。

(ん?)

 拳に当たっているこの感覚、お腹じゃないな。確かに俺はクロミルのお腹めがけてパンチしたはず。

(な!?)

 俺の拳が、防がれている、だと!?俺、完全にクロミルの不意をついたと思ったのに!?どれだけ反射神経がいいんだよ!

「【牛蜂弾(カウビーショット)】」

「!!??」

 あ、危なかった。

 一瞬で俺の全身に嫌な予感がしたので、急いで今の位置から動こうとしたところ、肩に猛烈な痛みが走る。この位置、さっきまで俺の心臓があった場所だ。つまりクロミルは、俺の心臓を狙い撃ちしていた、ということになる。

(にしてもこの感覚、俺の体を貫通しているな)

 銃で撃たれたような感覚だ。だが、クロミルの手に銃はない。前にクロミルの【牛蜂突き】を見たが、それに似ているような気がする。突きに似た構えをしているな。

(少なくとも、二度とくらいたくねぇ魔法だ)

 クロミルの行動をよりつぶさに観察する必要があるな。そのためにも、回避に神経を割き、クロミルやルリの攻撃パターンを分析するか。

(・・・いや、駄目だ)

 そんな悠長に事を構えている場合ではない。一刻も早く、クロミルとルリを助けなくては!!

(出来るだけ、クロミルとルリに有効な魔法を使わないとな)

 だが、ルリとクロミルに有効な魔法ってなんだ?【色気】は通用しないし、俺の十八番である【毒霧】が効かないとなると・・・どうしよう?

「【牛圧(カウプレッシャー)】。【象牛衝撃(エレファントカウインパクト)】」

「!?」

 俺が考え事をしている隙に、急に動けなくなった。この技、【空縛】に似ているな。だが。鎖で縛られているような感覚はない。一体どういう原理だ?

(て、考え事をしている場合じゃ・・・!?)

 瞬間、クロミルの拳が俺の腹に直撃する。

「!!!???」

 だが、クロミルの攻撃に痛み苦しんでいる暇は与えてくれなかった。俺がクロミルの攻撃をくらった後、ルリの魔法によって、氷漬けにされてしまったのである。

(さ、寒い・・・)

 すぐになんとかしないと。俺は赤魔法で火を起こし、氷を溶かし始める。

(それにしてもでかい氷だな。溶けづらいな)

 ルリが作った氷だからか、とんでもない強度だ。これなら冷凍庫に入れなくても永遠に融解しないのでは?と、錯覚してしまいそうだ。

(これじゃあ駄目だ)

 このままクロミルとルリの攻撃を受け続けたら、俺の身が持たない。

助ける方法を考えようにも、クロミルとルリの攻撃が思考を許さない。

今の俺には、有効打がない。

(これ、詰んでいないか?)

 時間も、手段もない。

(・・・いや、まだある)

 そうだ。俺にはまだ・・・、

「【悪魔牛斬(デーモンカウスラッシュ)】」

「!!!???しま・・・!?」

 どうやら俺はまた、同じミスをしてしまったらしい。考え事をしている間に、クロミルが俺に攻撃してくれたらしい。本当、クロミルって容赦ないな。それに俺も、学習しないな。

(でも、俺にはまだ、出来る事があると分かった)

 さて、これから反撃といこうか。

 ルリとクロミルを助けるために。


(まずは・・・あった!)

 俺はアイテムブレスレットから、あるスイッチを取り出す。このスイッチは、沼を出現させるスイッチである。

(頼むから、引っかかってくれよ!)

 俺は藁にもすがるような思いで、クロミルに向けてスイッチを押す。

 すると、クロミルが沼に浸かった。

(かかった!)

 それでも、かなり浅そうだ。すぐにでも抜け出してしまいそうだな。

(十分だ!)

 後は、この魔法を成功させて、一撃くらわせるだけ。

(成功、するのか?)

 なんだか少し心配になってきた。

 けど、やるんだ!

 大切な妹と、従者を助けるために!

(前に【六色装】を発動させた要領を思い出しつつ、【色気】に応用するんだ!)

 イメージを確実にしないと、失敗した場合のリスクがでかすぎるからな。下手したら死体が残らないような死に方をするかもしれない。

(もう、誰も辛い目に合わせない!)

 この魔法をイメージしている傍ら、みんなの笑顔が脳をよぎる。その中には、クリム、イブ、リーフ、モミジ、レンカだけでなく、クロミルとルリも当然含まれていた。

(これは、そのための魔法だ!)

 俺の意志はより強固になった。

 元々独りだった俺に出来た替えのない妹と従者なんだ!

 絶対、絶対に、

「【六色気】」

 助けるぞ!

次回予告

『5-2-30(第417話) ブラグ教皇との戦い~VSクロミル&ルリその2~』

 彩人はクロミルとルリに、徐々に追い詰められていく。そして、彩人が死を覚悟した後、裏で行動を起こしていた者達が合流する。


 こんな感じの次回予告となりましたが、どうでしょうか。

 感想、評価、ブックマーク等、よろしくお願いいたします。

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