表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
色を司りし者  作者: 彩 豊
第ニ章 鉛白な国の中にある魔道具と漆黒の意志
411/546

5-2-23(第410話) 作戦に向けての移動開始

 時間は過ぎ、周囲に明るい色がほとんどない。あるとすれば、夜空に浮かぶ星々くらいだ。

「それじゃあ最後にもう一度だけ、作戦の確認を行う」

「「「はい」」」

「まず、教皇の家付近に潜伏し、俺が【毒霧】で教皇を眠らす。眠らせたことを確認後、クロミルが魔道具を破壊する。レンカはクロミルの支援。これで問題ないか?」

「「「はい」」」

 場所については、クロミルとレンカ共に知っているので、改めて言葉にする必要はないだろう。

「モミジはルリの面倒を頼む。大丈夫。一晩で全て終わらせるから」

 ルリには、あんな非道徳的な場面を見せたくないからな。俺みたいなゴミ人間にならず、真っ当な人間?魔獣として育ってほしい。

(俺みたいなゴミ人間、か・・・)

 自分で思っておいて自分で凹みたくなるな。

「ルリさんの事は私にお任せください。私が守ってみせます」

「悪いな。子守を押し付けるみたいで」

 モミジもルリ同様、血みどろなことをさせたくない。だからこそ、ルリの子守をお願いしたのだ。ルリの実力なら、モミジが子守みたいな真似事をする必要なんてないのだが、ルリの精神年齢的に、保護者が必要だと思ったので、モミジに付き添ってもらうことにした。本当はモミジにもこの町、シロネリでゆっくりしてほしいのだが、何かあったときのための保険だ。何かあったら嫌だからな。警戒するのとしないのとではまったく危機管理意識が違う事だろう。

「いえ。ルリさんのことは私に任せて、アヤトさん達は気にせず頑張ってください」

「でも大丈夫か?一晩中じゃないにしろ、夜、起き続ける事が出来るか?」

 モミジ、普段は夜寝ているからな。まるで規則正しい子供のようだ。生活リズムが完全に朝型なモミジにとって、一晩中起き続けることが可能なのか?俺なら無理だな。

「大丈夫です。私、頑張ります!」

「・・・頼む」

 本当に大丈夫なのか?モミジの発言に俺は心配してしまうが、モミジのやる気を見て、俺の言葉で水を差すのは悪いだろうと思い、言わないでおいた、

「それじゃあクロミル、レンカ、準備はいいか?」

「「はい!」」

 行く準備を済ませた俺達は、ルリとモミジを残し、後にする。

「それではモミジ様、行ってまいります」

「はい。どうか元気な状態で戻ってきてくださいね」

 クロミルとモミジが手をつなぐ。

「ルリ様も。少々離れてしまいますが、必ず戻ってきます」

 クロミルは、もう寝ているルリの頭を優しく撫でる。

「モミジ殿、アルジンは危なっかしいですが、私がいますのでどうか安心してください」

「はい」

 おいレンカ、俺を一体何だと思っているんだ?後で詳しく聞いてやろうじゃないか。

 それとモミジ、そんな一切の迷いなく返事をされると、俺が普段からみんなを心配させているみたいで複雑なのだが?

「ルリ殿も、安心して眠っていてください。明日の朝、また私達に笑顔を見せて下さいね?」

「えへへ~♪」

 ルリのやつ、寝ているはずなのに、レンカの言葉に反応して笑っていやがる。これって偶然か?

「それではみなさん、いってらっしゃいませ」

 モミジは俺達を笑顔で送り出してくれた。

「ああ」

「必ず、モミジ様とルリ様にご主人様の笑顔を届けます」

「モミジ殿は安心して、私達のお帰りを待っていてくださいませ」

 それぞれの言葉をモミジにおくり、部屋を出た。

「さぁ、やるぞ」

 ルリの寝顔を守るため。

モミジの笑顔を守るため。

「「はい」」

 俺達はブラグ教皇の家に向かった。


次回予告

『5-2-24(第411話) 愚操』

 ブラグ教皇宅に着き、作戦を実行する彩人達。そして、予定通りに作戦を実行していく。


 こんな感じの次回予告となりましたが、どうでしょうか。

 感想、評価、ブックマーク等、よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ