5-2-7(第394話) 案の調整と前夜のご飯
彩人達が騎士達に対する準備を始めてから幾日経過。
「それでは、あのキメルム共を捕縛するぞ!全ては、人間の繁栄のために!」
「「「おお!!!」」」
騎士達は出発した。
騎士達が目指した場所は、彩人達がいるゴーストタウン。その目的は、ジャルベ達キメルムを捕縛する事。その目的を遂行するためか、様々な魔道具や、檻を持っていくようだった。
こうして、騎士達の行進は始まった。
人間の生活を豊かにするため。
豊かにするための駒を、キメルム達を確保するために。
騎士達に対する準備を始めてから十日経過した。予定通りなら、今日騎士達がこの町にやってくる日だ。何故そんなことが分かるのかと言うと、ヴァーナが眷属を飛ばしてくれたことで、騎士達のいる方向、ここまでの距離、進行速度等が分かったからである。
(キメルムって結構便利なんだな)
こいつらってかなり優秀なんじゃないか、と俺は個人的に思った。何せ、俺達人間に出来ないことを平然とやってのけるのだから。
(そう言えば俺、普通の人間じゃなかったわ)
何せ俺は、ボッチだからな!
・・・間違えた。ボッチじゃなくて、キメルムだったわ。相変わらず自虐は好きだな、俺。まぁ、俺の自虐癖についてはどうでもいいな。
キメルム達と過ごして分かった事がある。
それは、キメルム達は、普通の人間より身体能力が高く、魔力の保有量も平均的に高い、ということだ。
(どうりで強いわけだ)
前に戦ったジャルベやゴダムが強かったのは、このキメルムの特徴が影響していたのかもしれない。だが、あいつらなりの努力も影響していたのは間違いない。それは、ここ最近のあいつらの努力を見ていてすぐに分かった。
何せ、騎士達を迎え撃つために、色々準備を手伝ってくれただけでなく、肉弾戦になった時のために、個人でそれぞれ戦闘訓練をしていたのだ。みんな、この戦いで誰一人失わないために必死なのだろう。
(・・・そうか)
家族を、大切な人を守るためなら、どんな努力も惜しまない精神なのだろう。その精神、俺にはよく分かる。俺も守りたいからな。そのためなら、どんな障害もぶち壊すつもりだ。
(さて、最終チェックでもしておくか)
これから騎士共が来るのだ。今回使用する個室や手錠の確認をしっかりしないとな。
俺はまず、個室の確認をするために、ある建物へ向かう。
(・・・よし。問題なさそうだな)
その建物の中に部屋があり、その部屋の中に入る。その部屋は狭く、椅子が二つ並べられないくらいの狭さだ。そしてその狭い部屋に狭い椅子が一つだけある。その椅子には、座った者の動きを封じられるよう、手足の部分に拘束具が取り付けられている。
(次の部屋に行くか)
このような部屋がおよそ十部屋あった。いずれの部屋も椅子やら壁やら色々同じだっつた。まぁ、部屋ごとに壁や椅子の色を変えるのは面倒だろうし、こんなものか。
(さて、次は・・・、)
俺は狭い部屋を出て、別の部屋に移動する。
「!!??うわ!!??」
その部屋に入った瞬間、俺は声をあげ、体を無意識に後退させていた。
何故かと言うと、俺が入ったこの部屋に大量の拷問器具が並べられていたからである。
俺が入ったこの部屋は、これから侵攻して来る騎士達を拷問するのに必要な拷問器具が置かれている部屋なのである。
(これ、猿轡じゃないか?アニメでちょっと見たことがあるな。この棍棒、棘が多くついているだけでなく、棘からさらに棘が伸びているな。かえし、と言うのか?)
俺にはよく分からんが、こんな武器を持った奴と相手したくないな。そう考えてしまった。
(他には鞭、ロウソク・・・ロウソク?)
鞭はおそらく、何かの皮を素材として使ったのだろう。だが、ロウソクは一体どうやって作ったんだ?それに、この部屋にロウソクがあるということは、拷問にこのロウソクを使用する、ということか。
(・・・そういえば、地球には低温のロウソクとかあったな)
普通のロウソクより低温で溶けるロウソクってどうやって作っているのだろうか?まぁ作る機会なんてないから別に知らなくてもいいか。
え?どうして低温のロウソクの存在を知っているのかって?それは・・・秘密です。男の子には秘密が多いのです。そういうことにしてください・・・。
(数もかなりあるし、ひとまずはこれで迎えるとするか)
不足するとなれば、順次追加で作ってもらえばいいからな。
さて、これで一通り確認したし、戻るとするか。
俺は部屋を出て、みんなが集まっている元へ足を向かわせた。
「それで、騎士達はそろそろ来るのか?」
俺はこの場にいるキメルムの一人、ヴァーナに話しかける。
「はい。私の見立てでは、明日の昼前に到着するかと」
「そうか」
因みにこの場には、俺とヴァーナだけでなくイブ、リーフ、クロミル、ジャルベ、スララカ達がいる。
「それじゃあ、これから明日の段取りについて確認するぞ」
「「「はい」」」
俺の言葉に全員返事をしてくれた。
これでもし、全員俺の言葉に無反応で、俺そっちのけで話されたら泣いていたかもしれないな。そんなこと、あるわけないけど。・・・本当にないよな?
関係ないことに思考をさいてしまった。本題に戻るとしよう。
「まず初めに、サキュラとサキュリで騎士達の分断をお願いしていたと思うが、準備はどうだ?」
「ばっちりよ。いつでもいけるわ。ねぇ、サキュリ?」
「ええ、サキュラ」
「そうか」
毎回思うのだが、この二人、本当に双子なんだな。どっちがサキュリでどっちがサキュラなのかまったく分からん。まぁ、作戦に支障がないからいいか。
「分かった。サキュラとサキュリで駄目だった場合、俺の魔法も準備しておく。クロミルの方は大丈夫か?」
「もちろんでございます。例え百人来ても大丈夫でございます」
「・・・そうか」
それ、フラグになりそうだからあんまり言わないで欲しい。自身のやる気を言葉で表現しているだけだろうから深い意味はないと思う。まさか本当に騎士達が百人来る・・・なんて事態はないよな?大丈夫、だよな?なんか心配になってきたな。
「ちょっといい、かしら?」
「ん?なんだ?」
ここでピクナミが手を挙げた。どうやら何か意見があるらしい。
「ちょっと作戦の変更をして欲しいのだけど、いける?」
「作戦の変更だと?」
内容によっては不可能だぞ?だが、変更したい内容を聞いてみないとなんとも言えないな。作戦のどの部分を変更したいのか聞くか。
「ちなみに、作戦のどの部分を変更したいんだ?」
「アヤトの大親分のところよ」
「俺の?」
「ええ。アヤトの大親分が、サキュラとサキュリの後に魔法を発動させる予定でしょう?」
「ああ。【毒霧】を発動させ、騎士達を眠らせるつもりだ。それでも倒れなかった場合は、クロミルの【蜂牛突き】に頼るつもりだ」
「その大親分とクロミルさんの役割、私達に任せてもらえないかしら?」
「お前らが、か?」
ピクナミ一人で出来るのか?・・・いや、違うな。ピクナミはさっき、私達、と言ったな。つまり、ピクナミ以外にも誰かやる、ということか。
「ちなみに、お前以外は、誰がやるつもりなんだ?」
「私の他にも、ピクシーのキメルムがいるのだけど、その子に緑魔法の適性があるから、その子と・・・、」
「?」
「モミジさんにも手伝ってもらおうと思います」
「モミジか・・・、」
確かにモミジは緑魔法に適性がある。
だが、緑魔法に適性がある者達を複数集めてどうするつもりだ?分からないから聞いておくか。
「緑魔法で何をするつもりなんだ?」
「植物の中に、相手を眠らせる効果を持つ植物がいるから、その子の力を使って、向かってくる騎士共を眠らせて無力化しようと思っているの。どうかしら?」
「・・・いいと思う」
ピクナミの考えに少し考えてから同意した。そういえば、みんなの同意を得ていないな。周囲の人の顔を見て・・・問題なさそうだな。
「なら、ピクナミ達に任せるが、それでいいな?」
念のため、俺は周囲の人達に、ピクナミに任せても問題ないのか言葉で聞く。
「「「はい」」」
すると、言葉で返ってきた。
(この際に聞いておくか)
俺は、聞いておきたいことを聞くことにした。
「ちなみに聞くが、どうして代わろうと思ったんだ?」
それは、役割を代わってくれる理由だ。
俺の代わりにやってくれるのは嬉しい。俺の負担が減って楽になるからだ。だが、ピクナミ達が何故率先して役割を引き受けてくれたのか、その理由が分からない。俺が鈍感過ぎなのか?
「それは、アヤトの大親分の負担を出来るだけ減らしておきたいと思っていて。それで私達にも何か出来る事がないか探した結果、相手を眠らせる事が出来ると分かったの。これなら、アヤトの大親分の力になれると思ったの」
「・・・そうか」
発案者なら、多少負担がでかくなっても当然だろうと思っていたのだが、そうではなかったのかもしれない。俺はもっと、他の人達に頼ってもいいのかもな。
「それじゃあ任せるぞ。モミジや他のキメルム達にも伝えておいてくれ」
「分かったわ」
とはいえ、モミジに関しては、もしかしたら俺から伝えるかもしれないんだよな。だから、ピクナミに頼まなくてもよかったかもしれないな。まぁ頼んだ手前、今更撤回するのも面倒だからそのまま放置だな。
「そして、身動きが取れなくなった騎士共を拷問する人達だが、俺、だけでいいか?」
「…よくない。私もやる」
「私もやりますよ。アヤト一人に全てを任せるなんて真似出来ません」
「イブ、リーフ・・・、」
そういえば、前の話し合いの時もやるって言っていたな。本当だったとは。
「大親分だけにやらせない!俺もやるぞ!」
「・・・本当にいいんだな?後悔、するかもしれないぞ?」
拷問というのは、される側はもちろん、する側にかかる精神的負担は少なくない。そのことを忠告した。
「・・・俺にとっての後悔は、大事な家族を失うことだ。それ以上の後悔なんてない。だから・・・、」
ジャルベは周囲を見る。
「どんなことをしてでも、こいつらを絶対に守っていくつもりだ」
(ジャルベのあの目、マジだな)
それほど、こいつらキメルム達を守りたいのだろう。最初、こいつらキメルム達の食料を確保するため、俺達を襲ったくらいだったからな。決して褒められた行動ではないが、気持ちは分かる。今の俺なら、ルリ達を守るためなら殺人もいとわないからな。地球なら法に触れる所業だけどな。
「なら私達は、そんな親分を支え、共に歩んでいきます」
ここで、スララカが立って発言する。
「だから、私も拷問します。いえ、させてください」
「スララカだけじゃない。私だって、必ず親分の役に立ってみせます!」
スララカだけでなく、ヴァーナも名乗りを挙げた。
(ヴァーナの方は勢いでつい言っちまった、てことはなさそうだな)
ヴァーナもスララカ同様、相当な覚悟を持っているのだろう。少なくとも俺はそう見えた。
「いいんだな?後戻り出来ないぞ?」
俺は最後のチャンスを与える。これで拷問しない、と言っても誰もこいつらを責めないだろう。
「構わないわ。それで私達が幸せになるのなら」
「私の力で親分達が幸せになるのなら、喜んで使うわ」
二人とも、拷問することに反対はなさそうだ。
「なら頼む」
「「はい」」
これである程度確認出来たな。
「それじゃあ、ピクナミ達は明日までに調整し、万全な態勢で臨んでくれ」
「分かったわ」
「他のみんなも、いざという時のために備えておいてくれ」
「「「はい」」」
ルリ達は・・・まぁ、いざという時の切り札、という扱いでいいか。というか、こんな醜い戦いに巻き込みたくないしな。あいつ、精神年齢は子供だからな。ちなみに俺の精神年齢は二十歳以上です。何故かというと、俺はアダルト雑誌を散々読み漁りまくり・・・いえ、なんでもないです。忘れて下さい。
「それじゃあ、明日のために備えてご飯を食べるぞ」
俺のこの一言で、
「「「はい♪♪♪」」」
みんなの機嫌が途端によくなった。みんな、食事することが嬉しいのだろう。かくいう俺も嬉しいのである。大勢の人と食事をするのは意外と楽しいからな。
俺?俺は家族との食事しかしたことがないからな。
友人?何それ、ご飯ですか?というわけで、俺は家族としか食事をしたことがないので、こういう大人数の食事が嫌いではない。
これからご飯にするので会議を終わらせ、食事の準備をしている。
「ごっはんー、ごっはんー♪」
ルリはいつも通り嬉しそうだ。歌を自作し、歌っていた。自作と言っても、楽譜を書いて・・・なんてことはしていない。きっと、適当なリズムに言葉をのせているだけだろう。まさか本当がルリ楽譜をかいたというのか?いや、そんなことはない。ないはず、と思いたい。
ちなみに、浮かれているのはルリだけではない。この場で食事の準備をしているキメルム達もルリ同様浮かれている。
「ジャルベ、食事はみんなにいきわたったか?」
「ああ」
どうやらみんなの分のご飯の用意が完了したらしい。
「「「・・・」」」
(なんか知らんが、全員こっち見ていないか?)
俺が席に着いた瞬間、視線が俺に集中していることに気付いた。
(もしかして、俺じゃなくて、俺の近くにある何かを見ているのか?)
そんなことを考え、俺は周囲を見渡す。・・・何もないな。ということはやはり、俺を見ているのか。
「…何か言ってあげたら?」
俺が困っていると、近くで座っているイブが声をかけてくる。
「何かってなんだ?」
「…ご飯食べる時の・・・挨拶?」
「勝手にいただきますとか言って食えばいいじゃないか」
「…多分、明日が大事な日だから、じゃない?」
「・・・そうか」
明日、あの騎士共がこの町にやってくる。最悪な場合、キメルム達が死ぬからな。何か精神的支柱が欲しいのかもしれない。その精神的支柱の役に俺が相応しいと思ったわけか。
(まるで俺がこの家族の父親みたいだ)
そしてイブ達が俺の妻で、ジャルベ達が俺達の子供・・・。
(ないな)
俺が父親だと?こんなボッチな男が父親という大役なんて無理だ。俺には務まらないが、俺なりに演じてみるか。
「明日は重要な日だ。最悪、俺達全員、死ぬこともあるだろう」
俺の死ぬ、という言葉にキメルム達だけでなく、イブ達も険しい顔を見せる。
「だが俺が、俺達がいる。みんなの協力があれば、絶対明日は生き残れる。そのための英気を養い、明日を乗り越え、ここにいるみんなで宴会するぞ」
・・・こんな感じでいいだろうか?自分で言ってみたものの、ちょっと不安だ。かつ前提で話をしてしまってよかったのだろうか?
(だが、ご褒美があると頑張れるからな)
俺がそうだったからな。
昔、テストでいい点数取ったら新しいゲームソフトを買ってもらえる、という約束を交わし、その約束のために頑張った記憶がある。まぁ、そのゲームソフトも後日、俺をいじめていた糞野郎に盗られちまったわけだが。
(・・・もう、盗られたくないな)
あんな思いはもうしたくないし、させたくない。
(なら、盗らせないようにするだけだ。確か俺のアイテムブレスレットの中にあれが・・・あった。)
俺はアイテムブレスレットからある食べ物を取り出す。その食べ物は、白く輝いている。俺はその白い食べ物、餅を口の中に入れる。
(美味♪)
臼や杵を使っていないが、結構美味い餅になったものだ。
「…?それ、何?」
俺が美味そうに餅を食べていると、イブが俺に話しかけてきた。
「何だと思う?」
俺はイブの質問を質問で返す。
「…よく似たものなら見たことあるけど、そこまで伸びなかったと思う。それは何?美味しいの?」
「ああ美味いぞ。そりゃあもう絶品だ」
「!?…アヤト、それ、まだある!?」
イブは俺の言葉を真に受け、食い気味に質問する。
(・・・もしかしなくても、全員こっちを見ていないか?)
みんな楽しくおしゃべりしながら食べていればいいものを。俺が持っている餅を凝視している。
(だが、やらん!)
俺は、自身が持っている餅を口に入れ、餅を伸ばす。
「「「!!!???」」」
どうやら、餅が伸びたことに驚いたらしい。イブの話によると、この世界には餅と似たような食べ物があるものの、ここまで伸びる事はないらしい。この世界に餅あるんだ。今度食ってみてぇな。
「たった今、全部俺が一人で食った!」
俺は宣言するように言う。
「食いたいか?どんな味か気になるか?」
俺の言葉に全員頷いた。どうやら俺とイブの会話は筒抜けだったらしい。まぁ別にいいけど。
「めっちゃ美味かったぞ。こんな食べ物がまだこの世界に眠っていたのか、そう考えてしまうくらい美味かったぞ」
俺の言葉に、何人かが生唾を飲む。
「そんな美味い食べ物、食いたいか?」
「「「食べたい!!!」」」
どうやら食べたいらしい。素直に答えてくれてちょっと嬉しい。
「だが、今日はない!」
俺のこの言葉に、ほとんどの者が分かりやすくがっかりした。
「だから明日、みんなで作ってみんなで食べるぞ」
俺はみんなを見渡す。
「そのみんなとはもちろん、ここにいる誰一人欠けちゃいけない。全員揃って明日、美味いものを食って笑い合うぞ!」
「「「はい!!!」」」
全員に覚悟の色が見られた。これで一応、明日生き残る理由付けにはなったかね。
(最も、明日死のう、なんて考えている奴がいるなんて考えたくもないが)
万が一、俺達を裏切る奴がいるのなら、その時は・・・。
(て、考え過ぎか)
こいつらは、共に辛い時を過ごし、乗り越えようとしている。そんな状況で裏切り者なんて出るわけないか。
「…本当にないの?」
「ないが?」
「…食べたかった・・・」
どうやらイブは、俺が食べたあの餅が本当に食べたかったらしく、かなり落ち込んでいた。本当、食い意地がはっているというかなんというか・・・。
「ふん、食欲お化けが。そのまま食欲に溺れて太りなさい。そしたらそのたるんだお腹を嘲笑ってあげるわ♪」
「…ついに頭まで筋肉になってしまったか。これでもう人ではなく、ただの全身筋肉女になったか。いや、女の形をした全身筋肉お化け、か」
・・・どうやら二人は互いの事を罵り始めたらしい。この流れはまさか・・・?
「まぁまぁ二人とも落ち着いて。明日は大事な日なのですから・・・、」
「「うっさい。寝る事しか頭になく、ただただ胸に無駄なぜい肉をつけているおっぱいお化けが」」
「な!!??」
リーフが、イブとクリムの言葉に苦い顔を浮かべる。良薬は口に苦し、と言うし、良薬でもたらふく飲んだのだろうか。・・・そんなわけないか。
「・・・ふふふ。いいでしょう。この際だから決着をつけるとしましょうか?」
「いいでしょう」
「…望むところ」
そして3人は、キャットファイトを始めてしまった。
(・・・別に殺気立てとまではいかないが、あそこまで気を抜くとはな・・・)
呆れるというかなんというか・・・。思わずため息をついてしまいそうだ。キメルム達も見慣れた景色なのか、三人のキャットファイトを見はしたものの、特に驚きはなかったようだ。
(さ、明日は頑張るとするか)
明日は完璧に計画を遂行しないとな。そのためにもまず、今目の前にあるご飯を完食し、英気を養わないとな。
その後、俺はご飯を完食した後、きちんと休養をとり、翌日の戦いに備えたのだった。
次回予告
『5-2-8(第395話) 騎士達との応戦』
シロネリから来た騎士達が、ジャルベ達がいるゴーストタウンを訪れる。そしてキメルム達は、彩人の助けを借りずに応戦し始める。
こんな感じの次回予告となりましたが、どうでしょうか。
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