5-1-17(第376話) キメルム達の奇襲~アヤトVSジャルベその4~
あのキメルム、ジャルベを止める方法を考えないとな。
「ご主人様。それでしたら一つ、私から提案したいのですが、よろしいでしょうか?」
「!!??く、クロミルか!?いつの間に!?」
相変わらず言葉にしていないはずなのに、どうして俺の思っていることがばれているのだろうか。私は不思議でたまらない。
「あの黒い魔法の対処は我々に任せ、ご主人様はあの者の対処をお願いいたします」
「・・・分かった。それじゃあクロミル達に任せるぞ」
「はっ!」
クロミルの返事の後、みんなも頷いてくれた。なら、この場はみんなに任せるとしよう。
「【羽滅】」
ジャルベから生えている羽から無数の羽が抜かれ、黒く浸食したかと思うと、こちらに向かってくる。
(行くか)
俺は複数の黒い羽の間をかいくぐり、ジャルベに接近する。
「【三樹爪撃】!」
「【午閃】!」
俺に当たりそうな【羽滅】は、クロミル達が除去してくれた。
(ありがとう)
俺は心の中で感謝しながら、無事にジャルベの元へ辿り着く。
「よぉ。さっきぶりだな」
俺は旧友であるかのように話しかける。
「大事な仲間を痛めつけてどんな気分だ?」
「貴様こそ、俺の大事な家族を奪って、どんな気分だ?」
質問に質問で返されてしまった。それにしても、俺が大事な家族を奪う、ねぇ。
(そんなこと、あるわけないのにな)
俺は内心ため息をつきながら話かける。
「俺は分からないな。俺はお前の大事な家族を奪ってなんかいないからな」
「嘘だ!なら何故俺の家族は全員、お前の味方をしている!?」
そう言い、ジャルベはキメルム達を指差す。
「それは、暴走しているお前を止めるため、一時的に共闘しているだけだ。裏切りじゃない」
俺がこう説明すると、
「俺が暴走しているだと?そんな訳ないだろう?俺はいたって冷静だ」
冷静なら、大事な家族に攻撃なんてしないと思うけどな。そのことも突っ込んでみるか。
「お前が冷静なら、大事な家族に攻撃なんてしないと思うんだが、その事に関してどう思う?」
「は?俺にはもう大事な家族なんていない。いるのは、俺を裏切った裏切り者共だけだ」
そう言い、ジャルベは再びキメルム達を睨みつける。
「死ね」
ジャルベは自身の鱗をはがし、キメルム達に飛ばそうとする。
「させるか!【結界】!」
鱗がキメルム達に飛ぶことはなかった。俺が【結界】で鱗の動きを制限したからだ。これであの鱗はあの【結界】ないから出る事はないだろう。
(消えろ)
俺は【結界】を小さくし、消滅させた。これで【結界】内の鱗も消滅してくれると嬉しいのだが・・・。
(よかった)
どうやら鱗は消滅したようだ。このやり方なら、やつの鱗攻撃も対処出来そうだ。
「あいつらを殺したいのであれば、俺を殺してからじゃないと行けないぞ?」
そう言い、挑発する形で語尾を上げる。動作でもジャルベを挑発し、こちらに攻撃の矛先が向くように努める。
「・・・いいだろう。貴様も、裏切り者共も、お前が大切にしているそこの者共も何もかもコロシテヤル!!!」
目の前のジャルベは、さっき闘ったジャルベとは違う。
さっきも本気で闘っていただろうが、さっき以上の気迫を感じる。さっきまで手加減していたのではと錯覚してしまいそうだ。
(【黒色気】)
俺は【黒色気】を発動させ、俺に向かってくるジャルベの蹴りを腕でいなす。
(こいつ、俺の心臓を潰すつもりで蹴りやがったな)
潰されていたらグロ映像確定ものだろう。こいつはグロ映像に耐性でもあるのだろうか。
そして、俺とジャルベの2回目の闘いが始まる。
次回予告
『5-1-18(第377話) キメルム達の奇襲~アヤトVSジャルベその5~』
彩人はルリ達、キメルム達と協力し、暴走しているジャルベと再度戦いを始める。ジャルベは目の前いる彩人を殺そうと、その殺意を滾らせていた。
こんな感じの次回予告となりましたが、どうでしょうか。
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