5-1-14(第373話) キメルム達の奇襲~アヤトVSジャルベ~
「ほらほら、どうした?この程度か??」
「ち!」
俺はジャルベと名乗ったキメルムの攻撃を躱し続けていた。俺がジャルベの攻撃を躱し続けている理由は、
(キメルムってなんだよ!?)
キメルムという単語の意味を考えていた。少なくとも、地球にいた時はキメルムなんて単語、聞いたことがない。となると、造語かなにかか?
(どちらにしても、俺独りが考えたところで何も分からないな)
ジャルベの攻撃を躱しながらキメルムについて考えていたのだが、俺は諦めて聞くことにした。
「ところでお前、さっきキメルムって言っていたが、キメルムって何だ?」
「キメルムについて知らないだと?まぁいい。冥界へのお土産として教えてやろう」
ジャルベは俺の言葉を聞いていたのか、攻撃の手を少し緩め、話し始めてくれた。攻撃の手を緩めたあたり、俺がジャルベに勝てないと確信しているのか?
「キメルムと言うのは、人間の体に魔獣の体の一部を移植した人間、と言えば分かるか?」
「・・・は?」
つまり・・・どういうことだ?人間の体に魔獣の体を取り込んだ、ということなのか?そんな事が可能なのか?
(可能か)
その根拠は俺だ。何故かと言うと、俺の体には俺という人間だけでなく、モミジの植物が共存している。だから、可能か不可能かと言われれば可能なのだろう。それにしても、俺みたいなことをしている奴が他にいるとは思わなかった。命の危機でも感じたのだろうか。
(ん?今こいつ、移植って言ったか?)
移植という事は、誰かがこいつの体に魔獣の体の一部を移動させたってことじゃないのか?そんなことが可能なのか?・・・可能か。モミジは俺の体に寄生という形で移植してくれたんだもんな。・・・そういえば、俺のケースも移植と言えるのだろうか?モミジの臓器をもらった記憶がないんだよな。まぁ今はそんなことどうでもいいか。
それにしても、移植経験の有無で呼び名を変える必要ってあるのか?変えるほどの何かがあるってことなのだろうか。分からん。
「そんなにキメルムって、移植することが凄いのか?」
「違う。一部とはいえ、魔獣の体を人間の体に取り込むことが凄い事なんだ」
「どう、凄いんだ?」
俺からしたら、凄さなんて全然分からない。モミジが俺を助ける前と後とで俺の何が変わったかなんて全然分からない。自分の事なのに分からないことだらけだな。
「人間の体に魔獣の肉体の一部を取り込むことで、私達人間の体に変化が起きる」
「変化?どんな変化だ?」
「これだ」
ジャルベは、自身が纏っている外套を投げ捨てた。
「!?」
ジャベルの体は、とてもじゃないが人間とは思えない体をしていた。
足は今にも折れてしまいそうなくらい細長い。その足の細長さはまるで地球で世界一速い動物のよう。
胴体は厚いだけでなく、竜の様な鱗が存在していた。
腕はとても太く、まるでウホウホとドラミングする動物のよう。
「どうだ?この体を見て幻滅したか?」
「幻滅はしていない。ただ、驚いただけだ」
確かに目の前にいるジャルベみたいな人間、そうそう地球にいないだろうな。こんな人間がいれば、普通の人間はこういう異質な人間を嫌う。そして、いじめる。俺も異質な人間と認定され、いじめられたからよく分かる。
「本当か?」
「!?」
俺はこの時、ジャルベの言葉に驚いた。改めて聞いたからではない。声のトーンが急に変化したからである。
「ああ」
俺は感情の変化なく断言する。
「嘘だな」
俺の言葉に対し、ジャルベは受け流すように吐き捨てた。俺としては本心で言ったんだがな。どうやら俺の本心はジャルベに届かなかったらしい。
「貴様みたいな人間が、俺達を見ても幻滅しないなんてあるはずない!」
「!?」
ジャルベは急に俺への攻撃を再開する。その攻撃はさっきみたいに落ち着いて攻撃してくるのではなく、獣の様に冷静さのれの字もなく、感情のままに攻撃してくる。
「俺みたいな人間が、だと?」
「そうだ!貴様みたいな人間が、幸せに過ごしている貴様が、俺を見ても幻滅しない訳ないだろうが!!??」
・・・なるほど。俺みたいな人間、幸せに過ごしている人間が、か。俺と幸せに過ごしている人間をイコールで結んだというところか。
(俺が幸せ、ねぇ)
俺が幸せな人間なら、世の人間は幸せ過ぎて、宝くじに毎日高額当選していることだろう。そして、お金に困らない生活をしていることだろう。俺もそんな生活を送ってみたいな。まぁ、今はそんな夢物語について考えるのは後にするとしよう。
(出来れば、あまりこういうことは言いたくないんだけど、しかたないか)
こういうことを言うのは不幸自慢みたいで少し気が引けるのだが、しかたないか。
「それじゃあお前は小さい頃、周辺の子供から水をかけられたことはあるか?」
「は?そんなの当たり前だろう?なんなら泥水をかけられたこともあるぞ?」
「奇遇だな。俺もだよ」
「え?お前も、か?」
「ああ」
俺が地球にいたころ、学校でいじめを受けていた。そのいじめの内容は様々で、お前らいじめをすることが大好きなのって聞きたくなるくらいだった。
ある時は、俺の体や顔に水、泥水や腐った水等様々な汚水をかけられた。
ある時は、俺がいるいない関係なく、俺への悪口を言われた。
ある時は、俺の足を引っかけ、転ばされた。俺が転んで怪我をしても手当てや治療を行わず、ただ笑うだけ。
本当に惨めで、苦痛で、死にたくなった。
だが、俺にはまだ家族がいた。
母親がいた。
父親がいた。
この二人の存在が、俺を地球という世界に留めてくれた。
どうせ目の前にいるジャルベは俺の過去なんて知らないだろう。無理もない。どうやったら初対面の人の過去を知ることが出来るのやら。
「てめぇが普通の人より辛い人生を送ってきたことは分かった。だが、」
俺は拳を構え直す。
「俺を普通の人と同じ、幸せな生活を送っていると思うなよ?」
「!?」
こいつはおそらく、自分が最も不幸な人間だと思っている。俺だって、自分が最も不幸な人間だと何度も思ってきた。だから分かる。こいつの目は今、かつていじめられた俺の悲壮な目をしている。
「俺だって、何度も辛い経験をしてきたさ。泥水を全身にかけられたこともあるし、けられたり殴られたりもある。大人達も一切手を差し伸ばしてくれなかった。そんな現実に何度苦汁を飲まされてきたことか・・・!」
思い出しただけでも辛くなるし、イライラする。
「そりゃあ、自分が一番不幸だと考える事は何度もあるだろう。だが、実際は違うはずだ。お前は気づいていないだけなんだよ。お前は、」
「認めない」
「え?」
俺の言葉の途中でジャルベが割って入ってくる。
「偉そうなことばかり言いやがって・・・!お前らに俺達の何が分かる!!??」
「!!??」
さきほどから感情が不安定になり始めていたジャルベの感情が一層不安定になる。
「お前が何を言おうと、俺達がこれまで苦労してきたことは変わらないはずだ!その苦労を否定するなら、俺はお前を許さない・・・!!」
なんだか、ジャルベの様子がおかしい。
全身の毛が逆立ち、ジャルベの全身から魔力が少しずつ漏れ出し始めている。足は元々肌色に近かったのだが、チーターのような黒い斑点が続々と足に追加されていく。
上半身の青かった鱗が黒い竜のように黒く色づき、艶が増していく。
太かった腕がゴリラのようにさらに太くなり、濃い黒に染まっていく。
顔周辺には少しくすんだ黄色い毛が伸び始め、ライオンのたてがみのようになっていく。
(なんだよこれ)
今俺の目の前にいる人間は本当に人間なのか?そう疑わざるをえない容姿に変化し始める。人間と形容していいのか判断に迷い、自分の体を触ると、振動していることに気づく。
(びびっているのか?それとも別の理由が・・・)
不透明になっている自分の感情に戸惑っていると、
「ふん!」
「!?」
ジャルベの攻撃に気づくことなくくらってしまい、吹っ飛ばされてしまう。
「この力は、俺にふりかかる不幸や理不尽を全てねじ伏せるために得た力だ!!」
(いってぇ・・・)
直撃したからか、いままでくらったジャルベの攻撃の中で最も痛みを感じた。
(もしかしたら、ジャルベの容姿が変わったことで何か関係があるのか?)
心なしか、変化した空の方が素早く動いていたような気がする。気のせいかもしれないが。
(俺は知らぬ間に手を抜いていたのかよ)
まったく。自分が嫌になる。最初から全力を出していれば、俺がジャルベに殴られることも、自分の不幸な出来事を思い出さなくてもよかったのにな。
「気合い、入れ直すか」
俺は一度目を閉じてから、ジャルベの全体像を捉える。相手が人間だとうかそうでないとか、そんなことは今関係ない。俺の目の前にいる敵を倒すだけだ!
(神色剣をガントレットの形に変化させて、神色拳にするか)
俺は神色剣を神色拳に変形させ、身構える。これでもう意表を突かれることはないだろう。
俺は改めてジャルベを見る。ジャルベの目を見て、俺は確信した。
(あの目、まさか・・・!?)
さきほどまでジャルベの目がどうなっていたかは覚えていない。だが、今のジャルベの目は間違いなく黒く光り輝いている。その黒光りしている目の意味を理解するのにそう時間はかからなかった。
「【黒色気】、だと・・・!?」
ジャルベは今、【黒色気】を使っているのか?どういう経路で習得したかは知らないが、習得するまでの努力や、少しでも魔力制御に失敗すれば命の保証がないくらい危険な魔法だ。だからこそ、その魔法を使っているかもしれないジャルベの覚悟を垣間見た。しかも黒、か。黒魔法に適性がある人ってかなり珍しいんじゃなかったか?まぁ俺は全色魔法に適性あるけど。言うと皮肉になりそうだから言わないようにしておかないとな。
(て、今はそんなことどうでもいいか)
今は目の前にいるジャルベのことだ。
おそらくだが、ジャルベは【黒色気】を使っている。例え使っていないとしても、使っている前提で考えるとしよう。そんな奴に俺は、【色気】を使わなくても勝つことが出来るのか?
(出来ないな)
なら、使おう。せっかく相手は【黒色気】を使っているように見えるんだ。
「【黒色気】」
俺も【黒色気】を使わせてもらおう。相手が先に【色気】を使ったんだ。文句は言わせない。
「俺達の生き方を否定しやがって・・・!!」
ジャルベは、俺の事を恐ろしいほど睨みつけてくる。俺、ジャルベに恨まれ過ぎじゃね?
だが、一つだけ言わせてほしい。
「俺はお前を否定したいわけじゃない。ただ・・・、」
「うるさい!!」
「!!??」
ジャルベは、さっき俺が不意打ちをくらった時と同じような動きをしていた・・・気がする。
だが俺は、そんなジャルベの攻撃を、
「!?貴様・・・!」
「さっきと同じような攻撃だったっぽいが、同じ攻撃が何度も通じると思うなよ?」
受け流した。剣を使っていない分、ジャルベの攻撃が近く感じたな。
「いいだろう。貴様の全てを否定した上で殺してやる!!!」
俺はジャルベの殺害宣言を聞き流し、
(やってやる!)
自分が今後も生きていけるよう、ジャルベに抗うと決めた。
「お前に何が分かる!!??俺の、俺達の苦労を何もしないで!!」
「お前ごときが俺達を語るな!」
「俺がどんな思いでこれまで過ごしてきたか考えたことがあるか!?あったら、さっきみたいなふざけた言葉は言わないはずだ!」
「黙って食料を渡して、死ね!!」
ジャルベは俺に文句の様な言葉を突き刺すように言い捨て、様々な攻撃をしかけてきた。
細い足で素早い蹴りを複数回くりだしたり、胸部に生えている黒色の鱗を俺めがけて飛ばしてきたり、より一層ごつい腕を使い、拳で殴ろうとしたりと、自分の身体的特徴を活かした攻撃の連続だった。
(避けきれないわけじゃないが、避けるだけでかなり神経を使うな)
黄の国にいたザッハのように、動きが洗練されているわけではないが、攻撃の早さが尋常じゃないな。どんな反撃をしようか考える暇もない。
(それにしてもこいつは、俺に何を求めているんだ?)
後半は食料をもらおうとしていたらしいが、前半の言葉はどうしたらいいんだ?初対面の俺に求め過ぎじゃないのか?俺にお前らの人生、感情の全てを理解してもらおうだなんて無理があるだろう。
(全部は分からないけど、いじめられる辛さは理解出来るんだよなぁ)
こいつらはきっと、この国ではぶられているのだろうな。その苛立ちを、悲しみを俺にぶつけている。そんなところか。
(ほんと、ふざけているな)
俺にそこまで求められても、出来るわけがない。そんなことも分からないのか?逆の立場にならないと分からないのか?
まるで、いじめをしているいじめっ子のようだ。
(なんか、胸糞悪くなってきたな)
俺は、地面に手をつけ、多数の砂をジャルベめがけてかける。ジャルベは、俺がかけた砂を躱したが、躱した程度で俺の攻撃が終わると思ったのか?
「甘いわ!」
俺は緑魔法で風邪を起こし、砂を風に乗せる。風に乗った砂は、ジャルベの目めがけて飛んでいき、直撃した。
「!!??」
ジャルベは自身の目をおさえ、俺から離れていった。
(・・・俺も結構意地の悪い攻撃をするよな)
目をおさえて痛がるジャルベを見て、そんなことを考えてしまう。これも、長年いじめられた影響なのだろうか。
俺はこの間にジャルベから距離を確保し、
(【空縛】!)
【空縛】でジャルベを拘束する。これでジャルベの四肢は拘束したことだし、下手な動きは出来ないだろう。
「さて」
これでジャルベも大人しくなってくれると嬉しいのだが。そして、ルリ達の所在についても聞いておきたい。まぁ、よほどの事はないと思うが。
「少しは落ち着いたか?」
俺はジャルベに問う。【空縛】でジャルベを拘束しているから、安心して聴くことが出来るな。
「・・・」
ジャルベはまだ俺の事を憎く思っているのか、目は諦めていなかった。諦めないことはいいことだろうが、この時くらいは諦めて話をしてほしいものだ。
「・・・」
(!?やば!!??)
ジャルベは俺の【空縛】を無理矢理力だけで壊そうとしていた。なので俺は、【空縛】の強度を底上げする。
(【空縛】だけだと不安だな)
俺は地面から植物を生やそうと地面に手を当てる。植物が地面から生えるように、俺は地面に手を置き、魔力を送る。
(これで拘束力を・・・え?)
地面から生えてきた植物は、他の国で生えてきた植物より細く、弱々しかった。
(これじゃあ、ジャルベを拘束するのにつかえないな)
俺は地面に魔力を送ることの中断を実行し、別の方法を試みた。
(こうなったら、ジャルベを眠らせる事にするか)
眠らせる方法はもちろん、【毒霧】だ。毒の効果は睡眠。この【毒霧】を体内にとりこむことで、とりこんだ者はたちまち睡眠状態に陥ってしまうはずだ。
(【毒霧】)
俺はジャルベの顔付近に【毒霧】を発生させた。
「な!?この霧は・・・!?」
ジャルベは急に発生した霧を疑い、俺が発生させた霧だと推測する。まぁその通りなんだけどな。
「別にお前を殺すわけじゃないから安心しろ。ただ眠るだけだ」
「!?そんなわけにはいかない!俺にはまだやるべ、き・・・、」
ジャルベが言葉を発している途中、まぶたが重くなったのか、目を閉じようとしていた。
「さてと。寝たかな?」
俺は確認のため、警戒しながらジャルベに近づく。
・・・。
(顔の前で手を振っておこう)
俺の行動を見ているのであれば、何かしら反応するはず。俺はジャルベの顔の前で手を振ってみた。
・・・反応なし、か。ついでに頬を触ってみるか。
・・・先ほどと同じで反応なし、か。これは本当に眠っているな。
(よし)
作戦成功だ。これでジャルベがこれ以上暴れる事はないだろう。
次ははぐれてしまったルリ達の捜索だな。出来ればジャルベから情報を聞きたかったんだが、あの暴走状態じゃあ聞けなかっただろうし、具体的にこれからどうするか。
「とりあえず、【魔力感知】してみるか」
俺は出来る限り広範囲で【魔力感知】を試みる。
(やっぱり誰も近くにいな・・・あ!?)
反応があった。それも複数。この魔力はもしかしなくとも・・・、
「あ!お兄ちゃん見っけ~♪」
「・・・ルリか。無事だったんだな」
「当然だよ~♪他のお姉ちゃん達も無事だったみたいだよ。ほら」
ルリが指差した先にみんながいて、俺の方へ向かっていた。
(ん?)
なんか、リーフ達の後ろになにかいないか?レンカが分身しているのか?て、そんな訳ないか。となると・・・誰?
・・・まぁいいか。とりあえずルリ達は無事だったわけだし、問題ないだろう。
「ところで、こいつに心当たりはあるか?」
俺は【空縛】で拘束し、【毒霧】で眠らせているジャルベを指差す。
「う~ん。ルリ、直接見たことはないけど、多分親分じゃないかな?」
そういえば、俺の記憶が間違っていなければ、戦う前にも親分って言われていた気がするな。
「つまり、この町に住んでいる人達の中で、最も偉い人のことでいいのか?」
俺がルリに確認していると、
「「「親分!!!???」」」
リーフ達の後ろにいた複数人が、ジャルベの方に向かって走っていた。俺は気持ちどき、みんなが通過出来るよう空間を広げる。
「親分は!?」
親分と呼ばれたジャルベに駆け寄ったうちの一人がルリに声をかける。
「お兄ちゃん、この人はどうなったの~?」
「ん?こいつか?こいつは拘束して眠ってもらっているだけだ。死んではいないはずだ」
さっき確認したが、死んではいなかったはず。死んでいなかった・・・よな?
「・・・よ、よかった~」
ジャルベの生を確認出来たからか、安堵のため息を吐いている者が多数いた。
・・・やっぱ気になるから、聞いてみるか。
「ルリ、ちょっと聞いていいか?」
「ん、なあに?」
「こいつとこいつらの関係って何?」
俺はジャルベとジャルベに駆け寄った者達を指差す。
「ん~・・・」
ルリは少し悩んだ後、こう答えてくれた。
「お兄ちゃんとクロミルお姉ちゃんみたいな関係、かな?」
「・・・つまり、主従の関係ってことか?」
「多分そんなところ~」
なるほど。今の光景を見る限り、ルリの言葉に納得だな。
「それで、話を聞きたいのだが、聞いてもいいか?」
「ちょっと待って。今聞いてくるから」
ルリは、ジャルベに駆け寄っている者達の中の一人に声をかけ、なにやら話し始めた。
「・・・」
「・・・」
何を話しているのかは聞こえなかったが、俺を睨んでいたように見えたのは俺の気のせいか?そんなことを考えていたら、ルリが俺の元へ戻ってきた。どうやら話が終わったらしい。
「それで、どうだった?」
「うん!大丈夫だって!」
「そうか」
俺は、ジャルベに駆け寄った者達に近づく。
「それじゃあ、ジャルベの事やお前らの事について話してもらうぞ?」
これで、俺達を襲ってきた理由が分かればいいのだが。もちろん、食料を奪うことが目的だっただろうが、他にもあるかもしれないしな。
次回予告
『5-1-15(第374話) キメルム達の奇襲~アヤトVSジャルベその2~』
彩人達はルリ達と合流する。その後、ルリ達と共に現れたキメルム達から詳しい話を聞く。
こんな感じの次回予告となりましたが、どうでしょうか。
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