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色を司りし者  作者: 彩 豊
第5色 白の国 第一章 人間と魔獣が混ざり、鈍色なキメルム
365/546

5-1-5(第364話) コウモリでの観察

 時刻は昨晩にまで遡る。

「それで、目的の者は見つけられたのか?」

「いえ、まだです」

 外套を深く被った二人は、何やら話しこんでいた。

「今、眷属が探しているので、もう少しお待ちください」

 そう言い、外套を被った者達の内の一人が、外套の一部を持ち上げる。すると、複数のコウモリがへばりついているように複数いた。

「相変わらずお前の能力は索敵に便利だな」

「いえいえ。親分に比べたらなんてことないですよ」

 そう言いながら、二人はある者達を探そうと索敵する。

「見つけました!」

「どこだ?」

「ここからかなり距離があります。対象は何かしているようです」

「何をしているか分かるか?」

「・・・何か、入れています」

「何か?それに何の中に入れているんだ?」

「確証はないですが、水、みたいです。その中に・・・何か入れています。何かは分かりません」

「分かった。引き続き監視しておけ」

「は!」

 命じられた者は、引き続き対象である彩人を監視し続けた。


「親分!」

 命じられた者は、対象に変化が見られたので報告を始める。

「どうした?」

「対象がこちらに気付きました。どうしますか?」

「ひとまず、超音波を出して、対象を動けなくさせろ」

「は!」

 命じられた者は、コウモリに超音波を発するよう命じる。

 少し経過し、命じられた者は、彩人の様子に違和感を覚え始める。

(あれ?なんで効いていないんだ?)

 それは、超音波を受け続けているにも関わらず、彩人が平然と活動している事である。

(なんで?)

 このコウモリの超音波を聞いた人間は大抵、耳を押さえ、あまりの音に動けなくなるほどである。それは何度か実証したので効果は確認済みだった。それなのに、目の前で何かしている彩人は今も平然と活動し続けている。

(まさか!?)

 こうなることを事前に察知していた?つまり、私達の存在がだいぶ前からばれていた!?

「親分!!」

「どうした?何かあったのか?」

「こちらの動きが筒抜けになっている可能性があります!」

「どうしてだ?」

 親分と呼ばれた者は、コウモリを眷属にしている者から根拠を聞く。

「・・・なるほど。ならこれから退いて立て直しして、それから・・・、」

「!?避けて!」

 コウモリを眷属にしている者は、周囲の様子などお構いなしに言葉を吐き捨てるように発する。親分は、その様子から尋常でない様子だと判断し、少し落ち着いてから声をかける。

「・・・どうした?」

「・・・私の眷属が、植物に拘束されました」

「抜けられそうか?」

「今、必死に超音波を発したり拘束から抜け出そうとしたりしているのですが、抜け出せられません」

「・・・そうか」

 親分と呼ばれた者は、どこか諦めたような口調になる。

(植物の檻まで作って・・・一体私のコウモリをどうするつもりなの?)

 正直、拘束されたコウモリを彩人が殺すと思っていた。だが目の前に見える光景は、殺しとは異なる光景で、拘束だけだった。

(こうなったら、【魅了の魔眼】であの男を魅了し、私が操ってやる!)

 コウモリを眷属にしている者は、一晩中彩人に隙が見つかり、且つ【魅了の魔眼】が効く状況になるまで彩人を観察し続ける事にした。

 そして観察行為は、夜が明けても辞めなかった。

次回予告

『5-1-6(第365話) コウモリの処遇』

 朝食を食べ終えた彩人は、昨晩出現したコウモリについて話す。そして、コウモリをどうするかについて、みんなで話し始める。


 こんな感じの次回予告となりましたが、どうでしょうか。

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