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色を司りし者  作者: 彩 豊
第三章 魔道具であるレンカの黄朽葉な心
355/546

4-3-24(第354話) 割り込んだことによる利益と忘却

「いや~。戦闘、ご苦労様でした。後はこちらで捕縛させ、連れて行きます」

「ちょっと待て!俺はこいつに聞きたいことが山のようにあるんだ!」

 魔道具の事とか、魔道具の事とか、魔道具の事とか!・・・魔道具の事しか聞くことが無いな。他にも聞きたいことがあるような、ないような?今はいいか。

「・・・一つくらい、いいんじゃないパラか?」

 そこでパラサイダーが俺に援護してくれた。ありがとう、パラサイダー!

「・・・そうですね。ここで不満を持って暴れられたら、私達2人で殺せるとはいえ、タダではすまないでしょう。」

 メイキンジャーは嫌々、という感じが伝わってきたが、それでもありがたい。俺はまず聞きたいことを聞くことにした。

「この魔道具に示されている6つの点はこの位置を示しているが、1つだけ違うところに点が位置しているが、これはどこを示しているんだ!?」

 俺は滝近くの洞窟で入手したレーダーっぽい魔道具の電源をつけ、画面をメイキンジャーに見せる。

「・・・ふむ。この魔道具は、なるほど。それにこの位置はおそらく、」

「何か知っているのか!?」

「ええ。あくまで推測ですが。それでも構いませんか?」

「構わない!是非教えてくれ!」

「その魔道具は、デベロッパーが製作したある魔道具の位置を示す魔道具です」

 なるほど。この魔道具はそういう魔道具だったのか。

「それで、この点が示す魔道具の位置はどこだ?」

「・・・おそらく、白の国ですね」

「白の国、だと!?」

 確か、6つある国の1つだったな。何故その国にデベロッパーが作った魔道具があるんだ!?

「その魔道具の効果とか形状とか分かるか!?」

「それ以上望むのは強欲、というものです。かくいう私も知りませんが」

 流石に作った本人じゃないと知らないってことか。

「これで以上ですね」

「待った!まだ聞きたいことが・・・!」

「先ほども言いましたが、これ以上望むのは強欲というものです。これ以上望むのであればお互い、血以上のものを見ることになりますよ?」

「!?」

 血以上のモノ。その言葉の意味を理解出来ないほど、俺は馬鹿じゃない。

(これ以上を望むと死ぬ、か)

 今の俺の実力では、メイキンジャーとパラサイダーを同時に戦う事は出来ない。そのことを分かって言っているのか?

「そうか。俺はお前らのことをもっと知りたかったのにな。残念だ」

 俺は自身の言葉に友好性を持たせる。

「ええ。こちらも残念です」

 メイキンジャーは俺と同じような言葉を言ってきた。俺の勘だが、メイキンジャーは皮肉で言っているんだろうな。さっきの俺の言葉に別の意味を勘ぐったのかもしれないな。友好関係を築きたいだけでなく、別の感情や目的があることを把握したのかもしれない。

「それでは。御協力、感謝いたします」

 メイキンジャーは俺に一礼した。

「またどこかで会おうパラ」

 パラサイダーも俺に言葉をかけてきた。

 そして、俺の目の前でデベロッパーごと消えた。

「!?」

 一体どのような魔法を使って消えたんだ!?それとも、俺の目では把握出来ないほどの超高速移動でもしたのか?

「・・・ふぅ」

 俺は周囲を軽く見て、今までずっと発動し続けてきた魔法を解除する。ずっと発動し続けてきたからか、魔力の消費量が尋常じゃなかったからな。

「あれ?」

 そういえば何か忘れているような気がする。それに、どうして俺は今の今まで魔法を維持し続けていたんだ?一体何のため・・・!?

「!!??」

 瞬間、三つの拳が俺めがけて繰り出され、吹っ飛ばされた。

「!!??な、何!!??」

 訳が分からず、俺は殴られた頬を触る。

「!?」

 すると、確実に痛みを感じ、赤く変色している。俺は間違いなく殴られたのだと自覚する。

「まさか!?」

 次に俺は、さきほどまでいた自分の場所を目視する。

「「「・・・」」」

 そこには、何故忘れていたのか分からないゴーレム達3匹がいた。

「あいつ・・・!」

 デベロッパーと一緒に持ち帰ったんじゃないのかよ!?無意識で魔法を解除するんじゃなかった!

「【空ば・・・、」

 俺が魔法を発動しようとすると、ゴーレム達は俺との距離を出来るだけ詰め、拳を振り下ろした。

「!?あ、あっぶ・・・!?」

 だが、俺に振り下ろされた拳の数は2つで、近くにいたゴーレムは2匹だった。そのことに気付いたのは、自身の腕を銃みたいに変形させ、俺を狙っていることに気付いてからだった。俺が気づいた直後、腕を銃に変形させたゴーレムが、俺に向けて何か撃ってきた。ゴーレム同士で何か繋がっているのか、撃ってきた瞬間、俺を殴ろうとしていたゴーレム達が俺から離れた。

「ち!」

 俺は舌打ちをしながら【魔力障壁】を幾重にも展開する。本当は【反射障壁】を展開したかったのだが、魔力を出来るだけ節約するためなので仕方がないだろう。

「今の内に!」

 ゴーレムが撃ってきた何かと俺の【魔力障壁】がぶつかり合い、砂埃がこの洞窟の奥内に広がっていく。ゴーレムが俺を目で捉えられない今の内にこの洞窟から出る事にし、洞窟の出入り口に向かって走り出す。

 だが、

「な!?」

 逃げ切れなかった。ゴーレムの1匹は、俺の目の前に現れ、通せんぼうするかのように立ち塞がる。俺は前に進むことが出来ず、隙を見せないようにするのでするので精一杯だった。

(狙われているな)

 前にいるゴーレムを警戒しつつ少しずつ動き、背後の様子を窺うと、2匹のゴーレムが狙っていた。狙っている様子は、獲物を狩ろうとする狩人のようだ。

「ぐ!?」

 ここにきて、今まで消耗してきた体力や魔力の影響が体に!これじゃあ上手く動けないじゃないか!俺が態勢を崩すと、ゴーレム達が動き出す。

 目の前のゴーレムは、腕を槍に変形させ、槍で突こうとする。

 反対側にいる2匹のゴーレムは、腕を弓に変形させ、矢を発射させる。

(やば!?)

 避けられない!?そう判断した俺は、直撃することを甘んじて受け入れ、出来るだけダメージが少なくなるよう身構える。

「・・・?」

 だが、俺にダメージが来なかった。いくら待ってもこないのでおかしく思い、顔を上げてみると、

「まったく。こいつをこんなボロボロにするとか、世界にはどれだけ上がいるんだよ」

「ご主人様!もう大丈夫です!」

「ルリ達が助けに来たよ!」

「お前ら、なんで?」

 そこにはいるはずのないザッハ、クロミル、ルリがいた。

次回予告

『4-3-25(第355話) 忘却を庇う三色の色』

 デベロッパーとの戦いで彩人は有益な情報を耳にした。その後、デベロッパー達はどこかに行き、デベロッパー作の魔道具が彩人に襲い掛かる。そんな彩人に救いの手を差しのべるかのように、ある三人が彩人の前に現れる。


 こんな感じの次回予告となりましたが、どうでしょうか。

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