表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
色を司りし者  作者: 彩 豊
第三章 魔道具であるレンカの黄朽葉な心
352/546

4-3-21(第351話) デベロッパー・ヌル

「屁理屈だと!?て、今はそんな短小なことはどうでもよい!!」

 そう言うと、デベロッパー・ヌルは俺を指差す。

「こいつは一体何者なのだと聞いている!!??」

 何故か激昂しながら聞いてきた。

(何者と言われてもな・・・)

 正直、自分でも答え辛い質問内容だ。う~ん・・・。

「ただのボ、冒険者だ」

 思わずボッチ、と答えてしまいそうになったが、咄嗟に冒険者と答える事がなんとか誤魔化すことが出来た。危なかった。

「そんな嘘を見抜けぬほど、我は無知ではないぞ!?」

 俺の言葉に、デベロッパーはもっと激昂した。

(ええ・・・)

 そんなことを言われても困るのだが。じゃあ自分の事をどう言えばこいつらは納得してくれるんだ?素直にボッチです、とでも言えばいいのだろうか?

「その通りです。奴はただの冒険者ではありません」

 そんな時、メイキンジャーがヘルプしてきた。俺はただの冒険者だと思っているのだが、違うのだろうか。

「奴は我が主、そして我々と同じ力を秘めた冒険者です」

「そうパラ。だからこそ、あの【条件結界】を突破することが出来たパラよ」

(え?何故ここで【条件結界】の話が出てくるんだ?)

 なんとなく、【条件結界】で定めた条件が、俺の力と関係してくると察しはつく。けど、俺にそんな驚くような力があるのか?とても思えないんだよな。

「くそ!まさか我らと同じ力を秘めている者がいるとは・・・!」

 デベロッパーは俺を見て悔しそうにしていた。

「だが、お前らがここまで来たからと言って、我が貴様らの言葉を信じ、素直に従うなんて迷信、信じているわけではあるまいな」

「相変わらず、主の言葉しか信じない猿ですね」

「ほんっと、そういう屁理屈で融通がきかず、主の言葉を直接聞かない限り動こうとしない頑固な性格、嫌いパラ」

「なんとでも言え。我は主の命に従い、魔道具の製作に集中しているだけである」

「・・・本当に主の口から出た主の言葉以外信じませんね」

「パラ。だからパラ達は毎回、こういう方法をとるしかなくなるパラ」

「・・・はぁ。毎度毎度力で無理矢理連れて行こうとするなんて。なんて野蛮なのでしょう」

 えっと・・・?つまりこれから、俺、メイキンジャー、パラサイダーの1人2匹と、デベロッパー1匹の戦いか。ゴーレム型の魔道具は見たところいなさそうだし、かなりこっちが優勢だな。

「・・・相変わらず学びが無いのか?これだから無学な者どもは」

 デベロッパーはため息をつきながら、白衣みたいな衣服のポケットを漁り始める。そして、取り出した何かを投げた。

「こい!我が魔道具よ!」

 そう言うと、何かが大きくなり、ある形を成してく。俺はその形に見覚えがあった。

(あれ、レンカだよな?)

 見た目はレンカそのものだ。つまり、ゴーレム型の魔道具という事だ。メイキンジャーとパラサイダーの言っていたことは本当だったんだな、別に信じていなかったわけではないけど。

「あの時と同じように、この魔道具で貴様を思う存分叩きのめし、我と貴様らの違いを講義してやるわ!」

 ゴーレム型の魔道具は、メイキンジャーとパラサイダー目掛けて拳を振り下ろし始めた。二匹は、何も動こうとしていなかった。理由は簡単だ。

「ふん!」

 俺がゴーレムを吹っ飛ばすと確信しているからだろう。確信しているから、無駄に動かないようにしたのだろうな。

「まあまあの速さですね」

「少し遅いパラ」

 人が助けたのに文句言いやがって!これが終わったら文句の一つでも言ってやる!

「こっちは、俺がなんとかする!だから、十分でなんとかしてくれ!」

 俺は目の前のゴーレムから目を離さず、二匹に大声で伝える。

「十分ですか。いけますか?」

「パラ。まったく問題ないパラ。むしろお釣りでお茶を沸かせるパラ」

 上等だ。

「ははは!!単なる人間如きにあの我がゴーレムを止められると?」

 デベロッパーは高笑いを始めた。俺、そんなにおかしいことを言ったのかね。笑いのセンスが分からん。

「そのゴーレムは、我の力を出来るだけ再現したものなのだよ。貴様如きが相手出来るなど思うなよ?」

「!?」

 な、なんだと!!??このゴーレムが、メイキンジャーとパラサイダーと同等の能力を秘めているというのか!?

(無茶苦茶だろ!?)

 前、洞窟で戦った時、尋常じゃない再生能力が厄介だった。今回は再生能力だけでなく、戦闘能力も尋常じゃないくらいにやばいのか。

(でも、やらなきゃな)

 ここまで何もしてこなかったわけじゃない。【色気】を多少極めたし、ザッハとの特訓のおかげで、【色気】の発動時間が延びたんだ。無様に負けるつもりはないぞ!

「【四色気・赤青黄緑】!」

 さぁ!今の俺が出せる最強の【色気】で、このゴーレムを凌駕してみせる!

「行くぞ!」

 俺はゴーレムに剣を向け、ゴーレムに急接近した。

 こうして、俺とゴーレムの戦いは始まった。

次回予告

『4-3-22(第352話) 戦闘中に聞いた言葉』

 彩人が魔道具と闘っている中、メイキンジャーとパラサイダーはデベロッパーと話をしていた。その話のある内容に、彩人は激怒する。


 こんな感じの次回予告となりましたが、どうでしょうか。

 感想、評価、ブックマーク等、よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ