1-2-9(第35話) 彩人へのお仕置き
王宮に
縛られ動けず
連れられて
見渡す限りは
敵だらけ
はい。今の気持ちを川柳にしてみたよ。だってこうでもしてないと怖いのだよ。赤の国王とか、執事とか、仲良し女子三人組に囲まれているし。みんな武装しているし、もう嫌!誰かこの状況なんとかしてよ!!
「ようアヤト。久しいな。一日ぶりだな」
お、これはスレッド国王じゃないか。きっとこの状況を助けてくれるに違いない。なんとなくだけど。
「なぁ国王。何この状況?説明して解放してほしいのですけど」
「ところでアヤト。先日の会議はどうだったか?」
「は、会議?何を言って………」
その時、俺は思い出してしまったのだ。緊急事態だったとはいえ、会議を途中退席し、この国王を名前で呼んでしまったことに。
「ナ、ナンノコトカナ~」
俺はとっさの判断でごまかすことにした。深く突っ込まれないことを祈りながら。
「そうか、なにもわからないか。ならしょうがないな」
「はい、そうです」
「ところで話は変わるのだが、国の大事な会議を途中ですっぽかす不届きな奴がいるのでな。そいつについての対応を考えているのだが、どうかな?」
「どう、とは?」
俺の背中には冷や汗が流れている。だが俺は、あくまですっとぼける。この状況を無事に乗り越えるために!
「一緒に考えてくれないか、ということだ」
「お断りします。私の意見なんぞ聞かなくても、あなたには優秀な部下がいるじゃないですか。」
「貴様に拒否権があると思っているのか?」
「私はただの一般市民ですので」
「ただの一般市民は、ヒュドラを倒すことなどできないのだが?」
「………」
「さて。それでは行こうか?我が娘やそこにいる者たちとも話がしたくてな」
「いやだ」
「なに?」
「いやだーーー!!!」
絶対俺になにか仕掛けてくるはずだ!その前に何とか逃げないと!
だが、その考えは叶わなかった。
「ひさしいな、アヤト?」
「あ、ああ」
そう。俺のトラウマを作った一人である、ギルドマスターであった。
「王よ。私、スカーレットのギルドマスターも、このアヤトのことに関して、手伝わせていただきたいと思います」
「うむ。助太刀感謝するぞ」
おい!王宮に部外者入れるなよ。お前ら王族が殺されても知らないぞ。
でもなんでこのギルドマスターは王宮に入れたのだろうか。
俺の知り合いにギルド関係者はいな………あれ?確か一人いたよな。そう思い、俺はリーフさんの方を見てみる。
「はい。私が呼びました。ギルドマスター直々の依頼でしたので」
やっぱリーフさんが犯人かよ!だが、時はすでに遅く、
「さぁ、アヤト。上にいるものとして、こういう馬鹿なことをしたやつには罰が必要だと思わないか?」
「すみません。俺、そういうことはやったことないのでわかりません。あと、ここから立ち去ってもいいですか?」
「逃げ切れると思うなよ?」
ガチャン。
不意に、俺の両腕からそんな音が聞こえた。ふと見てみると、手錠がかけられていた。
「あの、すみません。俺、犯罪者になった覚えはないのだけど」
「安心しろ。それはお前を逃がさないよう、拘束するための魔道具だ」
全然安心できない情報をありがとう!
「ところで、この魔道具はなんですか?」
「これはですね、かけた人の魔力操作を妨害する代物なのですよ」
おい。なんでクリム王女が説明しているのだ?
「ちなみにそれは国宝の一つで、もう一つ効果があるのですよ。」
「もう一つの効果?」
「簡単に言うと、体が敏感になります」
「………それだけですか?」
「はい。それではアヤトさん。覚悟してくださいね?」
「はい?」
その言葉を合図に、みんながにじり寄ってくる。
「アヤト。これは“お仕置き”だからな。覚悟しろよ?」
「私たちがどんな思いでアヤトさんを待っていか知っていますか?」
「置いてかれる人の気持ちを考えなかったのが悪いのですからね!」
「………アヤト。覚悟する」
順に、ギルドマスター、リーフさん、クリム王女、イブの順で話しかける。
俺は一体何をされるのだろうか?
「ちなみにその手錠、拷問とかに使われますので。それじゃ、行きますね?」
………え?拷問?何を言って……ああ!?
もしかして、この手錠で体を敏感にさせて、手錠で動けなくなったところを拷問させたりするのかな?
………やばい!早くこの状況をなんとかしないと!俺が大変ことになってしまう。
「み、みんな!とりあえず落ち着いて話し合おう!そうすればきっと」
「「「「アヤト、覚悟!!!」」」」
「いーーやーー!!!」
こうして俺は、四人から、快楽地獄を味わうことになった。
四人はただ、服を剥いて上半身を露出させ、肌を直で触り、コショコショされた程度だったが、俺はただ、喘ぎ声を出すことしかできず、危うく、皆の前で漏らしてしまうところだった。
ちょっとふざけている感じがアヤトらしくていいと思います。
みんなの意見も聞いてみたいです。