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色を司りし者  作者: 彩 豊
第三章 魔道具であるレンカの黄朽葉な心
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4-3-10(第340話) 泥棒逮捕の依頼

「はぁ!!」

「ルリ様!」

「氷れ」

 俺、クロミル、ルリは依頼のため、ゴブリンの討伐を行っている。俺はゴブリンを切り殺し、ルリはゴブリンを氷漬けにする。

「【牛蜂突き】!」

 クロミルはゴブリンめがけて突きを放った。突かれたゴブリンはその後、動かなくなった。おそらく、クロミルの一突きで死んだのだろう。流石はクロミルだな。それにしても、

「囲まれているな」

「そのようです」

「面倒くさい。丸ごと氷らせようかな?」

「いや。ここは俺に任せろ」

 俺はクロミル、ルリより一歩前に出る。そして、ある魔法を発動させる。

「【毒霧】」

 俺はゴブリン達の周囲に【毒霧】を発動させる。今回、【毒霧】の毒は猛毒。吸えば死ぬ強力な毒をイメージしている。

「「「!!!???」」」

 俺の【毒霧】の恐ろしさに気付いたようだが遅い。既にゴブリン達の体に毒がかなりまわっており、続々とゴブリン達が倒れていった。

「さすがはご主人様です」

「お兄ちゃん、すご~い」

「いや、そんなことないさ」

 とは言ったものの、内心褒められてとても嬉しいです。もうウキウキです。

「それより、これで依頼達成だな」

「はい。これで問題ないかと」

「やったー♪早く帰ってホットケーキ食べよー♪ルリ、お腹空いたー」

「はいはい」

 相変わらずルリは大食いだな。そう思いながら、俺はゴブリンの死体を回収し、この場を後にした。


 俺達は首都に戻り、ギルド内に入り、依頼が完了したことを報告した。ちなみに、今回受けた依頼は、農作物を強奪した魔獣の討伐。そして、農作物を強奪した魔獣、ゴブリンを討伐したのだ。

「はい。これで依頼完了です」

 俺はギルド職員から報酬を受け取り、依頼完了の報告を済ませる。ギルド職員と言っても、リーフなのだが。

「それじゃあ次もよろしくお願いしますね」

 こういい、リーフは奥に引っ込んでいった。その後、奥で何かし始めたらしく、物音が大きくなった。そういえば、リーフは色んな国のギルドで働いているが、どんな雇用形態なのだろうか。雇用形態には確か・・・正社員と派遣社員があったはず。リーフはどっちなのだろうか。どうでもいいと言えばそれまでなのだが。なんか、一度どうでもいいと思ってしまったら、どうでもよくなってしまった。

「ん?」

 そして、依頼書が貼られている掲示板に、古そうな紙が貼られていた。俺はその紙に記載されている内容を見てみる。

(泥棒逮捕?)

 いつも魔獣討伐関連の依頼ばかりこなしていたからか、こういった依頼書はあまり見ないな。たまに店番したり、子守したり、買い物を代行したりと、非戦闘の依頼もこないしていたが、泥棒逮捕の依頼は初めてだな。どの世界でも、物を盗む輩はいるんだな。

「ご主人様。この依頼が気になるのですか?」

「ん?いや、まぁ・・・少し?」

 正直、俺一人で解決出来ないだろう。それに、手がかりも何もないんじゃどうしようもない。最近の捜査は、科学技術が進歩して、髪の毛一つで犯人の特定も可能な時代だ。だが、この泥棒事件はその髪の毛一つもないのである。もうどこから手をつければいいのやら。いや、もしかしたら証拠はどこか別の場所に保管してあるのかもしれない。証拠を一般公開するなんてこと、早々ないだろうし。

「それじゃあ受ければ?」

 ルリが俺に提案した。

「いやでもな~・・・、」

 俺はこの依頼書の下の部分を見てみる。下の部分には、“情報求む!”と記載してあった。随分前からこの泥棒に悩まされていたのだろうな。

「もしかしたら、リーフ様なら何か掴んでいるのかもしれません」

 ここでクロミルが話を挟んでくる。確かにリーフなら何か知っているのかもしれないな。ギルド内に保管してある証拠を見せてもらうことが出来るかもしれないな。

「だな」

 とりあえず、話を聞いてみる事にした。


「う~ん・・・受ける事はあまりオススメ出来ませんね」

 リーフの見解によると、この依頼は非推奨な依頼らしい。

「理由を聞いてもいいか?」

「ええ。このギルドにある書物によると、長年泥棒は見つかっていないそうです」

「長年ってどのくらいだ?」

「少なくとも、50年以上前からだそうです」

「50年以上も前から!?」

 時効になってもおかしくないくらい年月が過ぎているじゃないか!?

「ということは、泥棒はかなりの年寄りか?」

「・・・分かりません。泥棒が一体、何を目的としているのか、何者なのか不明みたいです」

「そうか」

 勝手に人間だと断定するのは早計かもしれないな。もしかしたら親子2代、もしくは3代で盗んでいる可能性も捨てきれないな。盗人親子か?

「他に何か有力な情報とかないのか?」

「もっと日にちをかければ、何か見落としていたことが見つけられるかもしれません。なので、少し時間をください」

「分かった」

それにしても、なんだか俺がこの泥棒退治の依頼を受ける前提で話を進めている気がする。気のせいかな。気のせいという事にしておこう。

それにしても、泥棒に関する証拠、か。一体どんな証拠があるのだろうか。ちょっと気になるな。

「お兄ちゃん、お腹空いた~」

「そうだな。そろそろ夕飯時だし、俺達で夕飯作るか?」

「さんせ~!ルリ、ホットケーキ作りた~い!!」

「ご主人様。私はどの料理を作ればよろしいでしょうか?」

「そうだな~・・・」

 そして俺達は夕食の準備を済ませ、後日を待つこととなった。

次回予告

『4-3-11(第341話) 依頼の協力者と証拠品』

 泥棒逮捕の依頼を受ける際、彩人達はある者と一緒に依頼を受ける事になった。そして、協力者と共に証拠品を見る。


 こんな感じの次回予告となりましたが、どうでしょうか。

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