1-2-8(第34話) ヒュドラの人化
「ちょっと待て!お前はヒュドラか?」
「うんそうだよ♪あなたのおかげで目が覚めたあのヒュドラだよ♪」
「人になれるのか?」
そもそも、さっきとはずいぶん違うのだが。言葉遣いとか、話す態度とかその他もろもろ。
見た目は八歳くらいの少女で、藍色に染まった髪を肩に届くぐらいの長さでポニーテールにしている。顔もなぜか将来が楽しみな美顔となっている。アイドルの幼少期を思わせるような、そんな感じだ。
「今こうしてなっているじゃん♪それにさっきの言葉、忘れないでね♪」
「さっきのって?」
「これが終わったら、一緒に連れて行くって話だよ♪」
「そうだったな。(戦争に)連れて行く話だったな」
「うん!だから、(一生)一緒に行こうね♪」
「まずは祠直しからだけどな」
「うん!」
こうして俺は、人化したヒュドラと祠を直し、王都に戻っていった。
なお、
「一緒に手、繋いでよ、お兄ちゃん♪」
「だれがお兄ちゃんだ」
「でも一緒に行かないと僕、迷子になっちゃうよ?」
「だとしても、一緒に手を繋ぐ必要はないだろ」
「そんなこと言うお兄ちゃんに、お仕置きだ」
「な!?」
馬鹿な!?いつの間に俺の手を握ったのだ?
「おいヒュドラ。今のどうやって」
「教えないもん。これはお仕置きなのだから♪」
「はぁ」
ヒュドラと手を繋いでいた。
王都に着いた俺達を待っていたのは、
「あ、アヤトさん。おかえりなさい」
「もうアヤトさんってば、待たせすぎですよ。それで、ヒュドラの方はどうなったのですか?」
「………アヤト、遅い。ずるる」
ちょっとみなさん。何故そんな落ち着いているのですか。王都の前でお茶なんか飲んじゃってさ。
「ねぇアヤト。この人達誰?」
「「「アヤト(さん)!その子は誰!?」」」
…やばい。なにがやばいかわからないがとにかくやばい。とりあえず紹介だけ済ませよう。
「えっと、この子は……」
やば!名前考えてなかった!
「私はね、ヒュドラだよ♪よろしくね~。」
「「「ヒュドラ!!???」」」
あ~あ。やりやがったよこのヒュドラ(バカ)。どうやって収集付けようかな。
「「「アヤト(さん)」」」
「はい」
「「「お話、してくれますよね???」」」
「………」
「「「返事は!!???」」」
「は、はいーーー!!?」
こうして俺は三人に連れられ、王宮の方へ向かった。
「なんだか楽しそうだね、お兄ちゃん♪」
後で覚えていろよ、ヒュドラ。
読んだ方はどうか感想を載せてくれるとうれしいです。




