表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
色を司りし者  作者: 彩 豊
第二章 赤青交わる戦争
33/529

1-2-7(第33話) ヒュドラ

俺は光り輝く拳をヒュドラに向かって殴りつけた。

 光風波は、俺が森の中で開発した技の一種で、光の速さで左腕をチェーンソーのように振動させ、相手にぶつけることで、相手の体全身も超振動させる技だ。

 欠点は、この技を使った後、左腕が使い物にならなくなることだ。

 最初、面白半分で使ってみたら、左腕が吹っ飛んだ。もちろん死ぬほど痛かったが、それと同じくらい驚いたのだ。対策として、赤魔法で身体強化をしてからやっても、左腕の骨が粉砕してしまうのだ。だからこの技は、出来れば使いたくないのだ。


「はあああああああ!!」


 俺の左腕とヒュドラがものすごい速さで振動している。これでやつも細胞単位でダメになり、死んでいくはずだ。まぁ俺の腕もダメになるのだが。


「しねえええええええええええ!!!」


 最後の力を振り絞り、魔力全開で攻撃し続けた。


「ぐ!?ぐぅおお………。」


 お。ヒュドラの様子がおかしい。もしかして倒せたのか。


「………ひ……と……よ……。」


 何か言いたそうだな。今のうちに白魔法で左腕を治さなくては。


「………わ、れ、は……どうしてこんなところに。何故暴れていたのだ?」


 ん?なんか様子がおかしい。敵意が感じなくなったな。穏やかになったというか、丸くなってないか?


「おいヒュドラ。ちょっといいか?」

「む?お前は確か、あのとき我の祠に細工をしていたものか?」


 うわ!?急に殺意が俺の体を襲う。この殺意、やはり毒猪とは別格だな。


「ち、違う。俺はお前が暴れていたのを止めに来ただけだ」

「そ、そうか。すまぬ。勘違いだったようだな」

「それより細工ってなんだ?」

「うむ。確か青い服を着た多くの人間がこの我の祠に細工をしていたのだ」

「細工って?」

「おそらく、混乱させたり、無理やり暴れさせたりするようにしたのだろう。現に我がそうなったのだ」


 ………うむ。ここまでの情報を整理すると、絶対に青の国が絡んでいるよな。

 おそらく、ヒュドラに赤の国をぶつけて、壊滅した後に青の国が来て、金品やら貴重品やらをかっぱらうと。まるで墓荒らしだな。はぁ、青の国のやり方に呆れちまうよ。


「あ、そういえば。お前を暴れさせた奴らに心当たりがあるのだけど。」

「何!?それは本当か?」

「あぁ。というか、宣戦布告されたしな。」

「なるほど………」

「それで、おまえはどうする?」

「どうするとは?」

「いや。だって、お前だって立派な被害者じゃん?だったらそいつらに仕返しとかしたいのじゃないかと。」

 

 寝ている途中でいきなり起こされ、自分の寝どころである祠に細工されたのだからな。一番の被害者だろう。


「我がそいつらを殺してもいいのか?」

「別に。戦争ふっかけておいて、今更命乞いしても無駄だしな」

「その戦争に参加してもいいのか?」

「その大きさだと大変だから、小っちゃくなったらいいよ」


 冗談交じりに言ってみる。


「祠を治すのを、手伝ってほしいのだが?」

「俺の手伝える範囲でなら、別にいいよ」


 俺たち人間のせいで、祠が壊れちゃったしな。


「そうか。言質はとったぞ」

「は?何を言って」


 その瞬間、ヒュドラの体が光り、小さくなっていき、一メートルくらいで止まった。


「この姿なら問題ないでしょ!さぁ、まずは祠を直しましょ♪」

「………」


 ………は?え、なに、何が起きた!???

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ