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色を司りし者  作者: 彩 豊
第二章 メイズのような意志を持つ商王と三姉妹
309/546

4-2-34(第308話) 出現!宝を守る鉄壁の番人

 俺とモミジは今、何をしているのかというと、

「それにしてもこの穴、それとも洞窟でしょうか?長いですね」

「そうだな。確かに長いな」

 穴、もしくは洞窟を探索している。洞窟の中は暗かったので、火を点けた木の棒を所持している。たいまつ、買っておけばよかったな。ま、魔法で火をだせるからいいけど。

「本当にこんな場所があったなんて、驚きなんヤよ~。ヨヨ、知っていた?」

「ううん。ユユも知らなかった」

 ちなみに、俺とモミジだけでなく、ヤヤとユユにも来てもらっている。この国に住んでいるのだから、何か知っているかもしれないと判断し、一緒に来てもらったのだ。

(いざという時は、俺がおとりになって、モミジと一緒に逃げてもらうか)

 万が一のことは既に決めてあるから、即座に行動できるはずだ。万一の事なんて起きて欲しくないが。

 ちなみに、他のみんなはあの滝周辺で待機してもらっている。洞窟入り口から敵が入ってこないようにお願いしたのだ。戦力的にも人数的にも知識的にも問題ないだろう。むしろ、こっちが心配だ。

(逃げることも考えているから、これくらいの人数でちょうどいいかもしれないな)

 そう考えておくことにしよう。それにしても地元民も知らない場所、か。この洞窟にまつわる情報、1つくらいあってもおかしくないと思うのは気のせいか?それともみんな、滝の周りに自生している茸に夢中で、この洞窟に気づかなかったのか?ま、いずれにしても、この先を確認しておきたいし、先に進むとするか。


「へぇー。黄の国にそんな諺があるんだな」

「そうなんヤよ。ね、ユユ?」

「ユ。」

 俺達は道中、黄の国に伝わる複数の伝承について話を聞いていた。

 1つ目は、【前と後ろは常に抑えるべし】という伝承だ。俺も最初、どういう事を指し示しているのか分からなかったが、ユユが教えてくれた。なんでも、前とは物事の最初の事で、後ろは物事の最後を指し示しているらしい。そして抑えるというのは、把握とか理解とかそういう意味。

 つまり、物事の初めと最後は常に把握しとけ、という伝承らしい。

 俺がこの言葉に関する説明を受けて一言、

(へぇ)

 それしか言えなかった。ま、国だけでなく、地域によって伝承って異なるだろうし。郷によって様々な言い伝え、慣習等がある、ということだろう。方言とか方言とか、方言とか。方言しか言っていないな。

 そんな話を続けながら歩いていると、

「何ここ?」

「さぁ?ヤヤも分からないんヤよ。ユユは?」

「ううん」

「私も分からないです。ごめんなさい」

「いや、謝らなくていいから」

 ちょっと開けた場所に着いた。この洞窟の奥に、こんな広いスペースがあったとは。一体誰がこのスペースを・・・?いや、今はそんなことどうでもいいか。

 ん?なんか奥に見えるな。あれは・・・見えないな。

(【赤色装】)

 俺は【赤色装】を使い、視力を上げる。その先には、

(あれはボタン、か?)

 奥に見えたのは、ボタンっぽい何かであった。

「奥に何かあるようだぞ?」

「ほんと!?ならさっそく行ってみるんヤよ!」

 そう言い、ヤヤは一足先に向かう。

「だな」

 俺もヤヤの意見に賛同し、ヤヤの後に続く。その後ろにはユユ、モミジも続く。

 そして、数歩歩いた後、事態は急変する。

 ガコン。

「「「「!!!!????」」」」

 俺達が歩き始めた時、何か音が鳴った。何の音かは分からない。だが、何か嫌な予感しかしない。

「やばい、急ぐぞ!」

「「「は、はい!!!」」」

 俺は3人を急かす様に言葉をはき、走り出す。だが、既に遅かった。

「!?」

 俺は前後左右を見ながら、警戒しながら奥へ走る。一見、何も変化していないようにみえるが、俺の鼓動が、体が警報を鳴らしている。その警報は生存本能として正しかった。そして、その原因が分かった。

(これじゃあ間に合わないか)

 鉢合せする事間違いないな。

「みんな!上に気をつけろ!」

「「「!!!???」」」

 俺が言った直後、上から何か降って来たらしく、俺達の目の前に土煙が盛大に上がる。その土煙のせいで詳細は分からないが、俺達にとって嫌なものであることは間違いないだろう。

「迂回、すユ?」

「もちろん」

 俺達はユユの案に賛同し、正面突破しようとしていた道から、端っこを通る道へと変更する。

「・・・」

 やがて土煙は晴れ、降ってきた何かの正体が明かされる。

「あ、あれは!?」

 どうやらヤヤはあの何かの正体に見覚えがあるらしい。

「あれだよね、ヤヤお姉ちゃん」

「うん。あれヤ、あれ」

 あれって何だ?いや、俺も心当たりがあるんだけど。主にゲームで。

「結局、あれは何なのですか?大きな石に見えるのですけど」

 どうやら、モミジには思い当たる節がないらしい。無理もないか。生後一年未満だし、知識量が俺より少ないからだろう。俺の知識、だいぶ偏っているけど。

「あれは動く石像で通称ゴーレム。ある本ではこう書かれていたんヤよ」

 宝を守る鉄壁の番人、と。

次回予告

『4-2-35(第309話) VS宝を守る鉄壁の番人、ゴーレム』

 洞窟内を進む彩人、モミジ、ヤヤ、ユユの4人は、目の前に現れた宝を守る鉄壁の番人、ゴーレムと対峙する。


 こんな感じの次回予告となりましたが、どうでしょうか。

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