表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
色を司りし者  作者: 彩 豊
第二章 赤青交わる戦争
30/546

1-2-4(第30話) 宣戦布告

盗賊や空賊に合わず、無事についた俺は白竜皇にお礼を言った後、王宮に向かった。


「おぉ!アヤト。無事に依頼は終わったか?」

「あぁ、終わったよ。赤の国の王様」

「うむ?お主は何を当たり前のことを言っておるのだ?」

「白竜皇が教えてくれたのだよ。どっかの誰かと違って丁寧にな」

「我はきちんと自己紹介」

「したのか?俺は“王”としか聞いていないのだが?」

「………そ、そんなことより大変なのだ!実は青の国が宣戦布告をしてきたのだ!」


 こいつ。話をそらしやがったな。後で説教しなくては。


「後でお前を説教するとして、どこの国に宣戦布告してきたんだ?」

「…くにだ。」

「はい?」

「我が赤の国に青の国は宣戦布告してきたのだ!!」

「「「なんだって!!!???」」」

「………」

 

 兵士が驚く中、俺はまた新たな厄介ごとにただ沈黙するしかなかった。


「………ん?話し終わった?」


 イブ。こんなときに寝ていたのか。


 王宮の玉座からところ変わって、ここは重要会議室。本来、国のお偉いさん方しか入れないのだが、


「アヤトは将来、クリムの婿だから心配ない!」


 と、スレッド国王が他の貴族や軍の隊長に強く言ったためにいることになった。まぁ俺をよく思ってないやつがほとんどだけどな。


「それでは、会議を始める。まずは敵国の状況だな」

「はい!青の国は現在、宣戦布告をした後、戦争の準備をしております」

「………それだけか?」

「はい。そうでございますが?」

「あの、国王。ちょっといいですか?」

「なんだアヤト?」

「宣戦布告したのに攻めてこないなんてあるのですか?」

「あるわけないだろう」

「だったらなぜ?」

「「「………」」」


 俺が出した問いに答えられるものはいなかった。


「それより貴様は何者だ?」

「ん?俺のことですか?」


 なんだ?急に偉そうな貴族が俺に話をふってきた。


「今はそんなこと関係ないと思うのですけど」

「いやある!なぜなら、貴様が青の国に繫がっているかもしれないのだからな。」

「「!!??」」


 な、なんだってー。(棒読み)ほら、国王がちょっとおこですよ。仮とは言え、俺は国王の娘の婿ですからね。


「きさま!アヤトが青の国に繫がっているというのか!」

「えぇ。さらに言えば、ここにいるそこの者と、国王様以外そうお考えですよ」

「………」


 確かこの会議って、どうやって戦争を乗り切るかという話をしていたと思うのだが、どうしてここまで話がそれるのでしょう。


「えっと、とにかく…」


 ゾワァ!

 俺が話を切り替えようとしたとき、何かおぞましい気配を感じた。まるで生存することそのものを拒むように。俺は一瞬で悟った。

 こんな会議をしている場合じゃないと。

 俺は気配を感じた方向に緑魔法で敵を探す。

 見つけた!だけど、でかいぞ!?背丈は東京タワー以上だ。あんな怪物どうやって倒せばいいのだろうか?


「おいスレッド国王!あっちの方向にはなにがある!?」

「ん?なんだ急に。今は会議ちゅ」

「いいから答えろ!!」

「何だ貴様は!?」

「我が国王様に向かって無礼だぞ!」


 何か外野がうるさいけど気にしてはいられない。今は時間が無いのだ!!


「なんだっけ?」

「国王様。あちらの方角にはヒュドラが封印されたと言われる祠があります」

「だ、そうだが?」

「そうか。あれはヒュドラだったのか」


 今はあの怪物、ヒュドラの近くに行って、様子を見てから作戦を立てるか。

 そう考えた俺は会議室を出ようとする。


「まて貴様!どこに逃げる気だ!?」


 くそ!こいつ邪魔なのだけど。切っちゃおうかなこいつ。


「あぁもぉ邪魔!今ヒュドラがこっちに向かって来そうだからその様子見だよ!」


 俺は邪魔な貴族を強引に引っぺがし、その隙に会議室を後にした。


彩人が出た後、会議室で国王が非難されていた。


「国王様!なんですかあの無礼者は!」

「そうです!しかも青の国と繫がっているのかとかまをかけてみたら本当だったみたいですしね」

「さらに、容疑がかけられるとすぐに逃げる!これだから平民は!」

「………」


 国王は反省をしながら、思考し続けていた。

 私は身内に甘いのか?アヤトならこの国を良く出来ると考えたのだが、それが今、仇となってかえってきたのかと。

 それともう一つ。

 アヤトが言っていたヒュドラについてだ。

ヒュドラは昔、ある魔法使いが封印したと言い伝えられている。もはや誰もが知っているおとぎ話で、そもそもいるかどうかもわからない伝説の生き物である。

 そんな生き物が何故今更復活したのか。何故アヤトはヒュドラの復活に気付いたのか。そもそもこれらの行動はこの赤の国を滅亡させる罠なのか。本当だとしたら、アヤトはどうするつもりなのか。

 スレッド国王の悩みは尽きなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ