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色を司りし者  作者: 彩 豊
第4色 黄の国 第一章 蒲公英色な角犬の卵
273/546

4-1-18(第272話) 消臭方法~発案~

 あれから俺達は、

「卵、見つかって良かったね~♪」

「はい。おかげさまで角犬さん達の誤解もとけたことですし」

「・・・」

 ルリとモミジが朗らかに話している中、俺は不満であった。

「…?アヤト、どうかした?」

 イブの俺あての問いに、ここの5人が俺の方を向く。ちなみにクロミルは今も牛車を引いているので前を向いている。

「いや、どうしてあいつらは俺達のことを、卵を盗んだ奴ら、なんて思ったんだろうなって」

 俺達、そんなに怪しい風貌をしているのか?俺は・・・まぁ見た目妖しいし、喋り方もちょっとたどたどしく独特で、不審者感がにじみ出ていたかもしれないが、他のみんなは違うだろう。

 クリムは、ザ・活発系少女、という感じだし。

 イブはザ・読書系少女、という感じだし。

 リーフはザ・キャリアウーマン、という感じだし。

 ルリはザ・純真無垢系少女、という感じだし。

 クロミルはザ・メイドウーマン、という感じだし。

 モミジは・・・森ガール?

 ということなので、最も妖しいのは俺だろう。・・・相変わらず俺は自虐するんだな。別に俺はマゾ、なんかではないんだがな。

 ちなみに、メイドの後ろにウーマンをつけた理由は特に無い。あるとすれば…メイド服を着た男の子もメイドに含まれる可能性もある、と考えたからである。似合っていないのであればもちろん嫌だが、似合っていれば・・・悪くない、かも?似合うとすれば・・・ラピス、あたりがよさそうだな。あいつ、元男だし。

「う~ん・・・匂いでもついていたんじゃない?」

 と、ルリが無邪気に変な事を言ってきた。に、匂いって…。

「そんなにはっきり分かるものなのか?」

 俺の嗅覚には獣臭をキャッチした記憶はないのだが?いや、もしかしたら無意識のうちに嗅いでいたのかもな。

「私達には分かりませんが、魔獣の方が、嗅覚が優れている、なんて話はよく聞きますよ」

「へぇ~」

 さすがはギルド職員、よく知っている事。そういえば、地球にいた時も、人間より犬の方が、嗅覚が優れている、なんて話をよく聞いていたな。警察犬で匂いを追跡して犯人を捜し出す、なんてドラマを見ていた記憶がある。人との交流が無かったから、テレビとよく話をしていたものだ。あの時は楽し・・・なんか急に悲しくなってきた。俺はあの時、どういう心境でテレビと話をしていたのだろうか。当時の俺は楽しく話していたと思うが、今考えると、かなり異常な行動だよな。大きな独り言よりやばいかも。あれ?今何を考えていたんだっけか?…どうやら考えが横道に入ったようだ。元の道まで戻るとするか。

「そういえばルリ、あの卵にたくさんさわったけど、その時に匂いがついたのかな?」

 と、ルリが聞いてきた。

「確かに、その可能性はあるな。かくいう俺も少しだが触ったし」

 と、俺はあの卵に触れた左手を見つめる。この手にももしかしたら匂いが残っていたのかもしれない。いや、それだけじゃない。もしかしたら手だけでなく、俺の体全身にもついていたのかも。これからは入念に体を洗った方がいいかもしれないな。別に普段から雑に体を洗っているつもりはなかったが、意識はしていなかったな。今度からは意識して体を洗うよう心掛けてみるか。

「もしかしたら、私達にも匂いが移っていたのかも」

「…確かに」

 そう言い、クリムとイブは自身の体臭を気にし始める。その行動に影響され、リーフ、モミジ、ルリも自身の匂いを気にし始めた。

「・・・」

 気のせいかもしれないが、クロミルも気にしているように見える。クロミルは俺達のために働いてくれているわけだし、気にしなくてもいいのに。だが、そんなに気になるのであれば、何か対策を講じる必要があるかもな。例えばシャンプーとか石鹸とか。買ったような気がしたような、しなかったような。今度、アイテムブレスレット内の道具でも整理するか。

 それにしても、

(そこまで確認しなくても…)

 イブ達は入念に体臭の確認をしていた。そうまでして、あの角犬の獣臭が嫌なのだろうか。なんなら、俺の匂いをイブ達に移して…これ以上はセクハラになりそうだからやめておこう。

「多分、臭っていないから大丈夫だと思うぞ?」

 と言っても、

「「「・・・」」」

 臭いの確認をしていた。女性ってここまで臭いに敏感なのか。へぇ~。

「次の街に着いたら、消臭関連の物でも買うか?」

「「「うん!!!」」」

 どうやら今の俺達の最大の課題は消臭らしい。

「・・・」

 どうやら、クロミルも賛成らしい。後ろからではクロミルの表情は分からないが、尻尾の動きである程度分かった。クロミルも臭い、気にするんだ。なんか、

“ご主人様に仕える身なので、最低限の身だしなみを整えなくてはなりません”

 なんて言いそうだ。あくまで俺の妄想なので、本当のところは分からないのだが。そういえば、クロミルは一応俺の従者、という扱いでいいんだよな?それなのにメイド服を着ていないのはおかしくないか?まぁ、俺の完全なる偏見だけど、従者のイメージはメイド服か執事服を着ている人、という人物像を個人的に空想してしまう。俺のいやらしい妄想フォルダー内には、メイド服もきっちり保存されているからな。俺はいつでもメイドプレイを…!…なんで俺はこう、いつも考えが逸れ、下の方に流れてしまうのだろうか。

(それじゃあ次の街では、何かいい消臭グッズでも探すとするか)

 それじゃあ、今から次の街が楽しみだな!

 あれ?そういえば、俺達が向かっている町の名前って・・・?ま、たまにはいいか。今は街の名前より消臭対策だ。

(あ)

 いい消臭方法、見つかったかも。そんなことをふと思いつき、今日もクロミルが引っ張ってくれている牛車に揺られる。

次回予告

『4-1-19(第273話) 消臭方法~実験~』

 消臭方法であることを思いついた彩人は、思いついたことが正しく出来るかどうか調べるため、実験することにした。


 こんな感じの次回予告となりましたが、どうでしょうか。

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