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色を司りし者  作者: 彩 豊
第4色 黄の国 第一章 蒲公英色な角犬の卵
259/546

4-1-4(第258話) 卵との出会い

「・・・ん?ん~…、」

「お、おはようございます・・・」

「朝はまだ寝る時間zzz」

「あれ?クロミルお姉ちゃんは?」

「あ、みなさん。おふぁようございます」

 彩人とクロミル以外の5人が起き、テントから出てみると、

「あ!」

 そこには朝食と、既に起きている2人がいた。だが、それだけではなかった。その2人も、この場にある何かを見ていた。この場にいる5人は、

「「「「「え?????」」」」」

 全員、息を合わせて声に出し、疑問に思っていた。何せこの場には、7人の他に、生き物、と思われる物体が、二人の視線の先に位置しているのだから。


「…それでアヤト、あれは何?」

 俺とクロミルがしばらく見て様子を窺っていると、イブが話しかけてきた。どやらイブだけでなく他の人達も起きてきたらしい。

(俺だって、あれが何なのか知らねぇよ)

 と思いつつ、

「さぁ?何かの・・・卵?じゃないか?」

「…ふぅーん」

「一応近づくなよ?何されるか分かったものじゃないからな」

 一応卵と俺達との間に【結界】は展開し、最低限の防御手段は行使しているが、これで安心するほど落ちぶれていない。落ちぶれていないが、

「それじゃあお兄ちゃん!先にご飯食べていい?」

「言うと思った。別にいいけど」

 ま、ルリにとってあんな卵、脅威でもなんでもないんだろうな。俺も脅威こそ感じなかったが、油断していい理由にはならないからな。

「いいの!?それじゃあいっただっきまーす!」

 そう言って、ルリは美味しく朝食を召し上がり始めた。

(あ。本当に朝飯食うんだ)

 いいと言ったのは俺本人だし問題は全くないが、それでもためらうものじゃないのか?いや、ルリは元魔獣。俺みたいな人間でボッチの常識は通用しないのかもしれない。…自分で言っておいてなんだが、ボッチの常識って一体…?

「…アヤトは先に食べていて」

「え?」

 ここで心の救世主、じゃなかった。イブが俺に助けの言葉を与える。

「…ここで全員、あの卵を見張っていてもしょうがない。なら当番で見て、私達に害を及ぼすかどうか観察し続けるのが妥当だと思う」

 と、イブは言いながら、俺、リーフ、モミジ、クロミルを見てくる。

「…ねぇイブ?なんで私だけ目を見て言ってくれないのかしら?」

 ちなみにクリムには、目を一切合わせていない。きっと、話しても無駄だと思い、スルーしたんだろうな。クリムの前では言わないけど。

「俺はその案に賛成だ」

「いいのではないでしょうか?朝ご飯を食べている内に眠気もなくなることですし」

「い、いいとおもいましゅ!」

「その考えがベストではないかと」

 イブの案にみな反対はしないようだ。

「ちょっとイブ!?どうして私に聞かないの!?」

 イブはクリムがいないものとして話を進めているらしい。

「…それじゃあまずは食べる順番を決める。まずは…、」

「だから何で私の話を聞かないのよ、イブーーー!!!」

 クリムの声が朝早々に響いた。


 全員朝ご飯を食べ終え、片づけまで済ませた俺達は、

「「「「「「「・・・」」」」」」」

 全員、あの卵を見ていた。

 あれから俺達は朝食を食べていたのだが、一切あの場から動いていなかった。ま、卵から足が生えて動く、なんて絵面は想像したくないのだが。それとも翼を生やしてお空を飛んでいくとか?

(ないな)

 そんなことを考えながら卵を見続ける。

「それにしても、これって何の卵なんだ?」

 卵は肌色?ぽい色をしているが、この卵から生まれてくる何かも肌色、なんて保証はないだろう。それでいて卵生だから、少なくとも哺乳類ではないな。となると、肌色の爬虫類?てことになるのか。思い当たる節が無いな。

「?さぁ?」

 まぁ、クリムに聞いても仕方がない。クリムには悪いが、最初からクリムに期待などしていない!期待しているイブやリーフならどうだろう?俺はイブとリーフを見る。

「…?」

 どうやらイブは分からないらしい。ならリーフは?

「どっかで見たことあるような、ないような・・・?」

 リーフは言葉を濁していた。俺やクリムよりは期待できそうだな。ここはリーフに任せよう。

「この卵、放置していいか?」

 俺は確認のため、全員に視線を送る。なお、その全員にクリムも含まれている。

「「「「「「はい!!!!!!」」」」」」

 よかった。全員、俺の考えに賛成のようだ。

「それじゃあお兄ちゃん!早く行こう!」

「ああ」

 早く行くために準備しないとな。

「承知しました」

(!?く、クロミル!?まさか俺の心境を察知して!?)

 相変わらず、クロミルの読心技術は凄まじいな。

「お、おう。そうだな」

「「「「「?????」」」」」

 他の人達は俺とクロミルの会話に疑問を抱いているみたいであった。ま、証人と返事しか言っていないもの。肝心な事を口にしていないから分からないのも無理ないか。

 そして俺達は、牛車を走らせ、この場を後にしようとする。

「ちょっと待って」

「ん?どうした、ルリ?」

「うん。せっかくだから、」

 ルリはアイテムブレスレットに手を触れ、何かを取り出す。その何かとは、今も湯気を放っており、「あち、あち」と、素手で触ることに少し抵抗を持っているようである。その何かとは、

「せっかくだから、お裾分け♪」

 ルリは自身のアイテムブレスレットから取り出したホットケーキを卵の上に乗せる。

「じゃあね♪」

 ルリ含めた俺達は本当にこの場を去ろうと動く。

「・・・」

 卵を残して。

 そしてその卵は、

「・・・」

 ゆっくり、ゆっくりと回転し始める。回転し始めた方向は、

「・・・」

 彩人達が向かっていった方向と同方向であった。

『4-1-5(第259話) 新たな魔法のイメージ』

 卵と出会ってから数日、彩人は暇を持て余していたため、新たな魔法の習得し、どのような魔法を使えるようになればいいのか考え、新しい魔法のイメージを思い浮かべ始める。


 こんな感じの次回予告となりましたが、どうでしょうか。

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