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色を司りし者  作者: 彩 豊
第三章 赤茶色くなり始める世界樹
238/546

3-3-13(第237話) タンカ来訪

 みんなで同じ部屋に泊まった後日。

「ふ、あぁ~・・・」

 少し眩しいことに気が付き、目を覚ました。そこには、

「全員、既にでかけたのか」

 全員の姿がなかった。代わりに置手紙があり、そこには、

“先に朝食を食べてくるので、起きたらロビーに来てください”

 と書かれていた。俺は置手紙に従い、ロビーに向かうと、

「あ、お兄ちゃん。おっはー♪」

 ルリはどこかの番組のような挨拶を交わし、

「アヤト、おはようございます。今日もいい筋トレ日和ですね」

 クリムは相変わらず筋トレのことしか考えていないらしい。

「…ここの朝食は美味♪」

 イブは寝起きでも食べることばかり考えている。

「…まだ眠いzzz」

 リーフは食事しながらも、半分寝ていた。

「あ、おはよう、ございます」

 モミジはいまだに挙動不審だった。

「ご主人様、おはようございます」

 クロミルは礼儀正しい挨拶を交わしてくれた。

「さて、俺も朝食をいただくか」

 こうして、俺もみんなの輪に入り、一緒に朝食をいただいた。

 朝食を食べ終え、俺達が宿屋を出たところで、

「お久しぶりです!」

 見慣れた?女エルフがいた。正直、ボッチな俺に人の顔を覚える、なんて至極難しいことは出来ないのだが。それにしても見覚えが…あるような?ないような…?

「お姉ちゃん、誰?」

 ここで俺の意思を代弁してくれたかのように、ルリが代わりに聞いてくれた。ナイス、ルリ!

「私は緑の国の兵士団団長のタンカです!」

 と、敬礼しながら答えてくれた。兵士団団長?というのはよく分からなかったが、タンカ、という名には聞き覚えがある。確か…、

(あ!?あいつ、バンダド=シンペキとの戦いでカーナ、エーガンと組んでいた3人組の1人か!?)

 と、ようやく思い出した。名前や顔を見ても思い出せないなんて、さすがはボッチ!リアルの人の名前なんか微塵も思い出せないな!…自虐はこれくらいにして、話を進めるとしよう。

「た、タンカか。久々だな」

「は、はい!」

「それで何の用だ?」

 そういった瞬間、タンカの顔が濁る。

「?どうかしたの?」

 ここで何かを察したらしく、リーフも話に加わる。

「実は…、」

 ここでタンカは、意味ありげにルリ達を見た。一体どういう意図で見たのかは分からないが、話をする際、ルリ達には聞かせたくない、ということなのか?俺がタンカの意図に悩んでいると、

「…クロミルちゃん。ルリちゃん、モミジちゃんを連れてどっか行ってもらえませんか?」

 リーフはいつにもなく真顔ならぬ真声で話した。

「ねぇ?ルリもリーフお姉ちゃん達と一緒に…、」

 ルリが言い切る前に、

「ごめんね。でもこれは、私達だけでまず話し合う必要があるの」

 子に言い聞かす母親のようにリーフは諭す。

「…私、要らないの?」

 ルリの言葉に、

「ううん。ルリちゃんは私達に必要よ。でも、ルリちゃんには聞いてほしくないことがあるの。だからごめんね?」

 …正直、リーフには嫌な役を押し付けてしまったと思う。これでルリが承認しても、ルリが恨むのはリーフただ一人。本当なら俺が言うべきことなのだが、言わせてしまったな。

「・・・分かった。クロミルお姉ちゃん、モミジお姉ちゃん、行こう?」

「…かしこまりました」

「…うん」

 何か言いたそうにしていたが、二人ともルリの後についていった。そういえばあの3人、どこに行くのだろうか?ま、クロミルがついているから大丈夫だろう。

「…あなたもルリ達に付いて行った方がいいんじゃないの、筋肉お化け?」

「ほう?私にそんなふざけたことを言える立場ですかね、この食欲お化けが」

「「・・・」」

 二人は喧嘩を始めんばかりの視線をぶつけ合ったが、

「これは後でけりをつけましょう」

「…ん」

 どうやら、後で決着をつけるらしい。確かにこの場で行われても困ったから結果オーライだな。

「これで話せるか?」

 これで話すことができない、なんてことはないだろう。

「…実は、この国、シンペキの門に、その問題があります」

「「「「問題????」」」」

 タンカが言う問題について疑問を持ったまま、

「ここで話すより、見た方が早いかと。私がご案内いたします」

 俺はタンカの案内につき、この国の入り口に向かう。

 そして、実際に向かった俺達を待っていたのは、

「ちょっと、いいかな?」

「「「「!!!!????」」」」

 フォレードの一員であるウッドピクシーがいた。

 そして俺は無意識に、

「【空縛】」

 魔法を発動させる。

「ま、待ってください!」

「?どうした?」

 俺はある女エルフの兵士の言葉を聞きつつ、

「ぐっ」

 確実にウッドピクシー達を束縛する。あいつらが完全に動けないようにして、それからは確実に殺す。

「そのピクシー達に敵意はありません!むしろ、このピクシー達がアヤト様方に大事なお話があるみたいです」

「ほぉ?」

 俺は完全に束縛していた状態から、顔の部分だけ束縛を緩ませ、話を出来る状態にする。

「俺の大事な人達を傷つけた本人達が一体何の用だ?」

 俺は憎たらしくウッドピクシーに聞く。

「私は話をしにきました」

「話だぁ?」

「はい。その話を聞いた後でしたら、私を殺しても構いません。ですから、話を聞いていただけませんか?」

「・・・」

 俺は出来るだけ今の怒りの気持ちに整理をつけ、

「分かった」

 俺は魔法を解除した。それは、周囲に女エルフ達が常に武装し、臨戦態勢を取っていることに安心したからだ。今のこいつらなら、いきなりこいつが暴れだしても大丈夫だろう。俺も臨戦態勢だけしておこう。

「さ。話を聞かせてもらおうか?」

「はい。実は、」

 そして、ウッドピクシーからの話は、

「暴走している世界樹様を助けてほしいのです」

 この場にいる全員が驚きを隠せずにいた。

『3-3-14(第238話) 世界樹、森災として復活』

 シンペキの門に現れたウッドピクシー達から言われたことは、死んだはずの世界樹が蘇り、しかも、森災として暴走している事であった。そこで森災や世界樹についての話を色々聞かされる。


 こんな感じの次回予告となりましたが、どうでしょうか。

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