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色を司りし者  作者: 彩 豊
第三章 赤茶色くなり始める世界樹
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3-3-10(第234話) 祝杯を終えて

「ふぅー。食った、食った」

 それにしても、昨夜はだいぶ食ったな。それはもう、どこかの大食いギャルみたいな食べっぷりだったと思う。久々にあんなに甘いもの堪能したからな。料理を試作している時、あまり食べなくて正解だったな。そのおかげでこんなに楽しめたわけだし。

「満足、です。これで心地いい睡眠、が…、」

「…もう、食べられない♪」

「もう~。食べた分はきっちり動かさないとだめですよ。体で♪」

 ちなみに、あれから俺達はというと、外で寝てしまった。誰かが俺のところに毛布を敷いていてくれたのか、茶色い毛布が俺の腹にかかっていた。おかげで、冷たい夜風の中、

「うぅ~。こんな寒い時期に外で寝るものじゃないな~」

 少し寒気がする程度で済んだのだ。…これってどう見ても、体感的にも、

「風邪、だよな~」

 地球にいたころは、そこまで風邪をひかなかったんだよな。何故かって?風邪菌を移されるほど人に会っていなかったからですが何か?それに付け加え、ほとんど家から出ていなかったからな。まったく、こんなところでボッチの頑丈性を示すことになるとは思わなかったな。…それは風邪になったことがないからで、風邪に強いのかどうかわからないのでは?なんてお堅いツッコミは無しにしてもらおう。それにしても、確かリーフ達って家内で食べていた記憶があったような気がするのに、何故今はこんな外にいるんだ?暖かそうな毛布を幾重にも重ねているあたり、確信犯、かもしれないな。何に対してなのかはわからんがな。

「寝ている時って、本心が結構口に出るよな」

 リーフは惰眠。イブは食欲。クリムは筋トレ。まったく、どいつもこいつも欲望に正直なものだ。俺も人のことは言えないが。…今なら、この三人のお胸様を揉んでもばれはしないのだろうか。そんな高校男児みたいな性欲まみれ願望を脳内に埋め尽くしてはみたものの、俺にはやっぱり度胸がない。理由は一つ!

「そう!ボッチだから!!」

 ボッチだから、人との交流がない。人との交流がないから、どう接すればいいかわからないのだ。地球にいたころも、国や地域によってあいさつの仕方が異なるって聞いたことがあるしな。アメリカでは確かあいさつ代わりにハグをすると聞いたことがあるが、日本でそれを行うと、警察行き90%だからな。犯罪のリスクを背負ってまで、女性の方に厭らしいことはしないのだ。

「…なんか、だるくなってきたな」

 起きた瞬間から、なんでこんなに考え込まなくちゃいけないんだ?そのうえ、俺は元々だらけた一生を送りたいのだ。それこそ、頭や体を動かさなくてもいいくらいの。だから、こんなに頭を使うことが面倒くさく感じてしまうのだ。ほんと、だるい。

 ・・・なんか、俺ってこんなに怠け者だっけか?異世界に来てから、だるいとか動きたくないとか、そんなことばっか言っている気がする。まぁ、将来的にはそういう生活を望んでいるわけだし。近いうちにその夢が叶うといいな。…ま、客観的には無理だってわかっているんですけどね。働きもせずにだらだら過ごすことができる人物なんていないよな。はぁ。勤労の義務、なくなればいいのに。

「ん、ん~」

 そんな暗いことを考えつつ、俺は背伸びをし、体を起こす。

「さて、そろそろ動くか」

 今日は一体、何をしようかね?俺の迷走生活が今日も始まる。


 一方、

「これがあいつの灰パラね」

 ある森の一角で、あるものがある灰を集めていた。その灰を、

「さて、それじゃあ始めるパラよ」

 そして、

「【寄生・極】!」

 ある生き物の前に、大木が現れる。

「さぁ。パラのために頑張るパラよ」

「・・・」

「返事は!?」

「かしこまりました、マスター」

「うむ、よろしい。まずは手始めに、周りにいるフォレードを従えるパラよ」

「「「!!!???」」」

 森の異変に集まっていたフォレード達は、異質な存在の前に姿を現す。

「き、貴様!?何故あの方がここにいる!?説明しろ!」

「それは、私が使うから再生したに決まっているパラ」

 と、異質な存在は、フォレード達の質問に答えつつ、大木の上に乗る。

「貴様!?貴様ごときが上に乗るでない!その方は、我らの主だぞ!」

「そんなこととっくに調べ済みパラ」

 そう言って、異質な存在は大木、世界樹に視線を送る。

「だけど、こいつはもう、お前らが知っている世界樹ではないパラ」

「なんだと!?」

「こいつはもう、パラの言うことしか聞かない木偶人形パラ。それに、」

「「「!!!???」」」

 異質な存在が話している間に、世界樹に変化が訪れる。それは、

「ば、馬鹿な!?世界樹様に火が!?」

 それは、世界樹に火が灯ったからである。本来、葉がある部分に、まるで葉の代用であると主張せんばかりに、火がメラメラと燃え滾る。

「お♪やっとパラの【寄生・極】が効いてきたパラね」

「貴様~!!」

 フォレード達は、異質な存在に対し、視線だけで殺そうと睨み付ける。

「さ、次はお前らに寄生するパラね」

「なっ!?」

「といっても、こいつに命令させて、お前らを動けなくさせてからじっくりやるパラね」

 といい、異質な存在は世界樹に命令しようと動く。

 その中、

「…お前らは逃げろ」

 フォレード達はある作戦を決行しようとしていた。それは、

「…私達では敵わない。そういうことですか?」

「ああ」

 それは、ウッドピクシー数匹を逃がすことである。そうすれば、フォレードの全滅を避けることが可能となるからである。だからと言って、

「そんな!?私達だけで逃げるなんて…!」

 ウッドピクシー達は納得していなかった。同じフォレードの仲間として、死なせるような真似はしたくなかったからだ。

「いいから逃げろ!」

 ドライヤドや人面樹達は植物を使い、ウッドピクシー達を隠す。

「そんな…。みんな…」

 一人のウッドピクシーは、

「あれれ?あのちっこいやつを逃がしちゃったの?ま、君達がいればいいパラ。それじゃあ世界樹、よろしくパラ」

「かしこまりました、マスター」

 そういった瞬間、

「逃げろ!」

 人面樹達はかつての主、世界樹に対し、攻撃をしかける。

(申し訳ありません!)

 かつての主と対立することになっても、守るべきを守るために行動を起こした。その守るべきものを、

「ほら、早く飛ばないと」

 今も必死に逃げているウッドピクシーに託したのだ。

「この森を、守るためだもんね」

 この森を守るため、

「でも、本当にあのエルフ達を頼るの?」

「うん。だってそれ以外に森を守る方法が無いもの」

「そう、だね…」

 女エルフ達がいる場所、シンペキへと体を動かしていった。

『3-3-11(第235話) 祝杯後の依頼遂行』

 祝杯を終え、彩人とルリはギルドから依頼を受け、討伐対象である魔獣を討伐しつつ、食料になりそうな食材を採取していった。


 こんな感じの次回予告となりましたが、どうでしょうか。

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